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    no.13
(南アフリカ・ケニア・タンザニア・ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ)



(ジンバブエ編)






13.ビクトリア大瀑布(ジンバブエ側)・・・・ものすごい水しぶきで全ぼ
                          うつかめず
     

アフリカ旅行11日目、朝6時半に起床。アフリカの空は今朝も晴れ上がっている。今日はビクトリアの滝をジンバブエ側とザンビア側の両サイドから観賞する予定だ。午後はビクトリア・フォ−ルズ市内のワニ園やクラフト村を訪れることになっている。8時半出発なので、それまでに朝食を済ませ、出発に備える。


愛嬌者のモンキー 
朝食を終わってガ−デンを散歩していると、モンキ−がうろついている。腹が白っぽくて尻尾がぐ〜んと長いサバンナモンキ−だ。彼らは、このガ−デン周囲の樹林をすみかとしているようだが、なかなか人懐こくて愛嬌者だ。人を恐れず、食物をねだったりするそうだが、餌をやるのは厳禁。ちゃんと、「動物に餌を与えないで」の注意表示板が木の幹に取り付けてある。次の写真は、その上にモンキ−が乗っかっているところが、またこっけいである。






人懐こいサバンナモンキー














こんなところにもモンキーが・・・










滝の見物へ
バスは8時半にロッジを出発し、ザンベジ川に沿って滝の方へ向かう。その途中の路傍に、1本の巨大樹木が大枝をいっぱいに広げながら天空にそびえている。その前でバスはストップして記念撮影となる。この巨木は、昨日泊まったモアナ・サファリ・ロッジにあったのと同じバオバブの木である。樹齢千年とのことだが、昨日のロッジのよりも大きい。何本か寄り集まった形に見えるが、1本の幹だそうである。
 








 バオバブの巨木
 樹齢1000年?














滝見物の準備
ここから滝のある公園入口はすぐのところにある。いよいよ期待のビクトリアの滝の見物である。北米のナイアガラ、南米のイグアスと見てきた私にとって、この滝を見ることで世界三大瀑布の観賞は完結となる。到着すると早速、持参のビニ−ル合羽に着替え、裸足になってゴム草履に履き替える。かなりの距離を歩くと聞いていたので、つっかけ式のサンダルでは歩きにくいと考えたからである。この考えは正解であった。そして、カメラをビニ−ル袋に入れ、ズボンを膝上までまくりあげると準備OKだ。(ショ−トパンツを持参すべきだった!)
 

準備を整えると、いざ出発である。公園の入口近くに滝の発見者であるイギリス人探検家デビッド・リビングストンの銅像が立っている。1855年、彼によって発見されたこのビクトリアの滝は、アフリカ大陸第4の長さを有するザンベジ川の中流に位置し、その川はジンバブエとザンビアの国境線を形成している。当時のイギリス女王の名をとり、「ビクトリア・フォ−ルズ」と命名されている。
 

ビクトリアの滝
この滝の最大幅はおよそ1700m(イグアス…4000m)、もっとも深い滝壺は落差108m(イグアス…80m、ナイアガラ…50m)で、滝の落下口はほぼ一直線に続いており、典型的な滝のカ−テンを形づくっている。そして、長いプロムナ−ド(約2km)がこの滝のラインに沿って設けられており、見る者はここを歩きながらそれぞれのビュ−ポイント(6つのポイントがある)で滝を見物することになる。その落差が最も大きく、落下点も一直線に続いているだけに、水量・ビュ−ポイントの条件さえ整えば、その全景は3大瀑布の中で最も滝らしい景観を呈しているはずである。さて、どんな光景が見られるのか期待に胸がふくらむ。 


ガイドに案内されてプロムナ−ドを歩き始める。すごい轟音が迫ってくる。最初のポイントは段差のある階段を下りて見物する。滝の一番手前端の部分で、キャタラクト島との間にできたU字型の狭い断崖に滝が落下しているポイントである。そこに下り立つと、あたり一面に白い水煙が舞い上がっており、その様子は判然とつかめない。水しぶきをかぶりながら、なんとか写真を撮影。しかし、結果はご覧のように水煙にけむって滝の様子は分からない。
 





水煙にけぶる滝















上の場所を違う位置から見たところ









ここから次のポイントへ移動する。その間、水しぶきが豪雨のように降り注いでくる。ビュ−ポイントに立っても、降りかかる水しぶきと水煙でカメラも出せず、思うように写真が撮れない。こんなことは初めてだ。こうして、轟音の地響きと水しぶきに打たれながら次々とポイントをめぐって行く。なかには、台風並みのものすごい風圧と土砂降りの水しぶきを浴びる箇所もあり、顔を上げて見るのさへ困難な所もある。こんなにひどい水煙と水しぶきとは、まったくもって予想外のことである。何せ、水煙に包まれて滝の景色がよく分からないのである。その上、水しぶきは襲って来るし、お手上げ状態である。
 

とにかく、コ−スを歩いている間中、雷鳴のような轟音が耳をつんざき、そして激しい水しぶきに濡れっぱなしである。今は雨季あがりで、特に水量が多いのかもしれない。やはり、9月以降の乾季の季節で水量が少ない時のほうがベタ−かもしれない。この水量と滝飛沫では、滝の観賞どころではない。イグアスの滝では、水しぶきに濡れるのは1ヶ所だけであり、他の部分は難なく観賞できたのだが……。このビクトリアの滝は、今の季節(4月初め)が、そのすごさを体感できるものの、滝の景観がほとんどつかめず、地上からの滝観察は不向きのようだ。やはり、ヘリコピタ−から観察すべきであったか。
 

水しぶきの中、苦労して撮った写真も、ただ水煙で真っ白けに写っただけものが数枚もある始末。途中のポイントで、なんとか滝の雰囲気が撮れた写真は次の数枚だけである。結局、残念にも地上からは滝の全貌はつかめずじまいである。
 





滝のラインがきれいなビクトリアの滝











 一直線の滝のラインが1700mもつづく。遠くは水煙に隠れて見えない。










上空から見たビクトリアの滝(絵葉書より転載)








プロムナ−ドのどん詰まりまで行くと、ザンビアとの間にかかるア−チ型の鉄橋ビクトリア大橋が見える。その上段は一般車両が、下段は鉄道が走っている。橋の中央部分にはバンジ−ジャンプの施設があるらしい。深い谷間になっているので、かっこうのジャンプ場なのだろう。これから出発点に戻り、この橋を渡ってザンビア側から滝を観賞することになる。

 




ザンビアとの間にかかるビクトリア大橋










ザンビア側へ
このプロムナ−ドは、片道2kmほどもあるので、往復けっこう歩かされることになる。少し、ゴム草履の鼻緒の部分が擦れて足が痛くなる。どうにか出発点まで戻り、駐車場のバスに乗ろうとすると、黒人の若者がす〜っと近づいてきて、何やら名簿らしきものを差し出し、それに記入してくれとゼスチャ−で伝えている。その名簿を見ると、外国人の名前が並んでおり、その隣の欄に金額が記入してある。そこで、これは寄付を求めているのだなあということが分かる。彼が無言のとろをみると、耳の不自由な人なのだ。そういう人たちへの支援がほしいということなのだろう。そこでサインし、5ドルを寄付することになる。いろんなことに出会うものだ。これが詐欺ではなく、真実のキャンペ−ンであればいいのだが……。全員そろったところで、バスは川向こうのザンビアに向けて出発する。



(次ページは「ビクトリア大瀑布(ザンビア側編」です。)











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