パルミュラ博物館
主な墳墓の見学を終わると、次は市内のパルミュラ博物館へ向かう。玄関前には圧倒するような巨大ライオンの像がで〜んと鎮座して入館者を出迎えてくれる。その見事に彫られたライオン像は、今にも飛びかかって来て呑み込みそうな迫力である。これはもちろん、パルミュラ遺跡から発掘されたものである。
迫力あるライオン像(博物館前)
パルミュラ博物館
館内には興味深い多数の出土品が陳列されているが、撮影禁止なので紹介ができない。写真に収めないと、後日になってどんな物があったのか記憶が薄れてしまう。ただ印象的なのは、ほとんどの陳列ケースの横面に「Japan」と書かれた数センチ四方のシールが貼ってあることだ。これら出土品の発掘に日本が協力したことを表しているのだろう。こんなシーンに出会うと、いいことをしたなあと、うれしくなるものである。ここでは1時間ぐらいかけて見学する。
遺跡見学
博物館を後にすると、ここからいよいよ遺跡見学の本番が始まる。博物館から少し移動して遺跡の入口門に到着。目の前には写真で見慣れた「凱旋門(記念門)」がそびえている。崩れかけてはいるが、この遺跡の象徴的部分でもある。この門から山の方に向かって有名な列柱道路が1.3kmも続くという。しかし、発見当時はこの列柱も10mほど砂に埋もれていたらしい。
遺跡の入口にある
「凱旋門(記念門)」
見上げる快晴の空の中、陽は静かに傾き始めている。その穏やかな射光を浴びながら、2000年の時を経た遺跡群が今、目の前に静かなたたずまいを見せている。なんとも美しい午後のシーンである。門をくぐり、そびえる大理石の円柱が両側に整然と並ぶ列柱道路を歩いて行く。この円柱の上部にはそれぞれ台座が取り付けられており、その上には町の有力者の像が立っていたそうだが、悲しいかな今はその像は見られない。この円柱は片側375本、両側合わせて750本が立ち並ぶ列柱だったという。当時はきっと壮観きわまる列柱道路だったに違いない。
この列柱道路がここから1.3kmも続く |
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