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8.エジンバラ観光(2)

エジンバラ2日目。昨夜は早く寝たせいか、今朝は5時に目覚める。気になって窓に駆け寄り空を見上げると、どんよりした曇り空だが雨はまだ落ちていない。昨夕はあんなに晴れて素敵な夕暮れ風景を見せていたのに、今朝はもう厚い雲が覆っている。不安に思いながら二番寝入りを始める。


次に目が覚めたのは7時ごろで、空模様が心配になって再度外の様子を確かめる。あゝ〜、やっぱり今度は小雨が降っている。この地も変わりやすい天候で困ったものだ。アイルランドにいる時、エジンバラも同じ天候の領域で不安定だと宿の人が言っていたが、それは確かなようだ。今日は終日観光の予定なのに、困ったものだ。


日曜は遅い朝食
ところで、昨日到着時に告げられたのだが、普通日の朝食は8時からで、日曜日は9時からとのことである。どこのB&Bも朝食は8時のようで、かなりゆっくりしている。今日は日曜ということで、9時まで待たねばならない。洗面を済ませ、お湯を沸かしてコーヒーを入れる。どの宿もコーヒー&紅茶セットが揃えてあるのでありがたい。それにビスケットまで備えてあり、これで朝食までのつなぎができる。


コーヒをすすりながらTVをつけてみると、天気予報士が「今週は熱波の襲来に注意。今日は雷にも注意。」と報じている。道理で、昨日は汗だくになってこの宿にたどり着いたわけだ。この地も平年より気温が高いようだ。この様子では、ここでも冬服のジャケットがお荷物になりそうだ。問題は雷だが、それに注意とは、ひょっとすると今日は大雨の恐れがあるということか? やれやれ・・・。


Full Scottishの朝食
9時になって食堂へ行ってみると、日本人カップルがすでに食卓に着いている。後から遅れて若い日本人女性3人組がやってくる。このハウスは結構日本人客が多いようだ。そこで宿の人に尋ねてみると、金曜日には日本人が7人、今日は11人という。ここは日本人に人気の宿なのだ。手ごろな料金で駅にも近く、至便な位置にあるからだろう。


「食事は何にされますか?」と尋ねるので、「何がお勧めですか?」と問い返す。すると「Full Scottish はどうですか?」という。「じゃ、それをお願いします。」ということで、運ばれてきたのが次の写真の料理である。基本的にはゴルウェーのB&Bのそれと同様だが、それにキノコや煮豆などが加わっている。ベーコンも大きく、ボリュームたっぷりである。


Full Scottishの朝食

これにトーストパン2枚とバター、ジャムが付けられ、それにコーヒーかティーがポットで運ばれてくる。別テーブルにはミルク、ジュース、フルーツのピーチなどがあり、これらも合わせて全部いただく。朝食には十分過ぎるほどの内容と分量である。こんな朝食を毎朝食べていると、帰国時には体重が増えること間違いなしだろう。しかし、旅行中は終日歩き回るので、エネルギーは結構消耗するはずである。


市内観光へ
日本人夫妻と雑談を交わし、食後の休息を入れると、10時にインフォメーションが開くのを待って出動する。傘を差しながら、まずはインフォメーションに向かう。そこでお勧めの主な観光ポイントを尋ねてチェックすると、すぐ先のウェーバリー・ブリッジに出て赤色のダブルデッカーバスに乗車する。この地点が観光バスや空港バスの発着点になっている。


お勧めの主な観光ポイントは・・・
・エジンバラ城
・ロイヤル・マイル
・スコッチウィスキー・ヘリテイジ・センター
・ブリタニア号
・プリンセス・ストリート
・カールトン・ヒル
・聖ジャイルズ大聖堂
・アーサーズ・シート
・ホリルードハウス宮殿
・スコットランド国立美術館

などである。これからこの中の幾つかを観光することにしよう。まずはこの街のシンボル・エジンバラ城の見物だ。


乗り降り自由の観光バス
この乗り降り自由のバスは料金大人£9、シニア£8(1880円)。4月中旬〜10月末までの期間は20分間隔で市内の観光ポイントを循環しており、それ以後の冬期は運行していないようだ。チケットはドライバーからも買えるようになっている。この観光バスは2社が運行しており、色違いのバスとなっている。今日はしょぼ降る雨で二階のオープンデッキには上れず、1階席で辛抱する。早速、用意されているヘッドフォンを耳に付け、日本語版を探してガイドに耳を傾ける。


“Last Drop”という名のカフェ
バスはプリンセス通りに出ると、そこを西へ通り抜け、南へ曲がるとお城の麓の周りをぐるりと回りながら旧市街へ入る。ここを周っている途中、あるストリートにさしかかった時、その家並みの中に“Last Drop”と看板に書かれたカフェが目に留まる。この看板の意味は、「最後のしずく」〜つまり最後の血の一滴という意味だそうで、その昔、この店の前には広場があり、そこは処刑場だったそうで処刑の日には大勢の見物人が押しかけたという。その処刑の時に流された血のしずくに因んで店名が付けられたというのだが、歴史を感じさせる場所である。


エジンバラ城へ
その区域を周った後、お城の入口に近いCastlehill通り横に出る。ここでベルを押して下車。この通りはお城へ通じる道でスロープになっており、その角には高い尖塔がそびえている。小さな石畳の細いCastlehill通りを少し上りあがると、城門前のパーキングに出る。この広場の片隅に入場券売り場があり、そこで列に並んでシニア料金£8.5(2000円)をカードで支払う(大人£10.30)。 









 このCastlehill通りを上ってエジン
 バラ城へ
















ミリタリー・タトゥー
このパーキングになっている広場には、下の写真で分かるように両側に特設スタンドが設けられ、ここで毎年8月ミリタリー・タトゥーが華やかに繰り広げられる。ここエジンバラでは毎年8月、約1ヶ月間繰り広げられるエジンバラ・フェスティバルが開催される。そのハイライトがミリタリー・タトゥー。これをひとことで言えば「軍隊のパレード」である。ライトアップされたエジンバラ城をバックにキルトの正装を身にまとった総勢200名ほどのバグパイパーの演奏が響き渡り、その他にマスゲームや世界各地から招かれた軍楽隊の演奏やスコットランドの華麗なダンスなどが繰り広げられる夏の夜の祭典なのだ。


城門前のパーキング広場。両側には観覧席のスタンドが見える。

その時期にはまだ1ヶ月ほど早い今では、それが見られないのが残念。早くもこの広場の手前には臨時の特設スタンドが設営されている。(この祭典の様子は→こちら。また、この祭典の音楽が次のサイトのオーディオ・クリップで聞くことができます。→オーディオ

城内の様子
城門をくぐって入ったところに、案内用ヘッドフォンの貸し出しカウンターがあり、日本語版もある。料金は£3というのでカードを差し出すと、現金でなければダメだという。そこでポンド紙幣をポケットから出して払おうとすると、どこにも現金が見当たらない! これは困ったことになった!! いったい現金はどこに? 落ち着いて静かに考えてみると、宿の部屋に残してきたジャケットのポケットに現金を入れたままなのを思い出す。やれやれ、今日一日は現金なしで過ごさないといけない羽目になる。カードがあるので、なんとかなるだろう。


仕方なく、ガイドフォンなしで入ることに。石畳のスロープを上り、黄金の紋章がかかる奥の城門をくぐって行くとキャノンが並ぶテラスに出る。ここがアーガイル砲台」である ここまで来るうちに雨は小止みになり、いつの間にか晴れ間がのぞいている。ここからは新市街の素晴らしいパノラマ大景観が一望できる。


奥の城門へ向かう


砲門が並ぶ。右手から市街が一望できる。

この広場から背後の高い塔へさらに階段を上って行くと、一段高いテラスに出る。そこは下段のテラスからよりも一層城壁下の様子がよく見渡せる。昨夕、憩いながらこのお城を見上げたガーデンやウェーバリー駅、その上に走るプリンセス通りなどが手に取るように見える。ここからだと、市街の位置関係がよく分かる。



 テラスから眺めた新市外の風景。手前のグリーン地帯は昨夕散策したガーデン(Princes Gardens)。ガーデンに沿った道がプリンセス通り。その2ブロック先がクイーン通りで平行に走っている。右端がウェーバリー駅。
 遠く向こうの海はフォース湾(北海)。




エジンバラ城のこと
エジンバラはもちろん、スコットランドのシンボルでもあるこの城は、玄武岩のごつごつとした丘の上に、市街を見下ろすように佇んでいる。時には厳しく、険しく、またある時には優しい顔を見せながら歴史を刻んできたこの城は、スコットランドの歴史、生活の中心となっている。その石造りの重厚な城砦の内部は、中世の要塞としての厳しさを今に伝えている。


ここにも城門が・・・


頂上の砲台

城内では王位を象徴する装飾品「スクーンの石」をはじめ、スコットランドの歴史を語る多くの品々を見ることができる。パレスの内部は戦争記念館、重厚な時計台、王族の居間、悲劇の女王として知られるメアリの部屋と、興味深いスポットがある。 


とはいうものの、建物があちこち分散してガイドなしには戸惑ってしまいがちである。イヤフォーンガイドがないので、わけ分からぬままに適当に見物して回る。戦争記念館入口には等身大のバグパイプ兵士の人形が立っていたりして驚かされる。また別棟では王位継承の様子を示す等身大の人形があるなど、その歴史を示している。









 正装の兵士(人形)

















授与の儀式


戴冠式の様子

狭い岩山の上に築かれた城だけに、平面がなく、堅牢な建物が各所に分散して、なんだかとりとめのない感じである。もたついて時間ばかりが取られ、後から振り返ると見落としもあるようだ。やはり、この城の見物にはガイド付きかイヤフォーンガイドがベターのようだ。事前の知識もなく、目に留まる範囲は一応見たということで城を下りる。これでも1時間以上いたのだろうか?



 丘の頂上にある堅固な建物




スコッチウィスキー・ヘリテイジ・センター
城門を出てCastlehill通りを下りて行くと、すぐ右側に「スコッチウィスキー・ヘリテイジ・センター(Scotch Whisky Heritage Centre)がある。ここではスコットランド名物・スコッチができるまでの工程を見学できる。これに参加すると、スコッチのテイスティンができ、飲み終わったカップは記念に持たせてくれる。また隣接するショップには、何百というシングルモルトやブレンドウィスキーが並び、辛党にはショップでの買い物も楽しみの一つ。その他、バーやレストランも付属している。


スコッチセンターの小さな入口

もう昼の12時を過ぎている。このセンターは見学予定に入れていたので、早速入場してみる。見学にはガイドが付くのでスタート時間が決められており、約30分ごとぐらいに順次スタートする。入場料金は£6.75(1600円)で、少量のテイスティングとカップのプレゼントがあるとはいえ、やや高い感じだ。15分後の12時25分のスタートまで、ベンチに腰掛けて時間待ち。


時間がくると、出発に際してまず最初にテイスティングがある。カップに少量のスコッチが皆につがれ、それを味わう。それが終わると、ガイドに案内されて一番目の部屋へ入って行く。そこにはベンチが用意され、スコッチの製造過程についての上映がある(10分程度)。この説明音声は日本語版のヘッドフォンで聞くことができる。


二番目は、スコッチの製造工程の模型が前方ステージにセットされた部屋である。これを見ながら音声で説明を受ける。一番目の部屋で工程についての概略は分かっているので、それが模型で一層よく理解ができる。三番目の部屋に移動すると、そこでは立体映像の特殊な映像が上映され、老紳士が出てきてスコッチの歴史について語りかける。それに合わせて、往時の映像や写真などが示され、現代に至るまでの様子が分かるようになっている。


以上で解説関係は終わり、今度はウィスキーの樽の形をしたバレルカー(2人掛けのトロッコ)に乗り、ゆっくり移動しながら往時のスコッチ作りの様子を示した人形模型のセットを見学する。人形が動いたり、なかなかリアルに作られている。これで見学ツアーは終了である。


これがバレルカー(右)


当時の風俗


スコッチ作り?


昔の醸造風景


現代の醸造スタイルに近づいている

あとはバーとレストランのある部屋へ通されて解散となる。都合、40分ぐらいの見学ツアーである。喉が渇いたのでバーのスタンドでオレンジジュース1杯(£1)を注文し、絞りたてのフレッシュで喉を潤す。昼はとっくに過ぎているが、今朝は朝食が遅い上にたっぷりのスコティッシュ料理で、まだお腹は空かない。やはり洋食は腹持ちがよい。
 

センター内のバー。ここで各種のスコッチがテイストできる。

ロイヤル・マイル(Royal Mile)
エジンバラ城とエリザベス女王のスコットランドでの正式な居城であるホリルード宮殿を結ぶ1マイル(1.6km)の直線道路はロイヤル・マイルと呼ばれる。この道路は旧市街の中心部を東西に貫くストリートで、お城側からCastlehill、Launmarket、High Street、Canongateと、4つの通りから成っている。これらのストリートにはキルトやアンティークの店、レストラン、パブがひしめき、聖ジャイルズ大聖堂をはじめとする歴史的建築物が立ち並んでいる。


当初の予定では、このストリートを西端のホリルードハウス宮殿までをのんびり歩いてみようと思っていたが、今朝の宿で得た情報によると、宮殿には目下ロイヤルファミリーが滞在中とのことで見学できないという。折角の機会がつぶされ、残念である。それでは意味がないと予定を変更し、少しだけストリートを歩いてみることにする。


スコッチウィスキー・ヘリテイジ・センターを出ると、そこから緩やかな下りのスロープになっており、これが宮殿まで続いている。この通りを下りながら、ぶらりぶらりと宮殿の方向へ歩いて行く。右手前方には2つの教会の尖塔が見える。聖ジャイルズ大聖堂はどちらだろう?と思いながら、手前の教会は通り過ぎ、先の教会の方まで進んで行く。その途中は道路工事中になっていて、工事用フェンスなどが折角の見通しを遮っている。


この辺りはHigh Street 。宮殿の方向に向かっている。
右手前方は聖ジャイルズ大聖堂。  



聖ジャイルズ大聖堂を通り過ぎた地点から城方向を向いた風景

石畳の敷かれたストリートの幅は割りと広く、High Street の辺りは聖ジャイルズ大聖堂や重厚な建物が並んで歴史と風格が感じられる。それを過ぎて先の方になると、両側には6階建ての高い建物が軒を連ねている。みんな階段を上り下りするのだろうか? 旧市街だけに古い石造りの建物だろうが、なかには列から飛び出した建物があるなど、整然とした町並みの様子は見られない。


両側には高い建物。このずっと先がホリルード宮殿

先の方の教会に入ってみると、内部はバザーみたいになっていて、いろん商品を売っている。教会の雰囲気はないので尋ねてみると、この建物は今ではこうしたショップに利用されており、聖ジャイルズ大聖堂は通り過ぎた手前の教会だという。そこで引き返し、大聖堂まで戻ることに。



(次ページへつづく・・・)










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