(背景写真はバルーン船上より俯瞰したバガン遺跡の眺望)







     N0.5
ミャンマー連邦共和国
 

6.古都バゴー観光
ミャンマーの旅5日目、そして最終日。今朝は5時に起床。出発は8時半とのこと。それまでにバイキングの朝食を済ませ、部屋で待機する。今夜は帰国の旅になるので、荷物は車に持参することに。


美少女2人
荷物を持ってロビーに出ると、2人の可愛い美少女が母親同伴でソファに腰かけている。純白のドレスに身を包み、頭にはティアラの王冠を付けている。なんとまあ可愛く素敵な少女たちよ。何事だろうと、思わず駆け寄って母親に尋ねてみる。すると、今からこのホテルで親戚の結婚式があり、それに出席するのだという。


着飾った少女


ティアラの王冠がよく似合う

ついでにお祝儀のことについて尋ねてみると、ホテルでの挙式の場合は約11米ドル、自宅披露宴の場合は2~3千円程度だという。ホテル挙式ができるのは上流家庭なのだろう。許可を得て写真を撮らせてもらう。


バゴーへ
8時半に出発した専用車は、一路バゴーへ向けて走行する。途中、交通安全祈願の珍しい神様に立ち寄る。通行中の車が次々と立ち寄り、お祓いを受けている。車に花を供え、神に向かって前進、後退を三度繰り返す。これが安全祈願のやり方なのだ。


バゴーへの道


交通安全の神様


仏像が並ぶ


お祓いを受ける車の屋根にはお供えが・・・


フロントには花が・・・

傍では、小鳥を何匹も籠に入れて売っている。何だろうと思って尋ねると、この小鳥を買って解き放つと、神の御利益があるというのだ。見てる間には買う人は現れなかった。


(動画)籠の鳥

ここを後にしてしばらく走ると、イギリス軍兵士の墓地に立ち寄る。きれいに手入れされた広い墓苑に第二次世界大戦で戦死した兵士たちの墓が置かれている。これほど多くの兵士が亡くなったのだと胸が痛む。これはイギリス兵だけでなく、日本もアメリカも同様だ。


戦没したイギリス軍兵士の墓苑


ある無名兵士の墓


高速道路
墓苑を後にしてしばらく走ると、高速道路に入る。料金所で料金を払い、高速に乗る。高速道路といっても少し広いぐらいで、普通の道路と変わらない。驚いたことに、道路沿いの住民たちが道路を横切ったり、道路内に車や荷物を置いたりしている。なんとものどかな高速道路である。単なる有料道路ということなのだろう。


料金所


高速道路

しばらく走ると、今度は有料トイレに立ち寄る。見学かたがたトイレ休憩である。道路沿いには「TOILET」の表示板が立っている。そこは茂みに囲まれていてバナナの木まで茂っている。一応、こぎれいで小さなトイレが建っている。自然に囲まれたのどかなトイレである。


トイレの表示板


茂みの中にトイレが・・・


これが有料トイレ


側にはバナナの木が・・・

トイレを済ませて再び高速道路を突っ走る。出発から約2時間かかってバゴーの町に到着。


チャッカワイン僧院
ここで最初に向かったのはチャッカワイン僧院である。ここはミャンマー最大規模の僧院で、1000人近い若い僧侶が修業しているという。僧侶の食事は朝6時と昼12時の2回だけという。毎日11時からの修行僧たちの食事風景が観光名物となっている。


入口から入って金色に輝く長い廊下を奥へ進んで行く。間もなく、修行僧たちがここを行列しながら通るという。一番見えやすい場所に陣取って待機する。やがて高僧を先導役に修行僧たちの行列が始まる。廊下の両側には僧たちに喜捨しようと多くの人たちが列をつくっている。


長~い廊下

ゆっくりと通り抜ける僧たちに、次々と喜捨が始まる。喜捨の内容を見ていると、ご飯あり、お布施あり、品物ありで、さまざまである。長い行列だけに、後半の僧たちになると受け取る喜捨がなくなってしまう。そこは心配無用で、後でみんなで分け合うらしい。


喜捨を受ける僧


(動画)僧の行列

ところで喜捨用のご飯だが、これはなんと当番僧が大釜で台所で炊き出しているのだ。それを廊下の途中に設けられた大器の中に入れて、これを小さな容器にすくってこれを持参し、行列の僧たちに喜捨するわけだ。私も皆に倣ってご飯を喜捨することに。


ご飯の炊き出し


喜捨用に用意されたご飯

僧たちが通り過ぎると、今度は大食堂に回ってみる。数百人にのぼる僧たちが一斉に食事を摂る場所で、板張りの上に丸テーブルが何台も置かれて壮観な眺めだ。


大食堂にテーブルが並ぶ

しばらく待っていると、僧たちが続々と入って来る。皆が座席に着くと、一斉に食事前の祈りが始まる。広い食堂に響き渡る祈りの声には圧倒されるばかりだ。長い祈りが終わると食事が始まる。この眺めも壮観である。


(動画)僧たちの食膳の祈り


(動画)僧たちの食事風景

ここバゴーには尼僧院もあるそうだが、ここは一般には非公開となっているそうだ。


マーケット
僧院を後にすると、バゴーのマーケットに移動し見物する。ここもヤンゴンのチャイナタウンと似たマーケットで、生鮮食料品を中心に様々な品々が所狭しと並んでいる。ひと通り見物して回ると、昼食摂りにレストランへ移動する。


バゴーのマーケット


フルーツがいっぱい


乾物類


壮観な魚の割り干し


隣には果物屋さんが・・・


この混雑



遠くにパゴダが見える


昼 食
昼食はミャンマー料理で、例によってピリ辛料理である。レストランの二階に案内され、長テーブルに座っての食事である。ここで偶然にも昨夜出会ったインド人夫妻と再会し、挨拶を交わす。


昼食のレストラン


ミャンマー料理


レストランの二階からパゴダが見える


シュエモード・パゴダ
食事が終わると、シュエモードパゴダに向かう。このパゴダは高さが114mもあり、ミャンマー一の高さを誇る。そのためバゴー市民はこのパゴダを誇りに思っているそうだ。このパゴダは8~9世紀頃に建てられ、聖髪と仏舎利、寄進者たちの宝石などが安置されているという。


このパゴダは東西南北に4つの門があり、境内はとても広く、お寺や説教を受ける場所、そして休憩所がある。それ以外にも発掘されたもの(当時の柱や門)などが保存され、身近に見ることができる。


このパゴダは、何度も地震で被害を受けたこともあり、マグニチュード7以上の地震でパゴダの上部が壊れて崩れたことがあるそうだ。


ここは高台にあるため入口で素足になり、きれいな屋根付きの階段を上って行く。境内に出ると、目の前にミャンマー一の高さを誇るパゴダが黄金色の輝きを放ちながら燦然と輝き立っている。その素晴らしさは感動ものである。


階段を上って行く


途中に仏像が・・・


高さ114mのシュエモードパゴダ


(動画)金色に輝くシュエモードパゴダ

次にガイド氏が珍しい光景が見られるという場所に案内する。なんと、ここには“オカマ”の占い師がいて人々の相談を受けているという。その様子を窓から垣間見ることに。なかなか人気の占い師らしく、日々多くの相談者が来訪するらしい。


オカマの占い師が相談を受けている(マイクを持っている)


屋根の向こうにパゴダが見える


シュエターリャウン寝釈迦
次は寝釈迦像のあるシュエターリャウン寺院へ移動する。ここには高さ16m、全長55mの巨大な寝仏が安置されている。この仏像は映画「ビルマの竪琴」で撮影されたものだそうだ。ミャンマーにはこうした巨大な寝釈迦像が多い。そしていずれも目を覚まして横寝したものだ。それが何を意味するのかは分からない。足裏はのっぺらぼうではなく、必ず宇宙観を示す文様が付けられている。


寝釈迦の顔


長さ55mの寝釈迦像


足裏には宇宙観を表す文様が・・・


(動画)シュエターリャウン寝釈迦像


チャイブーン
ここは珍しい青天井の屋外に設けられた仏像で、高さ30mの太い柱4面にそれぞれ座仏がつくられている。強い直射日光を受けながら、それぞれに違う表情を浮かべている。夜はライトアップされるという。これは1476年にモン族によって建立されたと言われている。


4面の仏像はそれぞれ表情が異なる








ヤンゴンへ
チャイブーンを最後に古都バゴーの観光は終わり、一路ヤンゴンへ。高速道路を走り、2時間かかってヤンゴン到着。飛行便は夜の9時過ぎなので、まだ時間はたっぷりある。そこでショッピングモールに立ち寄り見物。かなり規模の大きいもので、土産品を物色しながら店内をぶらいついてみる。


パゴダの夜景
モールで時間をつぶしている間に、夜のとばりが下り始める。そこで最後の観光にシュエダゴン・パゴダの夜景見物に案内してもらう。ヤンゴンの代表的なパゴダのライトアップされた夜景を見たかったのだ。これもガイド氏のとっておきの場所に案内してもらう。


その観賞ポイントは道路を隔てて遠くにパゴダを見上げる位置である。下車して眺めてみる。森に挟まれた形で、その間にライトアップされたパゴダが夜空に燦然と輝いているのが見える。境内に入って至近距離から見るよりも趣があっていいのかもしれない。さすがにこのポイントは見物客は誰一人として見えず、私たちだけの独占観賞ポイントである。旅行最後のパゴダ観賞でミャンマー旅行を締めくくる。心満ちる思いで静かに立ち去る。


夜空に浮かぶシュエダゴン・パゴダ


(動画)シュエダゴン・パゴダ


超ラッキーなビジネスクラス席
パゴダ観賞が終わると、あとはヤンゴン空港へ直行する。到着すると5日間通して私たちを案内してくれたガイド氏と固い握手を交わして別れを告げる。


そしてすぐさま、チェックインカウンターへ直行。そこで通路側の席を申し出る。すると後方に控えていた女性係員が代わって私に対応する。そして彼女が告げるには「お客様はビジネスクラスに搭乗していただきます。実は当方でダブルブッキングがあり、その影響であなた様の席をビジネスクラスにご用意させていただきます。よろしいでしょうか?」とのこと。


ええっ!と驚き、降って湧いた話に天にも上る思いである。よくもまあ、こんなラッキーなことがあるものだと、我ながらその幸運に感謝する。同伴者がいない一人身の私に、1席のみあてがわれたのかもしれない。


ビジネスクラスになれば搭乗時の並ぶ列から違う。搭乗して席に着くと、すぐに乗務員がやってきて、「○○様ですね?私、○○と申します。お客様の担当をさせていただきます。」と挨拶する。そして、すぐさま飲み物のサービスが始まる。それもなんと、シャンペンなのだ!これがエコノミーだと、離陸して水平飛行に移ってから、やおら飲み物のサービスが始まるのだが、この点のサービスがまるで違うのだ。


次は食事についての質問がある。それは和食か洋食かどちらを選びますかということ。もちろん和食を所望する。食事時になって出されたのは、上品な器に盛られた品々である。ご飯は珍しくお粥である。これが胃に優しく、なかなか美味しい。


座席シートもゆったりして間隔もゆとりがある。隣席との間にはちょっとした衝立があって、眠っても顔が見えないようになっている。隣席にはアメリカ人の中年婦人が座っているが、話しかけるのにも衝立越しになるので、少々不便である。


料金の差で待遇サービスがこうも違うのだ。それは当然のことかもしれないが、果たしてそれに見合うだけの値打ちがあるものかどうかだ。ビジネスクラスだと、エコノミークラスの倍額の料金になるはずだ。


私がビジネスクラスの初体験をしたのは、24年前のアメリカ招待旅行の時。当時とは機材も違って格段に良くなっている。しかも全日空機で日本人スタッフのきめ細かなサービスが受けられる。


幸運と満足の思いにひたりながら、ゆったりと座席に身を沈める。あと6時間で日本到着だ。好天と優しさをくれた微笑みの国ミャンマーよ、さようならである。                                (完)

                            2015年6月12日脱稿


 



   






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