ベネズエラ(エンジェルフォール)の旅  N0.





旅のコース





9.エンジェルフォール遊覧飛行
エンジェルフォールの旅6日目。朝5時にゆっくり起床。今朝の集合は8時半なので、それまでゆっくり過ごせる。洗濯物をチェックすると案の定、すべてばっちりと乾いている。これで文句なしだ。


昨日は好天に恵まれてエンジェルフォール観光の念願を完全達成できたので心は満たされ、もう何も言うことはない。私の中の旅は昨日で完結したことになる。だから私にとっては、これからの観光は付録に過ぎないと言ってもよい。


今日の予定は遊覧飛行の前に、ロッジの目の前に広がるカナイマ湖のラグーンクルーズを楽しみ、その後は遊覧飛行。それが終わって昼食を済ませると、いよいよ帰国の旅が始まる。さよならギアナ高地である。


朝 食
7時半になり、カナイマ湖畔に広がる素敵なガーデンに囲まれたロッジで朝食となる。昨日のエンジェルフォール見物が完璧なまでに達成された後だけに、心地よいゆとりの気分で朝食に向かう。メニューはパン、ハム、チーズ、スクランブルエッグなどで、コーヒー、紅茶、ジュースが用意されている。素敵な雰囲気の中で、ゆったりといただく。


朝食メニュー


ラグーン・クルーズ
8時30分になってラグーン・クルーズが始まる。朝食や夕食を取った食堂ロッジのすぐ先にはカナイマ湖の素敵なビーチが広がっている。遠浅のことをラグーンと呼ぶのだが、ここには遠浅のビーチが広がっており、ヤシの木も見えたりして、なんだかタヒチを思わせる風景である。


(動画タプイ・ロッジのガーデン風景



(動画)タプイ・ロッジ前のカナイマ湖のビーチ


このビーチからボートに乗り、クルーズが始まる。ビーチから見て右側遠くに流れ落ちる幾つかの滝が見える。クルーズしながら、それらの滝を見物するのである。穏やかな湖面をのどかにエンジン音を響かせながら滝の方へ向かって進んで行く。近づくにつれて次第に滝の轟音が高く響き渡り、迫力あるシーンを見せてくれる。滝の遠く背後に2つのテプイ(卓状台地)があるのだが、これらの滝は恐らく、ここから流れてくるのだろう。


カナイマ湖のビーチから眺めた滝の風景。背後に2つのテプイ(卓状台地)が見える。



(動画)ウカイマの滝



(動画)ゴロンドリーナの滝



(動画)ワダイマの滝



(動画)アチャの滝



(動画)滝の全景。滝の高さは全部10m。



(動画)滝の遠景


ボートは一番奥のアチャの滝まで見届けると、そこからUターンして戻り始める。往きは滝にぎりぎり接近しながら航行して迫力シーンを観賞させ、帰路は遠く離れて全部の滝の全景を一望させてくれる。なかなか考えたコースである。こうしてラグーン・クルーズは約30分で終わりとなる。


遊覧飛行
クルーズが終わると、トラックに乗ってすぐ至近距離にある飛行場へ移動する。セスナ機によるエンジェルフォール遊覧飛行が始まる。上空からの滝見物は一昨日、ルエパ飛行場からカバックへ向かう途中、そのついでに滝見物を体験したのだが、今日は滝見物そのもののためにチャーターされたセスナ機でじっくり遊覧しようというのだ。この旅行コースには二度の滝見物のチャンスが設けられているわけだ。


宿泊した素敵なタプイ・ロッジ


これが度々利用したバス型トラック

飛行場に着くと、2機のセスナ機(5人乗り)に分乗して遊覧飛行が始まる。セスナ機に搭乗するのは数度目だが、この機種は小さいので揺れが大きく、乗り物に弱いタイプは事前に酔い止め薬の服用が必要かもしれない。離陸してしばらく飛行すると、やがてアウヤン・テプイの荒々しい断崖が見えてくる。機はテプイの深く入りこんだ渓谷を断崖すれすれに飛行しながら、滝に向かう。視界の目前に迫りくる断崖の壁は迫力満点である。


これが搭乗したセスナ機


セスナ機内の操縦席。パイロットと助手が座っている。


離陸直後の風景


セスナ機上からの風景


大きな川が見えてきた


滝が見える


豪快な滝の風景


このビーチのすぐ右側に宿泊ロッジがある



(動画)セスナ機が離陸する



(動画)アウヤン・テプイに接近



(動画)アウヤンテプイの断崖にに迫る



(動画)アウヤンテプイの断崖にに迫る


やがて、断崖の一角に白い糸を引いて落下するエンジェルフォールの姿が見えてくる。「エンジェルフォール!」とパイロットが教えてくれる。上空を旋回して見せてくれるが、ヘリと違って滞空できないので、あっと言う間に通過してしまう。若干、雲がかかって見えにくい。地上からだと問題なく見えるのだろうが、上空からだと雲が視界を遮ることになる。だが、かろうじて滝の全景は確認することができる。これで一昨日と合わせ、上空から2度もエンジェルフォールを拝むことができ、ラッキーである。空と地上から立体観賞ができ、もう心残りは何もない。



(動画)エンジェルフォール見える!



(動画)エンジェルフォール!



(動画)大小の滝が見える


機は滝を離れると、飛行場へ向かってUターンする。テプイの断崖を通り抜け、ジャングルの上を飛行する。その途中、同時に飛び立った僚機に出会い、ランデブー飛行を楽しむ。最後は大きな川の上を通過し、無事飛行場に着陸する。約40分の飛行で、今度の旅行の観光は、これですべて完了することになる。後は昼食を取って帰国の途につくばかりだ。


(動画)飛行場へ帰還中



(動画)ジャングル上空



(動画)テプイ(卓状台地)上空



(動画)テプイの断崖と滝



(動画)荒々しいテプイの断崖



(動画)蛇行する川とテプイ



(動画)ジャングル上空



(動画)僚機とランデブー飛行




(動画)川の上空


最後のランチ
遊覧飛行の後はロッジに戻り、昼食まで部屋でくつろぐ。整理する荷物もなく、バッグ詰めも1分とかからず、帰国準備OKである。昼食の時間となり、いつものレストランロッジでランチとなる。メニューはカリフラワーのスープ、ラウラウのムニエル、これにスイカジュース、メロンなどがついておいしいランチ料理。現地最後の料理に思いを込めていただく。


帰国の途へ
素敵なタプイロッジに別れを告げ、すぐ近くの飛行場へ。いよいよこれから帰国の旅になるわけだ。母国は遠く、地球の裏側まで移動しなければいけない。来る時も同様だが、2日がかりの長い旅となる。帰路はカナイマ〜プエルトオルダス〜カラカス(1泊)〜ヒューストン(1泊)〜成田のコースとなる。帰るとなれば帰心矢の如しで、早く日本に着いてゆっくりしたいものだ。だが、なかなかそうは問屋が卸してくれない。


午後2時出発予定のチャーター便が遅延して、なかなか到着しない。その間、飛行場の待合ロッジでのんびりと過ごす。ここではいろんな民芸品を売っている。現地住民の手作りの品ばかりである。片隅では販売のかたわら、住民が得意とする民芸品作りに精を出している。声を掛けて写真に撮らせてもらう。


飛行場の待合ロッジ


手作りの民芸品を売っている


待合ロッジの内部。右側には民芸品を並べている。


ビーズの民芸品を作っている


織物の民芸品を作っている


自作のアクセサリー


吹き矢も売っている


カナイマの飛行場

1時間以上の遅れで、やっとチャーター便が到着。そして出発したのが3時20分、中継地点のプエルトオルダスに着いたのが1時間後の4時20分。ここでもカラカス行きの飛行便が遅れ、離陸したのは30分遅れである。


プエルトオルダス空港の玄関前。ベネズエラ国旗がはためいている。


カラカス到着&ホテルへ
1時間の飛行でカラカスに7時50分到着。ここからカラカス市街の郊外にあるホテルへ移動する。プール付きのデラックスなホテルへの到着は夜の9時と遅いチェックインである。ここで1泊の予定である。


間もなく遅いディナーが始まる。料理は珍しい海鮮料理で、小エビとタコの輪切りなどを炒めたものである。ボリュームたっぷりの分量で、いかな魚好きの私でも持て余してしまう。そう言えば、首都カラカスは海の側なのだ。


ボリュームたっぷりの海鮮料理

満腹のお腹を抱えて部屋に戻り、ゆっくりと湯船につかって床に就いたのは11時のことである。明日はエンジェルフォール行きより早い3時半起きとのこと。空港のセキュリティチェックに時間がかかるらしい。起床まであまり時間がない。とにかく眠りに就こう。


10.ヒューストン〜成田へ
今日は9月11日(金)、エンジェルフォールの旅7日目で帰国の旅である。早朝4時からの朝食となっているので、早々と3時に起床。昨夜の就寝が遅かったので、少々寝不足である。今日の旅程も移動オンリーで、ここカラカスからアメリカ・ヒューストンへ飛び、そこで1泊する予定である。


今日は奇しくも9月11日で、アメリカ同時多発テロ事件から8年目の記念日に当たる。セキュリティチェックに時間がかかるらしいが、このせいもあって特に厳重なのだろうか? そんな思いを抱きながら、1階のプールサイドにあるレストランへ行き、ビュッフェスタイルの朝食をいただく。


厳重きわまるセキュリティチェック
5時前にホテルを出発してカラカスの空港へ向かう。20分かかって空港に到着すると、すぐにチェックインカウンターへ向かう。そこはすでに乗客の行列ができて混雑している。チェックインカウンターの前には普通には見かけないデスクが数台配置されて、そこで旅行者が1人ずつ係官に尋問?されている。ここを通過しないと、搭乗のチェックインが許されないのである。


この尋問デスクには搭乗するコンチネンタルエアーラインのスタッフが配置されて、各旅行者を1人ずつ前に呼んで質問を浴びせているのだ。添乗員さんの話によると、通訳がつくことも許されず、本人だけで応答しなければならず、英語が理解できなければスーツケースなど所持荷物のすべてを開封して検査されることになるという。


現地ガイドと雑談しながら、「私は手荷物だけだ」と話すと、特別にビジネスクラ担当のデスクに案内され、一般デスクに並ぶことなくトップを切って尋問を受ける。その一問一答は次のようである。

係「刃物類は持っていませんか?」 「いいえ」
 「アルコールなどの液体物は持っていませんか?」 「いいえ」
 「お土産品はすべて自分の物ですか?」 「はい」
 「この空港で買ったお土産品はありませんか」 「何も買っていません」
 「他の人から預かった品物はありませんか?」 「何もありません」
 
と言った内容である。これを早口でペラペラと英語で話されるので、何度か聞き直しながら応答する。これが終わって、やっと搭乗のチェックインができる。こうして早々とチェックインを済ませたが、一行は一般デスクに並ぶので時間がかかる。全員が終了するのに長時間がかかる。一行の中の男性1人がスーツケースの中身をすべて記録を取られながらチェックされる羽目に。彼の話を聞くと、タバコを1カートン買って入れたのが不審に思われたらしい。普通とは違うこんな追加のチェックがあるから、早目の空港行きが必要だったわけである。これは11日という特別の日だからか否かは分からない。


全員チェックインを済ませると、次は手荷物のセキュリティチェックである。これは普通のチェックだが、上着ジャケットや靴まで脱がされる。1ヶ所でのチェックが終わると、すぐ隣の機械で再度チェックされ、二重の厳重なチェックが行われる。


チェックはまだこれだけでは終わらないのだ。次は搭乗口で最後のチェックが行われる。チェックインが終わり、出国審査を受けてから搭乗まで1時間以上もの長時間を待たされる羽目になる。時間つぶしに出国ロビーのショップを見て回るが店舗数が少なく、時間消化にならない。その間に喉が渇き、スタンドカフェでジュースを注文。1カップ(やや大き目)で5ドルと高い。水が持ち込めないので、待ち時間が長いと不便である。


待ちくたびれた挙句、ようやく搭乗の時間となり、ゲートに並ぶ。すると搭乗券チェック口の背後に細長のテーブルが置かれ、その前に白い手袋をしたスタッフが数名立っている。何をするのだろう?と不思議に思って眺めていると、最初に通過した乗客の手荷物をテーブルの上で中身の検査をしているではないか。それも丹念に中身をひっくり返してチェックしている。こうして全員の手荷物を検査しているのである。その厳重さにはほとほと参ってしまう。これが終わって、やっと機上の人となれるのである。


ヒューストン到着〜ホテルへ
午前8時20分にカラカス空港を飛び立ってから4時間半でヒューストン空港に到着。まだここまでは楽勝だが、明日の成田行きの飛行が気が重い。入国審査の列に並んで、来る時と同じ手順を繰り返す。両手の指紋と顔写真を取られ、税関通過。同じ手続きを繰り返すので、審査官に「数日前に指紋チェックを受けたばかりだけど、再度受ける必要があるんですか?」と問いただすと、「入国の都度必要なんです。」と、そっけない返事。ほんとに無駄なことをするものだ。


ここヒューストンで1泊するのだが、往きの時に休憩を取った同じホテルで、出迎えのバスに乗って空港近くのホテルへ。2時過ぎにチェックイン後はフリータイムで、ゆとりの時間となる。初日の旅行記でも述べたように、ここヒューストンは目ぼしい観光ポイントがない。そこで希望者はショッピングモールやスーパー見物に案内するという。そこで夕食も取れるという。


宿泊ホテル(右)前の風景

ショッピングに行ってもしようがないので、ホテルに居残ってゆっくり過ごすことにする。ロビーの片隅にインターネット設備があるので、そこに居座ってメールを送信したり、ネットサーフィンを楽しんだりして時を過ごす。


夕食はステーキ
夕方6時になると、申し合わせていた居残り組4人でホテルレストランにてディナーを楽しむ。メインは地元テキサス牛のステーキを注文。これにスープはクラムチャウダー、デザートは好物のバニラアイスクリームである。テキサス牛は初体験だが、なかなか結構な味である。冒険旅行を終えた4人組は、旅行の話で盛り上がりながら楽しい夕食のひと時を過ごす。私の分の料金は〆て25ドル、これにチップ5ドルをはずんで計30ドルの食事代となる。部屋に戻って床に就いたのは9時半、旅行最後の夜をアメリカ・ヒューストンでしめくくる。


成田へ
旅行最後の朝を迎える。出発便は10時50分のフライトだが、それに向けて7時過ぎホテル出発と早い。朝食は6時からというので、5時起きで身支度を整える。窓外を見ると、別れを惜しむかのように珍しく雨風となっている。最後の最後になっての雨風である。なんとまあ、ついていることか。これから以後は、いくら雨が降っても問題なしだ。ギアナ高地で数度のシャワーには出遭ったが、本格的な雨は初めてである。実に見事な好天に恵まれた旅であった。


6時過ぎ、昨夜ディナーを取ったレストランへ出向き、ビュッフェスタイルで朝食をいただく。一息つくと7時過ぎ、空港へ向けて出発する。間もなく空港に到着するとすぐにチェックイン。今度は昨日のカラカス空港のような尋問チェックはなしである。セキュリティチェックでは上着ジャケットと靴を脱がされてチェック。それも普通のように1回のみで終わり。


それが済むと出国審査もなく、そのまま搭乗ゲートへ。出国カードも搭乗の際に回収されるだけで簡単。アメリカへの入国は厳しく、出国は自由にどうぞというわけである。それにしてもまだ2時間近くの待ち合わせがあり、早く来すぎたものである。出国ロビーのスペースは広くて感じが良いが、免税店などのショップは少なくて見るべきものがない。


ベンチで時を過ごし、ようやく搭乗時間となる。座席の隣席に座ったのはアメリカのカンサス州からやって来たという中年夫婦で、夫は51歳、妻は49歳と言う。夫妻は共働きで、妻は食品スーパーでフルタイムで働き、チームリーダーの責任職をしていると言う。子供は31歳の長男と24歳になる息子がいる。長男は幼少より軍隊が好きで、ミリタリー希望だったそうで、現在ミリタリーになって沖縄基地に滞在中という。宿泊は基地内に泊まるのだという。


この長男に会うために、2週間の休暇を取って成田経由で沖縄に行くのだという。1年半ぶりの再会とかで楽しみにしている。カンサスはアメリカ中央部で平坦な土地柄で山もなく、コーンなどの農業生産が盛んという。近年、コーンの国際相場が高騰しているので高い収益があるのでは?と問うと、弟がコーンを生産しているが、結構コストが高く、思ったほどには儲けていないと言う。カンサス州の税金の税率は8%という。


沖縄は初めての訪問と言うので、現地では美しい海が見られること、それに大きな水族館もあるから、ぜひご覧なさいと教える。カンサスでは海も山も見えないので、非常に楽しみにしている様子である。


ところで私は長崎に住んでいるが、当地は原爆が落とされた町でもある。原爆のことを知っているかと尋ねると、そのことは知らないという。では、広島の原爆のことは?と尋ねると、これも同様に何も知らないという。原爆そのものを知らない様子なのだ。これには驚いてしまうが、アメリカの庶民感覚はこんな程度なのかも知れない。核廃絶の啓蒙運動も道遠しという感じである。大統領選ではオバマ大統領に投票したというのだが・・・。


その後はエンジェルフォール見物の話になり、撮影した動画の数々を見せてやると、「オ〜、アメイジング! ワンダフル!」と言いながら画面に見入っている。私も引退したら、あちこち旅行したいと羨ましそうに話している。


暇にまかせて、以上のようなことを語り合いながら、機内のつれづれをまぎらす。だが、成田まで12時間の空の旅は、あまりにも長過ぎる。片言の英語では会話も途切れる。後は眠って過ごすしかない。エンジェルフォールの素敵な思い出をたぐりながら、帰国の旅を過ごすとしよう。機は安定したエンジン音を響かせながら、太平洋上空を日本へ向けて飛行する。成田到着は14時20分の予定である。


あとがき
9日間の旅はあっという間に過ぎ去ってしまった。南米は地球の裏側とあって距離が遠く、移動に2日がかりとなるのが大変である。遠距離飛行で、狭い窮屈な機内の閉鎖空間に長時間閉じ込められるのは苦痛以外の何ものでもない。だが、エンジェルフォールをこの目で見てみたいという強い願望が、この苦痛を乗り越えさせるものである。


現地滞在は正味5日間だが、ギアナ高地という秘境の旅は、まとめて言えば滝見物の旅といってよい。もちろん、エンジェルフォールを含めてだが、大小さまざまな滝の見物と大草原、それにテプイ(卓状台地)の眺望に終始するという大自然にどっぷりとまみれる旅であった。ギアナ高地には卓状台地が多いだけに、無数の滝が台地から流れ落ちているわけである。滝水を浴びて戯れるのには絶好の機会でもあった。


今度の旅は飛行機乗りまくりといった感じであった。成田〜ヒューストン〜カラカス〜プエルトオルダス〜ルエパ〜カバック〜カナイマ〜遊覧飛行〜プエルトオルダス〜カラカス〜ヒューストン〜成田と飛行した。このコースをジェット機、双発機、セスナ機など大中小の飛行機で乗りまくった。よく無事故で飛行したものだと感謝している。ただ、現地チャーター便の常習遅延には参ってしまった。南米大陸と言う大らかな土地柄のせいか、フライトの時間厳守などはまず見込みなしと思ったがよい。郷に入れば郷に従いで、気長でのんびりとした気分で対応するしかない。


プリプリという草原や水辺に生息する眼には留まらぬ極小の虫が人間の肌に食らいつく。刺される時は何も感じず分からないのだが、後になって赤い斑点ができて痒みをともなう。それが何か所も刺されるので閉口するものである。虫よけでも完全な防御はできないので困りものである。1日平均2〜3か所は刺される羽目となる。しかし、お陰で蚊の刺されはなく、心配していた黄熱病やマラリアは避けられて幸いであった。


最後にこの旅を総括すると、まず何よりも好天に恵まれて念願を果たし得たこと、それに全員が無事故であったということ。これほどうれしいことはなく、心満たされることはない。秘境冒険と感動の旅がここに終わるという思いである。私にとって今度の旅ほど強烈で印象深い旅はなかったと感じている。


終わりにあたり、この旅を主催された旅行社と添乗員さんをはじめ、現地スタッフの皆さんに心より感謝したい。           
                                       (完)
                              (09年11月7日脱稿)
 











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