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  N0.2





2.市内観光・サンセットクル−ズ
 
二日目。昨夜からなんと10時間も眠りこけて今朝は6時に起床。我ながらどうしてこれほど眠られるのか不思議なくらいである。睡眠にもエネルギ−が必要だそうで、だから若いほどよく眠るという。それからすると、私もここグアムに来て若返ったのだろうか?
 

カ−テンを開けて外をのぞくと、昨日と変わらず暗黒色の雨雲が空を覆っている。これではきっとシャワ−に遭うに違いない。陽光照り輝く南国らしい真っ青な空と海を見たいのだが、これでは期待薄のようだ。平年並みなら、今は乾季の季節でそれほど雨には遭わないはずだが、週間予報によればずっと傘のマ−クが続いている。現地の人の話では、近年の気象状況が変化して、過去の経験則どおりにはいかないという。地球環境が変化してきたせいだろうという。 


今日の予定
今日の行動は9時過ぎから市内半日観光とショッピング、夕方からはサンセットクル−ズを予定している。どんなグアムの様子が見られるのか楽しみだ。出発までにはたっぷりと時間があるので、まずは全身を目覚めさせよう。日課の柔軟体操をたっぷりおこなって身体をほぐし、体調を整える。その後、洗面を済ませると朝食の時間だ。
 

冷蔵庫から牛乳とおにぎりを取り出し、テ−ブルに運んで一人の朝食が始まる。まず〜い! おにぎりのメシがゴツゴツしてまずいのだ。これはしまった。パンにした方がよかったなあ……。日本のおにぎりみたいには行かないようだ。包装様式は日本のそれとまったく同様で、広い海苔が挟み込んであるのだが、やはり中身の米が違う。カリフォルニア米だそうだが、おにぎりには向かないようだ。そんな思いを抱きながら、仕方なく胃袋に押し込む。
 

サイパン日帰りツアー
食後の時間にオプションの一覧表を眺めていると、ふと「サイパン島日帰りツア−」があるのを発見。これを見て急に気が変わり、明日のグアム島一周観光を変更してこれに切り替えようと心に決める。しかし、催行人員が2名以上となっているので、果たして成立するのかが問題だ。それはともかく、そうと決まると、出発前にツア−デスクに変更を申し出なければいけない。そこで、9時の開店前に1階のツア−デスクに行ってみると、タイミングよくスタッフが出勤しているところである。
 

早速、事情を話して変更を申し出ると、すぐに催行業者に様子を尋ねてくれる。すると、今のところは1名も参加者がいないとのこと。それで今日1日待って様子をみることにする。やはり、こんな時が一人旅の不便さがあるというもの。カップルかグル−プだと何の問題もないのだが……。半ばあきらめの境地で、市内観光の出迎えをロビ−で待つ。
 

有名な「恋人岬」
9時過ぎにやって来た市内観光のバスに拾われて、いざ出発である。最初の観光ポイントは、タモン湾の北端に突き出た岬で、この地での観光のシンボルともいえる有名な「恋人岬(Two Lovers Point)」である。暗雲垂れ込める中、宿泊ホテルから少し北上して市街地を抜け、タモン湾の北端に向かう。ガイド君の案内によれば、入場料3ドルが必要で各自負担という。間もなく到着すると、早速シャワ−のお出迎えである。ところが、料金所には大型傘が用意されており、その手配のよさに感心する。
 

入場料金3ドルを支払って傘を借り、目の前の展望台へ向かう。我々のバスが最初らしく、まだ人影は誰も見えない。そこは感じのよいちょっとしたパ−クになっているが、海岸の断崖の上にあるだけに風当たりが強く、強風で傘が吹き飛ばされそうだ。この展望台は最近新しく造られたらしく、そのために入場料が取られるようになったらしい。
 


恋人岬の展望台


傘をすぼめながら階段を上って展望台に立つ。眼前にはこの地を代表する景勝地タモン湾の素晴らしい光景が展開しており、その沖にはフィリピン海の青い海原が広がっている。これが南国の太陽に輝く風景はひときわ素晴らしいに違いないが、残念ながらこの垂れた込めた暗雲の下ではそれは望むべくもない。横なぶりの雨の中で、ようやくにして風景の写真を撮り収める。このころになると、早くも次の観光集団が続々と押し寄せ、展望台へ上ってくる。



展望台からの眺望。フィリピン海に面したタモン湾。左手前方のホテル街の前がタモンビーチ。




悲恋物語
この「恋人岬」の謂われだが、その昔スペイン統治時代に、チャモロ族の美しい娘がスペイン人総督から結婚を迫られ、それを逃れて永遠の愛を誓い合うチャモロ人の恋人と髪を結び合い、この岬から身を投げたという悲恋伝説に基づいている。この悲話が史実に基づくものかどうかをチャモロ人のガイド君に尋ねると、それは実際にあった話だという。その証拠に、彼らが住んでいた村の名前や二人の名前も分かっているという。いずれにしても、はかなきロマンをかき立てるには格好の悲恋物語である。
 

この2人が身を投じたという高さ120mの断崖を見てみようと、周辺をうろついてみるが、それが見える格好の場所がなかなか見当たらない。海上からでないと、まともに見える場所はなさそうだ。左手の茂みの方に移動してみると、辛うじて断崖の一部が見える場所がある。そこから写したのが次の写真である。これから見ると直立の断崖で、ここから120mの下までダイビングしたら、ひとたまりもないだろう。悲しい恋物語はこの2人だけにして、この岬が失恋自殺の名所にだけはなってほしくない。
 










 高さ120mの断崖


























免税店ギャラリーへ
ここで30分ほど過ごしているうちにシャワ−は止み、一行はバスに戻ってタモン地区へ引き返す。総勢20数名の乗客は、もちろん若い日本人ばかりである。次はお定まりの免税店ギャラリ−へ案内である。ここで小1時間もショッピングタイムを与えられ、買い物のない私は困り果ててしまう。そこで、昨日訪れたこの地下にあるツア−デスクを訪れることにする。ここには無料サ−ビスのインタ−ネット設備が置かれているのだ。格好の時間つぶしとばかりに、しばしインタ−ネットでサ−フィンを楽しむ。だが、ここのは速度が遅く、スイスイとは行かない。
 

太平洋戦争国立歴史公園
ようやく時間が来て、今度は海岸線を南下しながら海中展望塔へ向かう。20分ほど走ると、海岸線に椰子の木で囲まれた広場が現れる。ここは太平洋戦争国立歴史公園で、1944年7月21日に米軍が上陸した地点を記念して公園になっている。その広場の一角には当時使われた魚雷が1本寂しく展示されている。上陸後、間もなくして戦争終結となったわけである。


太平洋戦争国立歴史公園。この片隅に魚雷がある。

海中展望塔
バスはここを素通りして、すぐその先にある海中展望塔前でストップ。ここで下車して見学となる。波静かなピティ湾の岸辺から300mほど沖合に伸びた歩道橋の先に海中展望塔がある。沖縄や各地で見られるそれと同様のものである。歩きがいのある歩道橋を渡ると、塔内に入って螺旋階段を下りて行く。そこには円筒形の展望ラウンジがあり、360度の周囲壁面に海中展望用の窓が幾つも設けられている。
 

海中展望塔へ渡るプロムナードデッキ

いま海中には、サ−ビスマンのダイバ−が餌を持って魚を集めながら各窓を巡回している。彼の周りには大小様々のトロピカルフィッシュが群れをなし、色あざやかな魚体をひるがえしている。こうして集魚サ−ビスをしてくれるのだが、思ったよりもその数や魚種は少なく、平凡な感じである。
 






 ダイバーがエサを持って魚を集める



















ラッテ・スト−ン公園
ここの見学を終わると、バスはアガニャ湾の方へ引き返し、ラッテ・スト−ン公園へ向かう。しばらく走って道路を外れると公園前でストップ。目の前の広場には高さ2mほどのコケシのような石柱が8本整然と並んでいる。ハギリと呼ばれる石柱の上に、タサと呼ばれる頭石がのっている。これがラッテ・スト−ンと呼ばれるもので、ジャングルから運び出してここに展示しているという。側にある説明板を見ると、写真のように高床式住居の礎石に使われたらしいのだが、その実体はまだ解明されていないという。そういわれると、なんだかロマンがかきたてられてくる。
 

こけしの形をしたラッテ・ストーン


この絵のように高床式の礎石といわれるのだが・・・

旧日本軍の防空壕
この公園のすぐ横手の土手には、第二次大戦時の旧日本軍の防空壕があり、そのコンクリ−トの入口には「防空壕」と彫り込まれた日本語が生々しく読み取れる。これも悲しい戦争の爪痕の一つなのだが、こんな遺構を見るにつけ胸が痛む思いがする。
 

「防空壕」の文字が生々しく残る戦時中の防空壕

スペイン広場
このラッテ・スト−ン広場の道路向かいにはスペイン広場があり、ここもグアムの観光ポイントとなっている。1736年から1898年にかけてのスペイン統治時代にあったスペイン総督邸の跡地で、アガニャの中心に位置する広場となっている。往時をしのばせるフェンスの支柱や総督夫人が来客をもてなしたチョコレ−トハウスが残っている。




フェンスの中がスペイン広場。右側に見えるのが当時のゲストハウス。





アガニャの中心広場
ここアガニャ地区はグアム行政の中心地でもあり、グアム議会や政府機関が集まっている。広場の一角には戦没兵士の慰霊塔が安置され、それを見守るように白亜の聖母マリア大聖堂が側に建っている。 
 

戦没兵士の慰霊塔








 聖母マリア大聖堂















一行がバスへ引きあげていると、その道路傍にココナツジュ−スを売っている出店が見える。みんなでそこへ立ち寄り、南国らしい天然ジュ−スを飲むことに。1個が5ドルで、それを目の前でたち割って飲ませてくれる。これまでに何度か飲む機会があったが、とても1人では飲めない分量と分かっているので、ここでは皆さんの様子を眺めるだけにする。
 

ココナツ売り。1個5ドル

この地最大のマイクロネシアモ−ルへ
バスはここを最後にタモン湾の方へ戻り、その途中この地最大のショッピングモ−ル・マイクロネシアモ−ルへ立ち寄る。ここが本日最後のポイントで、1時間半のショッピング兼休憩タイムとなる。ここはタモンの中心部から少し南に離れた場所で、シャトルバスが頻繁に往復して足の不便さを解消している。ここには120店舗のショップ、ブティック、レストランをはじめ、映画館、ス−パ−マ−ケット、室内遊園地、宴会場、750席もあるフ−ドコ−トなどが揃う本格的なアメリカンスタイルのショッピングモ−ルである。
 

広大なモールの中央吹き抜け

ここでの私の唯一の目的はランチタイムに利用することである。もうすでに時間は12時を回っている。中に入るとさすがに広大で、中央玄関には案内係まで配置されている。早速、2階のフ−ドコ−トへ上り、ショップを物色し始める。と、すぐにイタリアン料理店が目に留まる。スパゲッティに目のない私はすぐに飛びつき、スパにサラダ、小型パン、それに不明の1品が付いたセット料理を注文する。これにペプシコ−ラの飲物がついて7ドルである。
 

テ−ブルに着いて食べ始めるが、アメリカサイズで何でもボリュ−ムがあり過ぎる。トマトソ−スのスパを注文したが、味はまあまあである。これにパンとサラダを加えて満腹となる。味がもうひとつの不明の品は、とうとう残すことに。時間をかけて食べ終わると、あとは出発まで用無しなので、仕方なく店内をうろついてみる。
 

めぼしいものは何もないので、ス−パ−マ−ケットに移動してみる。フル−ツのセクションには豊富な果物類が山積みされている。そこのバナナに目が留まり、その2本を房からちぎって買うことに。代金は88セントなり。これは明日の朝食用である。
 

ホテルへ
ようやく出発時間がきてバスの人となる。ここから宿泊ホテルまではそれほど距離はなく、間もなく到着して半日観光はこれにて終わりとなる。午後2時のことである。朝9時過ぎに出発して都合5時間足らずの観光だが、そのうちショッピングの時間が半分もある。観光とは、ほんの名ばかりの感じであるが、この地の主要なショッピング地域を垣間見れたことでよしとしよう。
 

部屋へ戻るその足で、今朝申し込んでいたサイパン行き観光の状況を尋ねにツア−デスクに立ち寄ってみる。すぐに確認してくれるが、やはり参加者がいなくて催行できないらしい。これではあきらめるより仕方がない。明日は当初の予定どおり、島内めぐりの観光に出かけることにしよう。話しが決まると、係を相手にしばし油を売って四方山話に時を過ごす。この時間帯は暇らしく、手持ち無沙汰の状態である。部屋に戻ると、夕方のサンセットクル−ズの出発まで時間があるので、得意の午睡を取る。寝過ごさないようにアラ−ムをセットしてベッドに横たわる。
 

2時間ほど気持ち良く午睡して目を覚ますと、4時を過ぎている。ディナ−付きのサンセットクル−ズの出迎えは5時前にやってくるので、ぼつぼつ準備にかかろう。午前の部の半日観光では、恋人岬でシャワ−に遭った以外は、運よく雨にも遭わずに過ごせたが、サンセットの部はどうなのだろう? いずれにしても、この暗雲垂れ込めてかなりの強風が吹きまくる空模様ではサンセットどころの話ではない。雨雲を見に出かけてもしようがないので、実のところ、キャンセルしたい気持ちである。だが、キャンセル料がかかるので、今となってはもったいない。
 

サンセットクルーズ
ロビ−で待っていると、出迎えの車がやってきてピックアップされる。ここからまた昼間と同様に海岸線を南へ走り、海中展望塔の前を通り過ぎて火力発電所の方へ向かう。30分ぐらい走ったところで、道路から外れて海岸へ向かう。えっ、こんな荒れ地の先に船着き場があるのかと思わせる地道を入って行くと、その先にボ−トなどの係留地が見えてくる。その一角にこれから乗船する平べったいカタマラン船が待っている。なんという乗船場だ。一気にム−ドがしぼんでしまう。
 

これが乗船したカタマラン

バスから降りて乗船を始めると、例によってカップルやグル−プごとにレイを掛けさせて記念の撮影が行われる。できあがった写真は、後で買わせる魂胆だ。すぐ横の操舵輪のところに若いキャプテンがいるので、「風が強いけど、波は大丈夫ですか?」と問いかけると、「心配いりませんよ。」と自信ありげに返答する。
 

記念撮影風景

船内は横幅が広く、かなりゆったりしている。両側の船側にはテ−ブルが配置され、中央部分にはちょっとした舞台が設けられている。


船内の様子。彼女たちはダンサー。

順次記念撮影を終えると席に案内される。私は名古屋から来たという新婚カップルと一緒のテ−ブルに着く。なんと彼らは、このグアムのホテルで昨日挙式を済ませたばかりだという。ジャスト・マリッドというわけだ。いやはや、こともあろうに、まさに新婚ほやほやさんと同席になろうとは〜……。
 

乗船客はすべて日本人ばかりで、約20人ばかり。それも若いカップルやグル−プばかりだが、ただ1グル−プだけ中年ご婦人組がいるのみ。そんな中にあって唯一人シニア−の私は、完全に浮いた存在のようだ。でも、そんなことは意に介さないで、その場に溶け込むのが私のスタイル。楽しく過ごすに越したことはない。
 

この船にはダンサ−兼ホステスの若いチャモロ人女性4人が同乗し、食事や飲物のサ−ビスをしてくれる。席に着くと、原色の鮮やかなミクロネシア風衣装を身にまとった彼女らが、それぞれのテ−ブルに分かれてサ−ビスを始める。飲物のメニュ−を持参して案内が始まる。ウィスキ−、ワインなどの飲物は有料、ビ−ル、ジュ−ス類の飲物は無料で飲み放題という。そこで、ビ−ルを注文する。
 

テ−ブルには大きな鍋が置かれ、その底に置かれた燃料に点火して料理を温め始める。運ばれたビ−ルで新婚さんと乾杯し、2人の前途を祝福する。結婚式には双方の親兄弟と友人たち数名が参加したという。友人たちはこの機会を利用してグアム旅行を思い立ち、自費で参加してくれたという。TVの“新婚さん、いらっしゃい”よろしく、2人の馴れ初めや住まいの状況などを尋ねる。今が最高の気分なのだろうなあ〜…?と、昔の自分の身を振り返りながらフレッシュカップルを眺めやる。
 

鍋の料理が温まると、彼女たちが皿につぎ分けてくれる。ちゃんと人数分しか用意されていないから、各自が勝手に取り出すと困るらしい。盛られた料理は、風変わりな赤飯風の味付け飯が2盛り、肉の串焼き2本、細切れのマトンの焼肉が数切れ、これに少々の野菜などで、これらが一皿に盛られている。この他にパイン、メロン、オレンジのスライスがデザ−トに出される。ディナ−というより、簡素なランチといった感じで、ディナ−クル−ズと銘打ったコ−スとしては、ちと期待外れの感じである。
 

カタマラン船はゆっくりと水路のようなところを沖に向けて進行して行く。


ここを通り抜けて湾に出る

ビ−ルを傾けながら食事をしていると、中央の舞台でギタ−演奏が始まり、賑やかにミュ−ジックがスタ−トする。日本語を上手に操る関取の小錦によく似た太っちょさんが司会をとりしきり、これに4人の女性ダンサ−とギタリスト1人がこの船のエンタ−テイナ−というわけだ。
 

食事の合間に席を離れて周りの風景写真を撮り始める。水路を抜け出た先はやや広くなった湾になっており、およそ南国とはほど遠い風景を見せている。右側は埠頭岸壁になっていて積み荷の揚げ下ろしのクレ−ンが高くそびえるのが見え、左手にはタンカ−らしき船舶が停泊している。


湾内の風景。右が埠頭。

この海域を抜けて先へ進むと湾内はより広くなって、外海らしくなってくる。この湾内は強風にもかかわらず、意外と波静かである。
 

左手後方にはなだらかな山並みが海岸線まで続いており、その岸辺の広い一帯は米海軍の基地になっていて艦船やクレ−ンなどが遠望できる。その沖合には、このディナ−クル−ズより1ランク上の瀟洒なクル−ザ−が浮かんでいる。こんな海軍基地や貨物船の岸壁埠頭の風景ばかりを見せつけられたのでは興ざめするばかりである。サンセットは見れなくてもいいから、早くこの湾の外に出てグアム沖の雄大な景色を見せてほしい。


アプラ港内の風景。中央正面の沿岸は米海軍基地


そんな思いで心待ちしていると、なんと船はゆっくりと船首を方向変換し、出発点に向けて折り返し始める。な〜んだ、これでおしまい? 少々落胆しながら席に戻り、再び食事を続ける。船内では絶えずミュ−ジックが流れ、ミクロネシアンダンスを見せたり、乗客を誘い込んで踊らせたりと、クル−のメンバ−は乗客のエンタ−テインメントに懸命である。
 

ミクロネシアンダンスの披露


乗客を誘って踊る

なかには各テ−ブルを回りながら、5ドル札を1ドル札にすり替えるマジックを見せたり、お客の注文を聞いてあっという間に風船で見事に造形を作り上げる技を見せたりなど、楽しませてくれる。一緒の新婚さんが“ミッキ−マウス”をリクエストすると、ほんの数秒であっという間に写真のようなマウスを作り上げてプレゼントしてくれる。
 

あっという間にミッキーマウスのできあがり・・・

最後はみんなで輪をつくって歌い踊り、夕日が見れないとはいえ、南国の夕暮れのひとときを潮風に吹かれながら和やかに過ごす。こうして約1時間半ほどのアプラ港内クル−ズは終わりとなる。海軍基地と岸壁埠頭の風景だけで南国ム−ドがちっとも盛り上がらない湾内クル−ズでは問題ありだし、料理の内容もランチ程度のものでは参加者も満足は得られまい。ハワイで経験したようなサンセットクル−ズを想定していただけに、失望落胆の程度はかなり大きいものである。これで70ドルとはちと割高な感じがしてならい。
 

夜 景
奥の岸辺に着船すると、バスに乗り移ってホテルへ向かう。その帰路のコ−スは市街地の夜景が見れる丘陵地帯を通るもので、その下りコ−スになった時に中心部の夜景が見られるのである。右側の車窓の向こうに、きれいな夜景が広がっている。ドライバ−が気をきかせて一時ストップしてくれる。車外に出て写真を撮りたいと思い、ドライバ−に降ろしてくれるよう頼むと、少々しぶりながらもドアを開いてくれる。路傍が暗闇で危ないからだろう。
 

ところが降りてはみたものの、道路わきが雑木林になっていて、折角の夜景を隠してしまっている。念のために撮ってはみたものの、やはり雑木林しか写っていない。これではかえってバスの車窓からの方が障害なく見られるというもの。仕方なくバスに戻って、車窓からの写真を撮ることにする。何人かが連れだって下車したものの、みんな同じ結果になったに違いない。 


タモン地区の夜景

最後の夜景さえ思うにまかせない中途半端な結末に、失望の上塗りをさせられた感じでシ−トに身を沈める。あとはホテルへ夜道をまっしぐらである。こうしてホテルに帰着したのは夜の8時前。出発から約3時間のサンセットクル−ズの旅だが、そのうち1時間半がボ−ト、あとの時間は往復のバスの時間というわけだ。なんだか内容の薄いツア−で、満足感は少しもわいてこない。シャワ−に遭わなかったのが、わずかな救いであろう。
 

ホテル内のコンビニでカップアイスを1ドルで買って喉を潤し、明日の朝食用にクリ−ムパン、スポンジケ−キ、ジュ−スを買い込んで部屋へ戻る。洗濯とシャワ−浴びを済ませて床に入ったのは9時過ぎのことである。


(次ページは「グアム島一周観光」編です)










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