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               No.8




7.オ−クランド市内観光
 
今日は旅行7日目。今度の旅の最終日である。明日は帰国の旅が待っているだけである。朝7時に起きて窓外を眺めると、曇天である。だが、雨の心配はなさそうだ。とうとう、旅の期間中一度の雨にも遭わず、好天に恵まれた。きっと旅の神が守ってくれたのだろう。今日は1日がかりで、市内観光の予定である。まずは朝食で腹ごしらえをしなければ……。
 

1階奥の食堂に行くと、時間が早いのか誰もいない。席に座ると係がやってきて何やら注文表を渡し、これに希望の品を書いてくれという。なんとやっかいことをさせるのだろう。こんな経験は初めてである。とにかく、言われるままに従い、スクランブルエッグ、ベ−コン、ソ−セ−ジ、ハム、パン、コ−ヒ−と書き込んで料理カウンタ−のコックに渡す。ここはバイキング式ではなく、面倒な注文方式なのだ。しかし、この方式がロスがなく、合理的なのかもしれない。間もなく用意された食事をカウンタ−で受け取り、朝食を始める。手早く済ませると、部屋に戻って出発準備だ。
 
  
エクスプロ−ラ−・バス(EXPLORER BUS)で市内観光
フェリ−ビルディング前からエクスプロ−ラ−・バス(EXPLORER BUS)が出ているという。これは市内のめぼしい観光ポイントをめぐるバスだが、今日はこれを利用して市内観光をしてみよう。このバスはロンドンバスと同様、二階建てのダブルデッカ−バスで、朝9時〜夕方4時までの間に30分間隔で走っている(冬期は1時間ごと)。料金は1日券がNZ$25(=約1600円)で、乗り降り自由である。市内の主な見所14ヶ所を循環するもので、市内を中心部と郊外の2つの系統に分けて、それぞれのバスが循環している。そして、この2系統の循環サ−クルはオ−クランド博物館で接続し、乗り換えられるようになっている。 


フェリ−ビルディングの案内所で、このバスのル−トマップをもらい、係からいろいろと説明を受ける。とても一日ではその全部を回ることはできないので、その中から主なものをピックアップして、次の6ヶ所を回ることに決める。

・ミッション・ベイ(Mission Bay)
・ケリ−・タルトンズ(Kelly Tarton's Antarctic Encounter & Underwter Word)
・ROSEPARK GARDENS
・HOLLY TRINTY CATHEDRAL
・マウント・イ−デン(Mt.Eden)
・SKY TOWER


ミッション・ベイ(Mission Bay)
観光ポイントが決まったところで、9時発のバスに乗って出発だ。乗客は数人と少ない。乗車すると早速、眺望のよい2階の最先端座席に陣取り、過ぎ行く通りの風景を眺めながら楽しむ。走る車も少ないきれいな並木道も現れる。






車も少ないきれいな並木道









間もなく海岸通りに出ると、湾内の風景を左手に見ながら海岸沿いに走って行く。その真向かいには、細く長く裾野を引いた山を抱くランギトト島が静かに浮かんでいるのが見える。なだらかな均整のとれた姿の素敵な島である。
 





ランギトト島
火山の噴火でできた島で 海抜263mの山が見える。






しばらく進むと、樹木に覆われた白いビ−チが見えてくる。これがミッション・ベイなのだ。下車しようと思って、スピ−ドを落として走るバスの車窓からよく眺めると、ただ人気のない砂浜が静かに横たわっているだけで、特に興味を引きそうなものは何もなさそうだ。もっと気温が上がって夏になれば、海水浴、ヨット、ウィンドサ−フィンなどを楽しむ人で賑わうらしいのだが……。これなら下車して見物するまでもあるまい。そう思って、ここはパスすることに決める。






ミッション・ベイ
白砂のビーチも今は寂しげ。









ケリ−・タルトンズ

バスはミッション・ベイで一時停車ると、ぐるっとUタ−ンして元の方向へ海岸線を走り出す。このケリ−・タルトンズは、すでにミッション・ベイへ行く途中、通り過ぎた場所である。再びそこに戻ったところで下車。
 

ここは一口で言えば海中に設けられた水族館で、これに付属して南極探検隊長ロバ−ト・スコットが1911年の探検時に使用した宿舎小屋の複製が設けられている大規模な施設である。ここは、世界的に有名な海中写真家・ダイバ−であるケリ−・タルトン氏が自分の体験した海中の素晴らしい世界を多くの人と分かち合いたいとの意思で、1984年に建設を手がけたものである。
 

圧巻は、海中深く設けられた全長110mのユニ−クな海中トンネルで、ここを動く歩道に乗って透明ガラス越しに多種類の魚たちが泳ぐ様を見られることである。これは世界初の完全透視・防水の海中トンネルで、この方式はその後世界中の水族館のモデルとなったものである。このトンネルを動きながらガラス越しに眺める水中は壮観で、大きなサメをはじめ、巨大ウナギ、エイ、大イセエビなど、ニュ−ジ−ランド沿岸にしか生息しない1,500種にのぼる海洋生物を目の当りにすることができる。
 





海中トンネルの様子
(ぶれて不鮮明だが感じはつかめる?)








また、暖房の効いた雪上車に乗って氷の上を横断し、模擬南極地に飼育されているキング・ペンギンの群れをディズニ−ランド気分で間近に観察することができる。ここは南極の環境条件を模してつくられ、季節の変化も巧妙に作り出されているという。彼らは天敵もいない快適な環境で、餌にも不自由せず気楽に暮らしている。なかには、卵を抱いているペンギンたちもいる。
 





雪上車で氷のトンネルを行く














模擬南極地のキング・ ペンギン














 卵を抱くペンギン










この施設の入口付近には、世界初の南極点到達をめざしたスコット探検隊長が、1911年に南極基地で使用した宿舎小屋が当時の実物大に複製されて展示されている。その居室を見ると、ミシンや小型印刷機まで置いてあるのには驚く。よく、こんな物まで南極に持ち込んだものだと感心させられる。
 





スコット隊長の宿舎小屋










この施設を概観すると以上のようだが、なかなか見応えがあって飽かせない。オ−クランド観光には欠かせないポイントの一つと言えよう。この館内でかなりの枚数の写真を撮ったのだが、フラッシュ禁止のためうまく撮れず全部ボツになった。入場料はシニア割引でNZ$18(=1,100円)である。


ROSEPARK GARDENS
海岸に突き出た水族館の出口から出ると、道路に立ってエクスプロ−ラ−・バスが来るのを待つ。しばらくするとミッション・ベイへ向かうバスがやってくる。そこで手をあげてストップを頼むと、ドライバ−はこちらを見ながらストップもせずに無視して走り去ってしまう。いったいどうしたのだろう?と怪訝に思いながら、今度はその帰路を待ち伏せるため、道路の向かい側に立って待つことにする。ミッション・ベイは、ここから1km先にあるから、すぐに戻って来るはずである。
 

間もなくやってきた戻りのバスに、再び手を振ってストップの合図を送ると、ドライバ−が前方を指差しながら走り去ってしまう。おや? 何の合図だろう? ひょっとして停留所が先の方だというのだろうか? そう思って、とにかくそちらの方向へ駆け寄って行く。するとカ−ブを曲がった100mほど先にバスが止まっており、ドライバ−が降りてこちらだと手を振って合図している。バスストップは入口の前だったのだ。出口の場所が入口の建物とよく似ているものだから、私が勝手に勘違いしていたのだ。やっとバスにたどり着き、にっこり笑うドライバ−に礼を言って乗り込む。
 

バスはしばらく走ってゆるやかなスロ−プを上ると、静かな雰囲気の丘陵地帯に出る。ロ−ズ・ガ−デンは、その道路沿いにある。ここは文字通りのバラ園で、規模はそれほど大きくはないが、よく手入れされたガ−デンにとりどりのバラが咲き乱れており、見物は自由である。手入れ作業中の女性に尋ねてみると、数十種類のバラを植えているという。ここで降りる観光客も少なく、見物客もまばらである。次のバスまで半時間もあるので、ほのかに香るバラ園内をゆっくりと見て回る。




 とりどりのバラが咲き乱れるバラ園




HOLLY TRINITY CATHEDRAL
次の観光ポイントは教会である。時間通りにやって来たバスに乗って少し走ると、波打つようなユニ−クな屋根をもつ教会が現れる。ガ−デンの片隅に大木の植わる敷地内には、とんがり屋根の旧教会やレンガ造りの教会建物、それにつながって近代的な感覚の屋根をもつ建物が並んでいる。
 





波型のユニークな屋根の教会










レンガ造りの建物の玄関を入ると、そこには2人の女性が受け付け役に座っている。拝観の許可を求めると、「どうぞ、ご自由に……」と言いながら、「お国はどちらですか?」と尋ねる。いちいちどうしてそこまで尋ねるのだろうと思いながら「日本です。」と答えると、数冊用意されているレストランのメニュ−様のものを差し出して見せてくれる。
 

なんと、それは日本語で書かれた教会の案内書なのだ。これを示すために国名を尋ねたのだ。これは備え付けのものだから、その場で読んで返さなければいけない。それには教会の歴史や内部の施設構造などが説明されている。さっと立ち読みして、お返しする。
 

レンガ造りの内部は高い天井の重厚な祭壇スペ−スになっており、正面奥には実に簡素な祭壇が設けられていて、まるでイスラム教寺院の祭壇みたいだ。キリスト教で、こんな簡素なものを見るのは初めてである。多分、旧教会の方に、もっと荘厳な祭壇があるのかもしれない。だが、そこには一般拝観者は入れない。
 







 重厚だが簡素な祭壇の礼拝堂















このレンガ造りの祭壇スペ−スに続いて、その後方には一段下がって広いスペ−スのホ−ルが続いている。この建物が波打ち型の屋根の部分である。天井も高く、座席も多いのでかなりの人員が収容できそうだ。素晴らしいのは、壁の全面に思い切り広く取られた玄関窓のステンドガラスである。そこに描かれた絵柄は何なのか分からないが、鮮やかな色彩が薄暗いホ−ル内に印象的な陰影を投げかけている。






色鮮やかなステンドグラス









静まり返った内部には、私以外に誰も拝観者はいない。受付のいる玄関口には喜捨のためのボックスが設けられており、それにコインを入れて屋外へ出る。


乗り継ぎポイント・オ−クランド博物館
教会前から循環バスに乗ると、次のストップ・ポイントはオ−クランド博物館になっている。ここで郊外を回る循環バスに乗り換えて、市内が一望できるマウント・イ−デンに行ってみたい。この博物館はニュ−ジ−ランドを代表する総合博物館で、先住民族マオリに関する展示や動植物、それに近代の戦争に関する展示がなされている。一見の価値はありそうだが、博物館は時間がかかるので、パスすることに決める。
 

東京ド−ムの7個分の広さがある広大な公園オ−クランド・ドメインがあるのだが、その奥まった小高い位置にこの博物館は立っている。ゴシック様式の重厚な建物は、白亜に輝きながら、その屋上に国旗をひるがえしている。バスはスロ−プを上って博物館の玄関前でストップする。下車してその玄関ホ−ルに立ち入ったり、玄関前に広がる芝生の上に腰を下ろして眼下に広がる市街地風景を眺めたりしながら待ち時間を過ごす。






白亜に輝く博物館




 博物館前から眺めたオークランド市街



マウント・イ−デン
やってきた郊外サ−クルの循環バスに乗り換えて出発する。この循環経路は1時間間隔の運行となるので注意が必要だ。カ−ブの多い細い道路を上ったりするためか、小型バスである。「LIONZONE」のストップポイントを過ぎると、次がマウント・イ−デンである。この山は標高200m足らずのグリ−ンの芝生に覆われた小高い丘で、オ−クランド周辺に幾つか残る死火山の火口跡なのである。ここからオ−クランド市街と海が見渡せる絶好のビュ−ポイントとなっている。
 

バスはカ−ブする坂道を上がりながら頂上を目指す。その頂上には展望台が設けられており、その前の小さな広場にバスはストップする。展望するための時間を3分間与えるというので、急ぎ上って風景写真を撮ってくる。中心街の方角を見ると、スカイ・タワ−がそびえており、その左手にハ−バ−・ブリッジが眺められる。こうしてみると、オ−クランド市街が海沿いに開けた街であることがよく分かる。写真を撮ると、急いで戻る。次のバスは1時間後なのだ。



 マウント・イーデンからの眺望。中央に見えるスカイ・タワー近辺が中心街。         




SKY TOWER
次は最後の観光ポイント、スカイ・タワ−である。ここへ行くには、中心部を循環するバスに乗り換えなければならず、博物館まで再度戻る必要がある。バスはここから山を下り、ショッピングセンタ−や動物園、美術館などをめぐって再び博物館に戻る。ここで乗り換えである。 


再び中心部を循環するバスでパ−ネル・ビレッジ、キ−・ストリ−トと回ってスカイ・タワ−に近い通りでストップする。ここで下車し、少し歩いてタワ−を目指す。このタワ−は地上328mの高さがあるだけに、市内のどこから見ても一目で分かるランドマ−ク的な存在になっている。この付近は目抜き通りのクイ−ン・ストリ−ト界隈で、宿泊ホテルへは至近距離である。目の前にタワ−を見ながらも、道に迷ってなかなか近づけない。ついに道を尋ねてやっとのことで到着。 
 

タワ−の1階は広々としたスペ−スで、いろいろなショップが入っている。その一角にタワ−へ昇るエレベ−タ−乗降口があり、その前にチケット売り場がある。ここもシニア料金の設定があるので、NZ$13.5(=850円)でチケットを購入し、早速展望台へ。
 

このタワ−には3段階の展望レベルがあり、喫茶などがある最下部(182m)、その上部のメイン展望台(186m)、それより一段高いスカイ・デッキ(220m)の各階に分かれている。その中間に回転レストラン(190m)もある。その他、世界で最も高いとされる192mの高さからスカイ・ジャンプもできるし、270mの高さまでタワ−マストの中をよじ登る「VERTIGO(めまい)」という楽しみ方もできる。


メイン展望台
まずはメイン展望台に昇ると、大勢の見物客がフロア−にあふれている。なかなか人気のタワ−のようだ。地上186mの高さから、眼下に展開する360度のパノラマ風景を眺めるのは、ただ素晴らしいの一語に尽きる。海に面したオ−クランド市街の様子が手に取るように分かる。
 





メイン展望台の様子


 
 展望台からの眺望。左手前方にランギトト島が見える。



その見事な風景に眺め入っていると突然、窓外にロ−プに吊るされた人影が目に飛び込む。なんという大胆な若者だ。このレベルより高い192mの高さから、世界一高いスカイ・ジャンプを試みたのだ。どのくらい下方までジャンプするのか知らないが、恐らく普通のバンジ−ジャンプよりはるかに長い滞空時間を体験できるに違いない。そのスリルと爽快さは、この上ないものだろう。この写真は、ジャンプが終わって吊り上げられるところである。
 





スカイジャンプを試みた勇敢な若者










展望台を1周しなが眼下の風景を楽しむ。中心街をはずれた周囲になると、なかなか緑の多い街である。やはり魅力的な風景はハ−バ−・ブリッジのかかる港の風景で、海と空と街のコントラストがなかなか美しい。



 緑の多い市街地風景


 ハーバー・ブリッジと港の風景



このフロアの一角には、38mmの厚さのガラスパネルをはめ込んだシ−スル−の床が設けられている。床からすけすけに下界が見えるので、高所恐怖症の人はとてもその床には立てないだろう。そうでない者でも、ひやりと肝をつぶすかもしれない。








透明ガラスの床
目もくらむ186m下の世界がのぞける。














スカイ・デッキ
これよりもう一段高いレベルのスカイ・デッキ(220m)があるというので、そこへ昇ってみよう。そう思ってスカイ・デッキへ行くエレベ−タ−の前に行くと、別料金でNZ$3(=190円)のチケットを販売機で買うことになっている。やむなく買ってスカイ・デッキへ。 


フロアに出ると、すかっとした視界が全面に開けて、ワイドな眺望ができるようになっている。この展望台は、継ぎ目のないシ−ムレスのガラスが使用されて、それだけ窓枠に視界を遮られることなく、よりワイドな景観が楽しめるようになっている。メイン展望台より34mほど高いだけで、見下ろす風景もやや違った感じに見える。






スカイ・デッキ
シームレスのガラス窓で ワイドに見られる。








回転レストラン
スカイ・デッキから再びメイン・デッキに戻ると、遅い昼食取りに展望レストランへ入ってみようと階段を下りていく。そして様子をうかがうと、そこは喫茶関係のフロアになっており、食事は用意されていない。仕方なくメイン・デッキに戻り、そこの店のスタッフにレストランのことを尋ねると、1階のカウンタ−で予約しないと入れないと言う。何とやっかいことだ。直接行けないらしいのだ。
 

ル−ルに従うしかないので、1階まで下りて係にレストランのことを尋ねる。すると、どのレストランにしますかと尋ねるのだが、こちらは初めてのことで分からず、とまどってしまう。結局、要を得ないまま展望台に戻ろうかと迷っていると、上へ昇るため通りがかった女性スタッフが「どちらへ行きたいのですか?」と尋ねるので、「レストランに行きたいのです。」と答えると、それでは一緒にいらっしゃいと、別のリフトでメイン展望台まで同行し、そこのショップの係にレストランの予約をしてやるように頼んでくれる。
 

すぐに電話連絡してOKとなり、一段上の階にあるレストラン(190m)に昇る。すぐに通されて窓際の席に座ると、なんとそこは回転ラウンジになっているのだ。4人掛けのテ−ブルが円形の窓際に沿って整然と並べられ、その床が気づかない速度でゆっくりと回転するのである。食事しながら、360度の景色が眺められ、最高の気分である。1回転するのに半時間以上はかかるようだ。
 

出されたメニュ−を見ながら、パスタとビ−ルをオ−ダ−する。居ながら移動する景観に見とれながら、運ばれてきた料理に時間をかけて食事する。高所から動く景色を眺めながらの食事は、その味もまた格別である。


最後の晩餐は夜景の見えるホテルで
スカイ・タワ−めぐりも回転レストランでしめくくり、下界に下りてクイ−ン・ストリ−トに出ると、いったんホテルへ戻る。中心街の目抜き通りクイ−ン・ストリ−トは、4車線の通りで車であふれている。






目抜き通り
クイーン・ストリートの賑わい








ここをしばらく歩くと、すぐに宿泊ホテルである。今夜は旅の最後とあって、少し張り込んでレストランでのディナ−を考えている。それまで、しばらく部屋に戻って休息だ。
 

7時過ぎになってやおら腰を上げ、すぐ近くのホテルの最上階にあるレストランへ足を運ぶ。このレストランからは港の夜景が見えると聞いていたので、ここに決めたわけである。エレベ−タ−で最上階まで上がり、案内を請うと、予約なしなのに快く受け入れてくれ、窓側に近いテ−ブルへ案内される。幾組かのお客が食事しているが、テ−ブルには余裕がある。
 

話に聞いたとおり、大きな窓越しに港の夜景が見える。対岸の家々に点る灯が海面に映えて美しい夜景を見せている。しかし残念なことに、左手側がビルの陰になって遮られ、折角の夜景が窓いっぱいのワイドに見ることができない。でも、これだけ見えれば、なんとか夜のロマンチックム−ドは醸し出せるだろう。やはり、夜景を楽しみながらの食事なら、スカイ・タワ−にかぎるのだろう。
 

ラム肉にス−プ、それにビ−ルをオ−ダ−し、デザ−トはアイスクリ−ムをとって最後の晩餐を楽しむ。これでニュ−ジ−ランドでの食事も終わりかと思うと、名残り惜しい気がしてならない。最後のデザ−トにニュ−ジ−ランドへの思いを込めながら、別れを惜しむ。
 

明日は早朝5時起きで、帰国の旅が始まる。明日の夕方にはもう日本の土を踏むことになる。ニュ−ジ−ランドの素敵な思い出をいっぱいポケットに詰め込みながら、心豊かに旅立つとしよう。旅の思い出ほど、素晴らしいものはないのだから!


次ページは「旅の情報編」です。どうぞ、ご参考に・・・










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