ベネズエラ(エンジェルフォール)の旅  N0.5−2






ギアナ高地の卓状台地





エンジェルフォールへのコース


(カナイマからボートでカラオ川を遡り、マユパで一時上陸して移動し、再びボートでカラ
オ川を遡る。上流のオーキッド島で上陸し朝食タイム。再びボートでカラオ川を遡り、途
中で支流のチュルン川に入ってさらに遡る。そしてラトン島の上陸地点で下船し、ジャン
グルウォークして展望台へ到着。見上げる先には念願のエンジェルフォールが!)




ジャングルウォーク〜展望台へ
上陸した川原は大小さまざまの石がごろごろしている場所で、ここで下船した一行は最後の難コース、ジャングルウォークに備えて各自の身支度を整える。合羽を脱ぎ、上着なども脱ぎ捨てて、不要物はボートに残して身軽になる。気温は早朝なのでさほど高くはなく、20℃台後半の気温のようだ。


無事川原に上陸。ジャングルウォークの準備に入る。


(動画)ラトンシート島上陸


青空トイレも済ませ、ガイド氏の後についていざ出発である。川原のすぐ岸辺寄りの茂みの中へ入り、ジャングルウォークが始まる。展望台までの道程は1時間半の予定で、そのうち最後の30分間は険しい急坂が続くらしい。そこをクリアすると、めでたくエンジェルフォールとご対面となる。高鳴る鼓動を感じながら、しけったジャングルの道を進んで行く。


いよいよジャングルウォーク始まる

しばらくは平坦な道が続き楽勝である。道にはみ出す木々の枝葉をかき分けながら、どんどん進んで行く。すると間もなく石ころいっぱいの川原が現れる。幸いなことに水は流れていないので問題なし。もし雨量が多くて水かさが増していたら、流れの中を歩いて渡ることになる。今日はラッキーである。


最初のコースは楽勝


おや? 川原が現れる。水量がないので助かった!

進むにつれて道はぬかるみ、その上、無数のはびこる木の根っこが道を覆っていて滑りやすく、歩きにくいこと甚だしで足首が疲れること。そして水溜りが随所に現れ、そこに渡された丸太棒の上を歩いたり、渡し板の上を歩いたりと、なかなかジャングルウォークらしい気分にひたれる。しかし、ジャングルとはいえ、鳥獣類の鳴き声は聞かれず、し〜んと静まり返った密林の中に、一行の足音だけが響いている。今、このジャングルの中にいるのは我々一行だけで他のグループの姿はなく、まさに独占状態である。


ぬかるんで来た。丸太棒が敷かれている。スリップ注意!


水溜まり出現。丸太の上を渡る。滑らないように!


またまた水溜まり。渡し板の上を渡る。バランスを取って!


道は木の根だらけ。しけって滑りやすいので歩きにくい。


小さなせせらぎが・・・。丸太の上を渡る。


(ジャングルの様子)ジャングルの中を黙々と進む。赤服の少年はドライバーの息子。


こうして1時間ほどジャングルの奥へ進んで行くと、前方に「SENDERO⇒SALTO ANGEL」(SENDERO=道、SALTO=滝)の案内板が現れる。ここを堺に最後の30分のハードコースが始まる。急坂と石や岩の段差が続き、岩をつかんだり、木の枝を握って引っ張ったりしながら上って行く。


道案内の表示板「エンジェルフォールへの道はこちら→」


いよいよ急斜面に入る

これはなかなかの難コースで、かなりの段差があるため太ももの筋肉に負担がかかる。急斜面の傾斜角度は30度〜40度ぐらいで、かなりの勾配である。普段の坂道ウォーキングで鍛錬しているお陰で、それほど息が切れることはない。この急勾配をしばらく上って行くにつれ、遅れをとる女性メンバーが数人出始める。すでに1時間もジャングルのぬかるみの道を歩き続けた後の急坂上りだけに、身体にこたえるのである。


急勾配の個所には手掛かりとなる棒が立てたれており、棒の側面数か所にねじのくいが付けら、これを握って登れるように用意されている。この急坂部分は最初の険しい個所を過ぎると、いったんゆるやかなコースになり、それを過ぎると再び険しい急坂が続く。ここが最後の急坂部分で、エンジェルフォールの展望台へはもう間もなくである。


手がかり用の棒。ボルトのくいがねじ込んである。


上りも一段と険しくなってきた


段差も大きくなり、太ももの筋肉にこたえる。

険しい斜面を上っていると、ざ〜っという滝の音らしいものが聞こえてくる。すると突然、密林の切れ目が現れ、そこから待望のエンジェルフォールが眼前に迫って見える。お〜っ、これがエンジェルフォールだ!! 初めてのお目見えに一瞬、全身から感動が込み上げてくる。と同時に、ついにここまで来たかという達成感が湧きあがってくる。


(動画)プレビューポイントから眺めたエンジェルフォール


しかし、ここはまだ展望台ではなく、その少し手前にある「プレビューポイント」なのだ。いわば滝見物の予告編というわけだ。木の枝が少し邪魔して見えにくいが、滝の主要部分はまともに見える。だが、このポイントから覗けるのは1人しかできない狭さである。だから、後が続いて待っているので、いつまでも独占することはできない。次々に交替して、そのプレビューに感動する。


展望台到達!
もう間もなくだなと思いながら、このポイントから最後の急所を上って行くと、“ここからあと5秒”との声がかかる。急坂になっているので、前方は何も見えない。


(動画)展望台へ5秒前の最後の急坂ポイント


えっ、本当だろうか?と半信半疑で登りあがると、そこに見えたのは終着点の“展望台”で、その向こうに神々しいまでのエンジェルフォールが白く長い水煙を引きながら流れ落ちているのが見える。感動の瞬間である。「う〜ん」と感動と歓声が混じり合って言葉にならない。これが世界一の落差1000mの滝なのだ! 午前10時25分のことである。


これがエンジェルフォールの全貌! 写真で見れば短いが、これで落差1000mもある。
手前の岩が展望台。すぐその先は断崖だ。この1枚の写真は値千金!


(動画)これがエンジェルフォールだ!その高さ1000mから落下する滝の大景観
    はまさに圧巻! 好天に恵まれた09年9月9日午前10時半撮影



これが夢にまで見たエンジェルフォールの雄姿なのだ。「しっかりとその目に焼き付けよ」と滝から言われているようで、息を呑みながら、ただ呆然とした気持ちで滝の姿に見取れてしまう。気をしずめて展望台に登って見る。“展望台”というから、何か柵があって足場もちゃんと整えてあるのかと思っていると、予想に反して何もないのだ。ただ、自然のままの大岩の上が展望台になっているだけの話だ。


その岩によじ登ってみると、人が立てる平たい面積はわずか畳2〜3枚分の広さしかない。その向こうは滑り落ちるように断崖絶壁となっている。まかり間違えば滝の下に転落しそうで、なんだか怖い思いがする。皆は、この岩の上に入れ替わり立ち替わりでよじ登り、記念撮影に専念する。この写真1枚のために、はるばると地球の裏側までやって来たのだ。


エンジェルフォール展望台の表示板(MIRADOR=視点の意)

みんなの邪魔にならないように、岩の端に腰を下ろして撮影を始める。見上げるエンジェルフォールは1000mの長さ。さすがに落下地点とその下の流れまでは1枚には収まらない。仕方なく、分割して撮ることに。失敗したらいけないので、同じシーンを何枚も撮り続ける。次は動画だ。これも数回続けて撮り続ける。(帰国して見ると、それぞれの写真や動画で滝の水量が若干ずつ異なることが分かった。この滝は流れる瞬間瞬間に水量が異なっているようである。)


撮影を終えてから、改めてじっくりと滝を見上げる。目の前には太古の昔からの変わらぬ地球の壮大なドラマが延々と続いている。正確には落差978m、そして岩にぶっつかることなく直下する距離は807mという世界最高のエンジェルフォールは、気の遠くなるような時が刻んだ標高2560mの卓状台地・アウヤンテプイの一角から流れ落ち、最後は霧状になって霧散する。こうして高すぎるが故に滝壺が要らない稀有の滝となっている。


雨も風もなく、霧も雲もかからずに、その壮大な滝の姿の全貌を惜しげもなく青空の下にさらけ出している。それを目の当たりに拝むことができて、この旅の目的は完全達成となり、ここに完結することになる。すべての気象条件に恵まれたことを旅の神に心から感謝したい。


エンジェルフォールの滝名の由来
アメリカ人飛行家ジミー・クローフォード・エンジェル・マーシャルが1933年、飛行機で金鉱脈探索中に、アウヤン・テプイから流れ落ちるエンジェルフォールを上空から発見した。その彼の名に因んで“エンジェルフォール”と名付けられた。


発見時、彼の一行はアウヤンテプイに着陸したが、再離陸ができなくなった。そのため、飛行機に同乗していたジミー・エンジェルとその妻、2人の地質学者の4人は、11日かけて徒歩で下りる羽目になったという。


彼の飛行機は1970年に、それまであったアウヤン・テプイ頂上から、ベネズエラ軍により分解され、ヘリコプターで下に運ばれ、修理された後、現在はシウダ・ボリバルの空港に設置・公開されている(この項、Wikipediaより引用)。


帰途につく
このパノラマポイントで30分少々過ごしている間に、びっしょりと吹き出た汗もしずまっている。そろそろここを立ち去る時が来た。最後に、この崇高なまでのエンジェルフォールの姿をもう一度しっかりと見納めてから下山開始である。われわれが到着した時はこの展望台は我々の独占状態だったが、間もなくするうちに後続の欧米人グループがやって来る。このジャングルの果てでも混雑状態になるとは、さすがに世界に名だたる名所ではある。


上りと違い、下りは楽だが最初は急坂なので、スリップによる足首の捻挫に注意である。とんとんとんと、リズムミカルにスピードをつけて段差を下降して行く。鍛錬してなければ、下りは膝ががくついて笑うところだが、日頃のウォーキングで鍛えているので、さすがにその気配はない。


急坂の30分を過ぎて、穏やかなジャングルウォークに戻る。ところが、両足太ももが硬直し始め、歩行が辛くなり始める。これしきのウォーキングでこのていたらくとは情けない。毎日30分の坂道ウォーキングの鍛錬ぐらいでは、残念ながらこのジャングルウォークには対応できていないのだ。最後の急坂の個所で、段差を上る時に太ももの筋肉を特に酷使したからだろう。


先頭を行くガイドのすぐ後にくっついて歩いているものの、なかなか出発点に着かない。まだかまだかという気持ちで棒になった重い足を引きずりながら歩いて行く。もう限界かというころ、下山開始から1時間20分かかってやっと出発点の川原に到着である。12時20分のことである。これでエンジェルフォール挑戦の旅は事実上終りを告げることになる。


川原で一休み
川原にへたり込みながら、後続のメンバーが到着するのを待つ。かなり遅れているグループもある。腰を下ろして休憩している合間にガイド氏がボックスに冷やしていたミネラル水を出してふるまってくれる。まさに干天の慈雨そのもので、汗だくで疲労困憊の疲れ切った身体には最高のプレゼントである。これで生き返った心地である。水は各自持ってはいるものの、冷えた水の味はまた格別である。


ふと、ガイド氏が「エンジェルフォール!」と指差す方向を見上げると、なんとその向こうにエンジェルフォールの姿が見えるではないか! こんな麓の川原でも滝が見えるのだと驚くばかりである。ジャングルウォークできない人は、ここからの見物で十分だろう。斜めの角度から見上げる形になるのだが距離が遠く、下部が森の影になるのはやむを得ない。またここで写真撮影しきりである。ここはプレビューポイントに次ぐ第三のポイントと言うところだろう。


麓の川原から眺めたエンジェルフォール


(動画)麓の川原から眺めたエンジェルフォール


こうして川原に足を投げ出して休んでいると、急に両の太ももが引きつって痙攣し始める。その痛いこと、たとえようもなしである。とにかく、そ〜っと太ももをさすり撫でながら痙攣を落ち着かせる。その昔、ヨーロッパ2ヶ月間の一人旅の最中、英国のお城のタワーに上る螺旋階段の途中で、これと同様の痙攣を起こした経験があるのだが、ふとその時のことがよみがえってくる。こんな時には、動かずにじっと静養しているにかぎるのだ。


休憩ハウスでランチタイム
どうにか痙攣も落ち着いてきたころ、後続グループも到着して一休みすると、すぐ下流にある休憩ハウスに移動する。そのハウスは数十メートル下流のすぐ向こうに見える岸辺に建っている。だから川原を歩いて移動すれば簡単なのだが、生憎とその間に川が流れているのだ。そのため、わざわざボートでこの短距離を移動し、ハウスへ上陸することになる。


このハウスは長屋根で作られた簡素な屋舎で、中には長テーブルとベンチが用意されている。ここでランチを取るのだが、大皿に盛られた料理を各自がビュッフェスタイルで取り分けていただく。料理はバーベキューで焼き立てのチキン、ライス、パン、コールスローのサラダ、バナナなどのフルーツである。これに冷えたコーラと冷水で、ジャングルウォークの後だけにお腹も空いているしで、そのおいしいこと。これで失われたエネルギーが蘇り、元気を取り戻す。


この昼食で腹ごしらえ


川下り
1時間のランチタイムを過ごした後、もと来たルートを戻ることになる。ボートに乗り込むと、流れのスピードに乗り軽快に走り下る。時折、これから訪れようとするグループのボートと出会い、互いに手を振り歓声をあげて挨拶を交わす。1人の落後者もなく、無事目的を達成したわれわれ一行は、余裕の気分である。


これから滝に向かう上りのボート

2時間かかってマユパ島へ到着し、再びそこへ上陸すると、ブルドーザーのけん引車両に乗って下流のボート乗り場へ移動する。この川下りの間、ボートに座って過ごせたので、両脚の痙攣疲労もほとんど回復して治まっている。


サポの滝へ
本日の旅程はエンジェルフォールだけで終わりかと思うと、そうではなく、最後のオマケにサポの滝見物が待っているのだ。今日のところはエンジェルの滝だけで十分と思うのだが、サポの滝の観光まで付いている。ただ、この滝は普通の平凡な滝と違って、流れ落ちる滝の裏側を通って見物できると言うスリルのある面白い滝なのだ。


マユパで再び乗ったボートはサポの滝を目指して移動する。しばらく走って川岸に着くと、そこから上陸して草原の中をしばらく歩き、滝のある海岸線へ下りて行く。この森の中の下りの道が険悪きわまるもので足場が悪く、ジャングルウォークでへとへとに疲れた後だけに、またか!と言う思いで疲労感が増幅する。だが、この悪路は思ったほど長くはなく、間もなく海岸線の道に出る。


サポの滝への下り口。この先に険悪な下り道がつづく。


足場の悪い森の中の道


足もとが危ない階段


細い道をふさぐ木の根っこの除去作業をしている


ガタガタの悪路がつづく

その道をどんどん進んで行くと、サポの滝の表示板が現れ、それを通り過ぎて行くと、崖が軒のように突き出た道に出る。ここをさらに先へ進むと、目指す滝が見えてくる。この滝は要するに、軒のように突き出た崖の上から流れ落ちているので、その軒下を通り抜けながら、滝の流れを内側から見物できるのである。


サポの滝の表示板(SALTO=滝)


断崖が軒のように突き出ている


軒の上から滝が流れて落ちている

滝の手前の道に荷物を置き、そこで水着に着替えて滝に向かう。泳ぐわけではないが、滝しぶきで全身ずぶ濡れになるのである。私はこの疲れた身体と足で滝に入るのは危険なので、その手前で見物するにとどめる。この滝の内側を通り抜けると、その向こうに岩場があり、そこで憩いながら見物するわけである。


(動画)サポの滝。前に広がるのはカナイマ湖。



(動画)夕日に映えるサポの滝


滝の様子を写真におさめると、独りでもと来た道を引き返す。あの足場の悪い険しい道を上りあがり、草原に出てボート乗り場に向かう。ところがである。さて・・・左方向から来たのは確かだが、そちらの方向へ行くと幾つかの分岐点が出てきて、どの道を行けばいいのか迷ってしまう。往きと帰りでは見る様子が違うのである。不安に駆られながら、海岸へ出る道を探し回る。海岸側には茂みが続いていて海岸線は視界が遮られ、何も見えない。私より先に戻ったメンバーの1人は迷わずにボートまで行き着いたのだろうか?


そのことも気になりながら歩き回る。すると茂みの中に細い道が開けているのが見える。半信半疑ながら、とにかくこの道をたどってみようと、海岸線の方に下りて行く。やがてその先にボートが見える。助かった! これで迷子にならずに済んだのだ。安堵の胸を撫で下ろしながら、先に独りで戻ったメンバーを確かめると、彼女の顔はどこにも見えない。これは迷ったに違いない。


そこで名前を叫んだり、ヤッホーと大声で叫んだり、いろいろ試みるが何の反応もない。探しに行くには身体が疲労しきっている。ここにはボートのドライバーと居残っていたメンバーの1人がいるだけ。とにかく、皆が帰るまで待つことにする。最後になって行方不明事件が起こっては大変だ。


やがて残りの一行がガイドと一緒に戻って来る。しかし、不明の彼女の姿は見えない。事情を知ったガイドとドライバーたちがすぐさま探しに引き返す。陽は傾きかけて暮れようとしている。彼女は登山の経験者だというから、下手な動きはしないはずだ。


しばらく待っていると、彼女が連れられて戻って来る。よかった! 暗くなる前に分かって幸いである。これでやれやれと、皆も大安心である。やはり道に迷って反対方向へ行ったらしい。そこで分岐点に戻り、その場で動かずに救援を待つことにしたという。登山経験者だけに、沈着に行動したのがよかったのだ。


ロッジへ
こうして行方不明事件も無事解決し、ボートは何事もなかったかのように夕暮れ迫るカラオ川を下り走る。間もなく出発点に到着し、早朝から始まったボートの旅は、これでやっと終わりを告げる。ここで上陸すると、朝のトラックに乗って暗い道をロッジへ戻る。到着はすっかり暗くなった午後6時半のことである。早朝の暗いうちから夕暮れの暗くなるまで、丸一日かけたエンジェルフォール挑戦の旅は、これで無事に幕を閉じることになる。


入浴&洗濯
部屋に戻るなり入浴と洗濯だ。今日は全身汗だくとなったので、洗濯が大変だ。まずは上着シャツから下着までのすべてを洗濯することに。このロッジは豪華設備なので豊富にお湯が使え、大助かりである。洗濯はしたものの、さて干し場はどうする? 明朝までに乾燥させないといけない。思案の末、幸いなことにエアコンがあるので、その下に全部ぶら下げることにする。送風を真下に向けて風を当てるとばっちりである。これなら明日朝までに乾くこと間違いなしだ。ハンガーはロッカーに何本もあるので不自由はしない。


洗濯を終えると、今夜こそはゆっくりと湯船につかって疲れを取ろうと、バスタブにお湯をたっぷりと張り、滝見物の達成感と満足感にひたりながら、静かに全身を湯船につける。素晴らしい一日だったなあと、感慨に耽りながら浴槽にくつろぐ。


現地最後のディナー
早いものでギアナ高地に入って早5日目。今夕食がギアナ高地での最後のディナーとなる。入浴を済ませ、さっぱりした気分で食卓に向かう。メニューは肉料理でこれに煮物野菜とマッシュポテト付きである。これに特別料理として、添乗員さんが日本からはるばる持参したソーメンが出される。久々に味わう日本の麺のおいしい味が舌に、胃袋にしみて最高の味わいである。残りのソーメンまでいただいてしまう。ダシスープから薬味まで揃えてあるのには泣けてくる。行くえ不明のトラブルで迷惑をかけたお詫びにといただいた冷えたビールに、ごっくんと喉を鳴らしながら最後の晩餐に舌鼓を打つ。


ディナーの料理


ソーメンの味は最高

2泊目の素敵な部屋に戻ると、クッションの良い大きなベッドに横たわり、これまでにない旅の満足感と感動にひたりながら、最高に心地よい眠りに落ちる。10時前のことである。



(次ページは「エンジェルフォール遊覧飛行」編です)











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