(旅のノウハウ集)




B鉄道チケットの手配
鉄道のチケットは、現地に行って日本国内のように駅の切符売り場に並んで買えばいいわけで別に問題はありません。ところで、ヨーロッパの鉄道に関してはユーレイルパスなど圏外国の人々にはユニークなパスが用意されており、これを利用すると便利な場合があります。以下では、それぞれの地域ごとに説明しましょう。

1.ヨーロッパ編
この地域では、ユーレイルパスをはじめ、多種類のパスが用意されています。ですから、訪問国や旅のスタイル、期間に応じて最適のパスを購入し、利用することができます。

<ユーレイルパスとは>
ヨーロッパの次の21ヶ国共通の鉄道周遊券で、期間内は乗り降り自由で乗り放題、急行、特急料金も含まれている鉄道パスのことです。
(20ヶ国・・・フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ギリシア、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイルランド、スロヴェニア、クロアチア、チェコ  <以上10年3月現在>)

<どこで購入できるか>
国内であれば旅行社や次のサイトなどで購入できます。早目に手配しましょう。

アルキカタ・ドット・コム


海外現地では、前記21ヶ国のレイルパス圏内国では購入できません。これはこのレイルパスの本来の目的が、イギリス、アメリカなどの旅行者に便宜をはかってヨーロッパ大陸に誘導しようとの狙いがあるからです。ですから、イギリスなどでも購入できますが、もし払い戻しを受けたりする時は発行旅行社で手続きすることになるので、国内で購入するほうが便利です。

<どんな種類があるか>
その用途に応じて、多種類のパスが用意されています。

*ユーレイルグローバルパス
(5ヶ国以上の鉄道旅行向き)
上記の21カ国の国鉄もしくは代表的な鉄道会社(おもに民営化をした国鉄)で利用できる鉄道パス。これには乗車料金と特急料金が含まれています。全席指定制の列車は、別途指定料金が必要になります。

こちらをご参照 ⇒グロ−バルパス


<私の例>
2ヶ月のユーレイルパスを購入し、西欧・北欧13ヶ国を64日間かけてめぐりました。



ユーレイル セレクトパス(隣接した3〜5ヶ国の鉄道旅行向き)
ユーレイル加盟24カ国の中から、隣接をした3-5カ国の国鉄もしくは代表的な鉄道会社(おもに民営化をした国鉄)で利用できる鉄道パス。利用開始日より2ヶ月間の有効期間の中で、5日、6日、8日、10日、15日(5カ国用のみ)の鉄道利用日(通用日数)が選べるフレキシータイプの鉄道パス。フランスのTGVやイタリアのエウロスターイタリア(ES)など全席指定の列車や夜行列車の寝台を利用する場合は、別途座席指定券や寝台券が必要になる(要追加料金)。

こちらをご参照 ⇒ユーレイル セレクトパス

選択可能なユーレイル加盟24カ国
オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、アイルランド共和国、スペイン、スウェーデン、スイス、ルーマニア、クロアチア、スロヴェニア、セルビア、モンテネグロ、ブルガリア、チェコからなるユーレイル加盟24ヵ国の中から隣接した3〜5ヵ国が選択でき、選んだ国の国鉄もしくは代表的な鉄道会社(民営化した国鉄)の鉄道路線で利用できます。

隣接国一覧
オーストリア(ドイツ・ハンガリー・イタリア・スイス・クロアチア/スロヴェニア)
ベネルクス(フランス・ドイツ・アイルランド)
デンマーク(ドイツ・ノルウェー・スウェーデン)
フィンランド(ドイツ・スウェーデン)
フランス(ベネルクス・ドイツ・アイルランド・イタリア・スペイン・スイス)
ドイツ(オーストリア・ベネルクス・デンマーク・フィンランド・フランス・スウェーデン・スイス)
ギリシア(イタリア)
ハンガリー(オーストリア・ルーマニア・セルビア-モンテネグロ&ブルガリア)
アイルランド(ベネルクス・フランス)
イタリア(オーストリア、フランス、ギリシア、スイス、スペイン、クロアチア/スロヴェニア)
ノルウェー(デンマーク、スウェーデン)
ポルトガル(スペイン)
スペイン(フランス、ポルトガル、イタリア)
スウェーデン(デンマーク・フィンランド・ドイツ・ノルウェー)
スイス(オーストリア・フランス・ドイツ・イタリア)
ルーマニア(ハンガリー・セルビア-モンテネグロ/ブルガリア・オーストリア)
クロアチア/スロヴェニア(オーストリア・イタリア・セルビア−モンテネグロ/ブルガリア・ハンガリー)
セルビア-モンテネグロ/ブルガリア(ハンガリー・ルーマニア・クロアチア/スロヴェニア、ギリシア)
※ベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)は1ヵ国とみなします
※クロアチアとスロヴェニアは1カ国とみなします
※セルビア、モンテネグロ、ブルガリアは1カ国とみなします。


*特定地域に限定して鉄道旅行する場合(エリアタイプ)

北欧 スカンレイルパス(デンマーク国鉄、フィンランド国鉄、スウェーデン国鉄、ノルウェー国鉄の全線で利用できる鉄道パス)
中欧(東欧) ヨーロピアンイーストパス(オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランドの中欧5カ国の鉄道で利用できるパス)
スペイン&ポルトガル ユーレイルスペイン&ポルトガルパススペイン国鉄(RENFE)、ポルトガル国鉄(CP)の乗車料金、特急料金が含まれる
バルカン半島 バルカンフレキシーパスバルカン半島のブルガリア、セルビア・モンテネグロ、マケドニア、ルーマニア、ギリシャとトルコの6ヵ国の国鉄に有効なパス
ベネルクス3国 ベネルクスツアーレイルパスベルギー、オランダ、ルクセンブルク(ベネルクス3国)の国鉄が乗り放題のパス
フランス&イタリア ユーレイルフランス&イタリアパスフランス国鉄(SNCF)とイタリア鉄道(fs)で利用できる鉄道パス
フランス&スペイン ユーレイルフランス&スペインパスフランス国鉄(SNCF)とスペイン国鉄(RENFE)で利用できる鉄道パス
スイス&フランス
スイス&オーストリア
スイス2カ国パススイスとフランスもしくはオーストリアの鉄道路線で利用できる鉄道パス。これにはフランス&スイスパス、スイス&オーストリアレイルパスがある。
オーストリア&チェコ オーストリア&チェコパスオーストリア国鉄(OBB)とチェコ鉄道(CD)で利用できる鉄道パス


<各国別のレイルパス>
1ヶ国をじっくり鉄道旅行する場合に向いています。これには次のものがあります。

フランス(フランスレイルパス)
スイス(スイスパス、スイスフレキシーパス、スイスカード、スイストランスファー
      チケット)
ドイツ(ジャーマンレイルパス)
イタリア(トレンイタリアパス)
イギリス(ブリットレイルパス、ブリットレイルフレキシーパス、イギリスエリアパス)
オランダ(オランダレイルパス)
オーストリア(オーストリアレイルパス)
チェコ(チェコフレキシーパス、プラハエクスカーションパス)
・ポーランド
・ルーマニア
・ハンガリー
・クロアチア

スペイン(スペインフレキシーパス)
ギリシャ(ギリシャフレキシーパス)
フィンランド(フィンレイルパス)
デンマーク
フィンランド
・ノルウェー

<追加料金が必要な場合>
鉄道パス以外に追加料金のかかる列車は次の3つに大きく分けられます。

1.専用チケット(プレミアムトレイン)を別途購入
  鉄道パスが適用されなくてその列車専用チケットを買いなおす列車。これはド
  イツのケルン〜ハンブルグ間の“メトロポリタン”のみです。

2.割引で購入できる専用チケット(プレミアムトレイン)を別途購入
  鉄道パスが適用されないが、鉄道パスを持っていると割引で購入できる
  列車

3.座席指定券・寝台指定券を別途購入
  全席指定の高速列車・夜行列車・観光列車など


<私の例>
夜行列車5本を利用した際に寝台指定券を、またローマ〜ヴェネチア間の特急列車の座席指定券を駅の窓口で追加購入した。


(プレミアムトレインとは)
次の種類があります。
ユーロスター(ERS)
タリス(THA)
アヴェ(AVE)
タルゴ200(T200)
ブリュセル発着TGV
スイス発着TGV
ミラノ発着のTGV(アルテシア号)
X2000(X2000)
スペイン発着国際夜行列車(フランシスコ・デ・ゴヤ号、ジョアン・ミロー号、パブロ・カサルス号、サ
 ルバドール・ダリー号)

イタリア発着パリ行きの国際夜行列車(ガリレイ号、パラティーノ号、リアルト号、ステンダール号)
ドイツ発着の夜行列車(ナハト・ツーク『NZ』、シティナイトライン『CNL』)
メトロポリタン(MET)


<ヴァリデイトの手続きと有効期限>
レイルパスの使用開始手続き(ヴァリデイト)をする場所は、使用する鉄道パス適用国の最寄駅窓口にて手続き可能です。最初の乗車駅でなくても可能です。駅窓口に購入したまま(未記入)の状態でパスポートと一緒に提出します。ヴァリデーションをせずに乗車した場合は、車内でUS$50相当の手数料(違反金)を現地通貨にて徴収されるので注意が必要です。パスは発行日より6ヶ月以内(スカンレイルパス、ジャーマンレイルパスは3ヶ月以内)にヴァリデイトをしないと無効になります。


<どんな特典があるか>
パスには次のように、いろいろな特典があります。これをよく知ってフルに活用しましょう。

ボーナス特典
主要な無料の
ボーナス特典


(鉄道以外の通用
 範囲)
* ドイツ・ライン川の観光船(KDライン)
* ストックホルム―ヘルシンキ/トゥルク間のシリアライン(客室
 料金別)

* イタリアとギリシャ(ブリンディッシ―パトラス)間のフェリー
  (客室料金/港湾税別)
* スイスのレマン湖/チューリッヒ湖/ルツェルン湖/トゥーン
 湖/ブリエンツ湖などの湖船
* ドイツとデンマーク(プットガルデン―ロズビュー)間の連絡船
* イタリアのシチリア島(メッシーナ―ビラサンジョバンニ間)の
 連絡船他
主要な割引の
ボーナス特典
* ロンドン〜パリ/ブリュッセルのユーロスター
* ドイツのロマンチック街道/古城街道のヨーロッパバス乗車券(60%)
* スイスのユングフラウ/リギ/ピラタスの登山鉄道(25〜30%)
* オーストリアのメルク/クレムス〜ウィーン間の観光船(20%)
* フランスのシェルブール〜アイルランドのロスレアのフェリー(50%)
* スペインのバルセロナ/バレンシアーマジョルカ島のフェリー(20%)
* オランダのホエックファンホーランド/イギリスのハーウィッチ間の高
 速船(30%)
* フランスのコルシカ島内のコルシカ鉄道(50%引)
* ノルウェーのフロム鉄道(30%)
* ドイツのツークシュピッツェ登山鉄道(25%) 他

<私の例>
古城街道、ロマンチック街道のヨーロッパバス、ライン川の高速船、スイス・レマン湖の遊覧船などで利用しました。以前はヨーロッパバスは無料でしたが、現在は60%割引になっています。



<特急列車のいろいろ>

 TGV
(ティー・ジー・ヴィ)
世界最高営業速度(300km/時)を誇るフランスの高速列車。現在、パリとリヨン、南仏、スイス方面間を結ぶ南東路線、ロワール地方を通ってブルターニュ地方や大西洋岸、スペイン方面と結ぶアトランティック線、リールなど北部の都市と結ぶ北方路線がメインルート。
 E C
(ユーロ・シティ)           
西ヨーロッパ全土の主要都市間を結ぶ国際特急で、かつてのTEE(国際横断特急)を継承しています。ECに格付けされる列車は、いずれも最新の車両設備を備え、速度を維持できる優等列車です。ジュネーブ〜バルセロナ間を結ぶ「カタラン・タルゴ」などが代表例。
 I C
(インターシティ)
国内を運転するビジネス特急。ドイツ・スイスでは運行本数も多く、毎時定刻に発車するため、利用価値大。
 ICE
(インターシティー・エクスプレス)
ドイツのハンブルク〜フランクフルト〜ミュンヘン/チューリヒ間、ミュンヘン〜ベルリン間などで運転している高速列車。最高速度はTGVより若干遅くなりますが、ゆったりとしている。1等車は全席オーディオ装置を整え、サービスも充実している。
 Thalys
 (タリス)
1996年6月より、パリ〜ブリュッセル、アムステルダム間で運転を開始した高速列車で、ワインカラーに包まれたボディはなかなかお洒落。
 AVE
 (ア ベ)
マドリードとコルトバ、セビリアを結ぶ。アンダルシアの大地を駆け抜ける白いボディは、さわやかな印象。車内でイヤホンと雑誌が配られるなど、飛行機並のサービスがある。
 Pendolino
 (ペンドリーノ)
イタリアが生み出した高速列車で、ボディの赤いラインがひときわ鮮やか。時刻表でETR450、460と表示されている。


<ヨーロッパ各国鉄道時刻表>
ヨーロッパ内の各国鉄道の時刻表やチケッの予約がで
                          きます)



2.オーストラリア編
これには次の各種のパスがあります。このパス購入にはISIC(国際学生証)、またはYHAカード(ユースホステルカード)が必要です。

バッグパッカーパス
パースからシドニー、さらに内陸部アリススプリングスへの鉄道の旅。オーストラリアの広大な砂漠を通る景色が魅力す。
インディアンパシフィック号パス シドニーからアデレードを経由してパースまで伸びる鉄道で世界最長の4,000キロを超える鉄道区間。シドニーからパースまでは最短で3日もかかる。
オーバーランド号パス アデレードからメルボルンは昼間の列車を利用、メルボルンからアデレードは夜行列車になる。
ガン号パス オーストラリア中央部のアリススプリングスを通り北部ダーウィンまで、アデレード、メルボルン、シドニーの3都市出発から選べます。

オーストラリアの鉄道→ オーストラリア鉄道
(上の欄のインディアンパシフィック、オーバーランド、ガンの3鉄道に関する各時刻表、料金や予約ができる)


3.アメリカ編
アメリカの鉄道アムトラックの時刻表、路線や予約ができるアムトラックのサイト
 → アムトラック


4.カナダ編
カナダの鉄道の時刻表、料金や予約ができるサイト→ カナダ大陸横断鉄道 


Cバスの手配
・アメリカ長距離バスのグレイハウンド社のサイト→ グレイハウンド
・ユーロラインはヨーロッパ全域をカバーする長距離国際バスで、ユーレイルパス
 に比べると1/3〜1/4と安い料金が魅力→ ユーロライン



D船舶の手配

・世界のフェリー会社のリンク集で、運航予定や料金がわかる→ Ferry
・ドナウ川遊覧船のサイトで運行予定、運賃などがわかる→ ドナウ
・クルージングのリンク→ クルージング


Eコンサート、オペラ、スポーツなどのチケット手配
・世界のオーケストラ、オペラなどがオンラインで申し込めるサイト
 → クラシック音楽リンク集

・世界の音楽、スポーツなどのチケット手配と情報が得られるサイト
 → WORLDPLAYGUIDE
 → 世界のイベント情報(アースナビ)

F美術館などの予約手配
・世界5000の美術館、博物館のリンク集で、チケットの予約もオンラインでできる
 → 5000ミュージアム


G海外旅行傷害保険の加入
海外での事故や病気に備えて準備しましょう。クレジットカードにも付帯されている保険がありますが、それでは不足する場合もあるので十分な備えが必要です。この保険は海外旅行のために自宅を一歩出た時点から補償の対象になります。
・海外旅行保険が比較的に分かるサイト → 海外旅行保険


これで旅の準備は終わりました。いよいよ海外へ飛び立ちましょう。胸おどらせながら、しかし慎重に注意を払いながら第一歩を踏み出しましょう。




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