ほどなく、氷河の右端にくり抜かれた小さな入口が見えてくる。これが洞窟の入り口なのだ。中に入ると、ひんやりとした冷気がただよっており、ブルーに輝く氷河の壁が見える。何千年前の氷河の層なのかは分からないが、ライトに輝くブルーの氷壁はこの上なく美しい。天井も高く掘られており、迷路のように洞穴が伸びている。距離にして60〜70mぐらいだろうか? その中を一周して外に出る。
氷河洞穴の入口
氷河洞穴の内部
氷河洞穴の内部
同 上
同 上
同 上
テーシュ(Tasch)へ
3時過ぎ、氷河見物を終えると、バスは峠を下って一路ツェルマットを目指す。車窓からは草原や山並みの風景が流れ去る。フルカ峠から約70kmの道程を2時間超かかって午後6時前、テーシュの町に到着。ここからシャトルトレインに乗り換えて終着点のツェルマットに向かう。
バスの車窓風景
同 上
テーシュ駅
スマートなシャトルトレイン(テーシュ駅)
ツェルマットの町は環境保護のため電気自動車以外の車は進入禁止なのだ。そのためバスはツェルマットの手前の町テーシュでストップと言うわけだ。ここからはスマートなシャトルトレインの電車がツェルマットまで毎時20分間隔で頻繁に往復している。所要時間は10分と短い。
ツェルマットへ
シャトルトレインへ乗り込むと、山沿いの線路を走りながら高度を高めて行く。10分の乗車で最終目的地のツェルマット駅に6時過ぎの到着である。
ツェルマットへ向かう途中の車窓風景
シャトルトレインの内部の案内
終点のツェルマット駅
ここは標高1604mの高地で、マッターホルン山麓にあるスイス屈指の山岳リゾートであり、アルプス観光の中心地のひとつである。氷河特急が走るマッターホルン・ゴッタルド鉄道の終点であり、ツェルマットからはスネガ、ゴルナーグラート、クライン・マッターホルン等の絶景地に多数のケーブルカーや登山鉄道が延びている。
駅前広場には小型の電気自動車が並んでいる。この地は環境保護のため、ガソリン車は進入禁止となっており、電気自動車か馬車のみが通行を許されている。メインストリートの両側には土産品店や専門店などのショップが立ち並び、通りの向こうには高い山並みが見える。アルプスの本場に入ったという感じである。
駅前広場には電気自動車が・・・
ツェルマットのメインストリート
ツェルマット駅前の通り
メインストリートを登山グループが闊歩する
メインストリートを馬車が通る。馬車は通行可。
この商店が並ぶメインストリートの長さは短く、100m少々で商店街は途切れてしまう。その先はペンションなどがぼつぼつと建っており、その奥行きは驚くほど遠くまでつながっている。
ツェルマットの教会
マーモットの噴水(マーモットはリス科の小動物でツェルマット近辺に多数
生息しているという)
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マーモット
リス科の哺乳類で体長50〜60cm。草食動物で冬は数
匹で穴を掘り、冬眠前に草からたくさんの脂肪を蓄え、
140日間〜半年ほど食べずに冬眠する。とても警戒心の
強い動物である。
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ツェルマットと日本の妙高高原の姉妹都市提携記念碑
マッターホルン登山で遭難死した登山家の墓地。その多さには驚く。
マッターホルンが見える橋のポイントから撮影するも雲に隠れて残念
夕食はそのままレストランに移動して食事となる。ビール小ビン(2.8フラン=280円)を注文して喉を潤す。
食後の8時過ぎ、奥まった所にあるホテルへ移動してチェックインする。小規模なホテルでリフトは珍しい古式豊かなもの。リフトのドアは手動で開け閉めしなければいけない。この地のホテルの建物はほとんどが小規模で、それも山荘風の建物になっている。やはり土地柄に合わせて建物のスタイルも考慮されているのだろう。
宿泊したホテル
湯船で一日の疲れを流し、明日の好天を祈って床に入ったのは9時半のことである。今度の旅の最大の目的は、明日の1日にかかっているのだ。
(次ページは「マッターホルン&絶景ハイキング」編です。)
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