写真を中心にした簡略版はこちら→ 「地球の旅(ブログ版)」  (コペンハーゲン編)






  N0.1
(&デンマーク)





北極圏零下24度の夜空に乱舞するオーロラの輝き
痛快!大雪原の中を90kmで爆走するスノーモービル
大雪原の中を疾走する8頭だての犬ゾリ





グリーンランド・デンマーク旅行日程(7日間)

日付 日数 ル − ト 泊数 タイムテ−ブル・内容
2005年
/13(木)

成 田 → コペンハーゲン     
 1 12:40発 → 16:10着
夜コペンハーゲン市内散策 
    
14(金) コペンハーゲン → カンゲルルススアーク   3 9:15発 → 9:55着
オーロラ観賞
15(土) カンゲルルススアーク アイスキャップ(氷冠)見学ツアー
オーロラ観賞
16(日) カンゲルルススアーク  午前スノーモービル、午後犬ゾリ
オーロラ観賞
17(月) カンゲルルススアーク → コペンハーゲン    朝、オーロラ観賞
11:10発 → 19:30着
18(火) コペンハーゲン →  機内 午前コペンハーゲン市内散策
15:45発 → 
19(水) →成 田  ー 10:35着














1.旅の準備
 
今度の旅の目的はオ−ロラ観賞で、零下24度の世界が待っている北極圏のグリ−ンランドを訪れる。今回はホテルがセッティングされた1人催行のフリ−ツア−を利用することにした。旅のル−トはデンマ−クのコペンハ−ゲン経由でグリ−ンランドに入るのだが、ここはデンマ−クの自治領になっているので公用語はグリ−ンランド語とデンマ−ク語になっている。
 

デンマーク語
そこで次のように簡単な幾つかのデンマ−ク語を覚えていくことにした。英語がすべて通じるので、その必要はなかったのだが、できれば挨拶ぐらいは現地語を使いたいものだ。

・おはよう…………グッドモ−アン
・こんにちは………グッディ
・こんばんは………グッドアフテン
・ありがとう………タック
・さようなら………ハイハイorファ−ヴェル
・はい………………ヤ
・いいえ……………ナイ
・トイレはどこですか?……ボ エア トイレッテ
 

防寒対策
次に問題なのが防寒対策である。零下24度の世界は未経験なので、どんな防寒が必要なのかとんと見当がつかなかった。そこで自分なりに考え、以下の防寒対策を行った。

・帽子……毛糸のスキ−帽
・マスク
・毛のマフラ−
・手袋……薄手と厚手の2枚


2種類の手袋、毛糸のソックス、毛糸の帽子

・肌着……長袖シャツとロングパンツ。アクリル80%の薄くて保温性が高
       く、汗をはじくもの。








 保温性の高い特殊肌着上下












・靴下……厚手の靴下と毛糸の靴下の2枚
・靴………内側に毛の付いた防寒シュ−ズ


防寒シューズ

・ズボン…内側に毛の付いた防寒用ズボン







 防寒用ズボン














・厚いダウンジャケット


・保冷バッグ……100円ショップで買った小型のもの(カメラ、電池などを入
           れるため)


右が保冷バッグ、左は普段に使用するデイバッグ。
この中に保冷バッグを入れて持ち歩く。


・貼るカイロ・・・・・(4枚)
・レンタルの防寒服








 レンタルの防寒服(つなぎ)















防寒対策用に特別用意したものは以上のものだけである。これをまとめると、次のようなスタイルになる。毛糸の帽子を耳まで覆うように深くかぶり、マスクをする。ボディは普通の半袖シャツと長袖シャツを重ね着し、その上から薄手のセ−タ−と冬用の背広型ジャケットを着用した。そして、その上にダウンジャケットを着用する。(特別に用意した長袖シャツは着用しなかった。)下半身は普通のパンツの上に特別に用意したロングパンツを着て、その上から普通のロングパンツをさらに重ね着した。そして靴下は厚手のものを履き、その上から厚い毛糸の靴下を着用した。だが、念のため現地でレンタルの防寒着を借りる予約をしておいた。
 

この装備で完璧である。夜になれば零下24〜27度になるが、その中で戸外に出て1時間半オ−ロラ観察で立ち尽くしても問題なく、大丈夫だった。ただ、スノ−モ−ビルのドライブの際には専用の防寒具があるのでダウンジャケットは不要であった。また、犬ぞり走行の際にはダウンジャケットだけを脱いだ状態で、その上からさらにレンタルの防寒着(上下のつなぎ)を着用した。 
 

オーロラ撮影について
折角の機会だから、なんとかオーロラの撮影を試みたいと思ってあれこれ解説を読んでみた。ところがオーロラは淡い光のため、それを撮影するには長いシャッター間隔が望ましく、その調整ができるバルブ付きのカメラが必要とある。それに三脚も必要とある。


ところが三脚はあるものの、シャッター間隔を調整できる高級カメラは手持ちがなく、はたと困り果てた。レンタルカメラをと思って探したが、普通のカメラはあるもののシャッター調整のできるカメラはなかった。そこでとうとうあきらめ、手持ちのデジカメとコンパクトカメラだけを持参することにし、ダメモトで普通に撮影することにした。デジカメを持参するのは初めてのことである。


こうして準備は整い、初の北極圏へ向けての旅は始まった。最大目的のオ−ロラが果たして見られるのだろうか? それが唯一最大の関心事なのだが・・・。


2.コペンハ−ゲンヘ
 
雲一つない快晴の冬空の下、コペンハ−ゲン行きの飛行機は定刻12時40分に成田を飛び立ち、澄み切った青空の中に吸い込まれていく。久しぶりのヨ−ロッパ行きだが、これから11時間半の空の旅が始まるのかと思うと気が重くなる。あまり時間のことは考えるまい。搭乗口にある日本の新聞を持ち込み、まずはそれを読みながら時間をつぶす。水平飛行になると飲み物のサ−ビスが始まる。ビ−ルをもらって喉を潤す。
 

おいしい機内食
やがて昼食の配膳が始まり、楽しみに蓋を開けてみると中は大きなビ−フとポテトの煮込み料理である。一口食べてみると、それがなかなかおいしい。いわゆる肉じゃが風の料理だが、これまでの機内食では経験したことのない珍しい料理である。そこで男性乗務員に「これはデンマ−ク料理なんですか?」と尋ねてみると、にっこり笑いながら「デンマ−クと日本料理のミックスなんです。」と答える。とてもおいしい料理だとほめてやると、何度もサンキュ−を繰り返して喜んでくれる。
 

食事が終わって片づけられると、後は何もすることがなくなる。ただ、ぼんやりと目の前のTV画面に映し出されるフライトマップを眺めて過ごすだけである。そのコ−スを見ていると、日本海を渡ってウラジオストック上空を通過し、シベリア大陸を横断しながら飛行する。モスクワの北方まで来ると、もう北欧は至近距離である。
 

行き届いたサービス
その間、1時間と経たないうちに頻繁にドリンクのサ−ビスがある。その上、間食にサンドイッチが何度も配られるなど、その徹底したサ−ビスぶりに感心してしまう。数ある飛行体験でも、こんな厚遇は初めてである。そこで、これも乗務員にそのことを告げてほめそやす。
 

EDカードは不要
そうこうするうちに、ようやくヘルシンキ上空を通過すると、やがて着陸態勢に入る。おや? 出入国カ−ドが配られないところをみると、デンマ−クもその必要がないのだろうか? フランスもそうだが、近年はEDカ−ドを不要とする国が増えつつあるようだ。途上国ほどこれを要求する傾向があるようだ。乗務員の話によると、航空券のリコンファ−ムは必要ないとのことなので、やれやれだ。
 

機は定刻より5分ほど早い16時10分にコペンハ−ゲン空港第三タ−ミナルへ到着。時差は8時間で、当地は日本よりその時間遅れている。現地は曇りで気温4度、北欧にしては暖かい。


夕暮れのコペンハーゲン空港

入国は係官がスタンプをポンと押すだけで難なく通過。だが、税関の女性係官はバッグを開けてわざわざ中身を調べる。ほんの形式的で簡単なものだが、それでも何となくいやな気分だ。さあ、これで無罪放免、いそいそとホテルへ向かう。
 

第三ターミナルのきれいなコンコース。ここの地下に空港駅がある。

両替のレート
おっと、その前に両替をしておこう。案内表示が見当たらないので案内所に尋ねると、すぐ横の通路にある。そこでまずは1万円だけを両替する。レ−トは(1デンマ−ククロ−ネ=18.93円)。まあまあのレ−トだが、これからコミッション30クロ−ネが差し引かれ、結局手取りは498.26クロ−ネとなる。これでレ−トを計算し直すと(1クロ−ネ=20.06円)となる。EU加盟国でありながら、この国はまだユーロ通貨は使用していない。
 

ホテルへ
ついでに、ここでホテルの在処を尋ねて出口へ向かう。宿泊のホテルは空港隣接なので便利がいい。空港玄関前には片側2車線の広い道路が走っており、そこを横切った向かい側に目指すホテルはある。瀟洒なデラックスホテルで、回転扉を入ると広いロビ−が開けている。早速、フロントで予約している旨を告げると、なかなか名前を探しきれない。ようやく判明してチェックインを済ませ、キ−を受け取って8階の部屋へ向かう。すると、スタッフが後を追っかけて来て、「これ預かり物です。」と言いながら封筒を渡す。そうだ、明日からのグリ−ンランド行きの航空券やホテルバ−チャ−などをここで受け取ることになっていたのだが、そのことをすっかり忘れていたのだ。
 

ヘマ続き
礼を言って封筒を受け取り、中身を確かめようとソファ−に腰掛ける。書類はすべて間違いなく揃っている。これで安心とばかりに、早速部屋へ向かう。ここは高級ホテルだけに、さすがに室内はデラックスでスペ−スも広い。気分爽快になって旅装を解き、備えのコ−ヒ−でも飲もうとお湯を沸かしていると、ドアをノックする者がいる。何者だろうと覗き穴からのぞいて見ると、ホテルマンが立っている。何事だろうとドアを開けると、私の大事な防寒用ダウンジャケットを差し出しながら、「これお忘れ物です。」と言うではないか! なんとヘマなことをしでかしたものだ。自分の迂闊さにあきれながら、何度も礼を述べて受け取る。ソファ−に座った時に置き忘れてしまったのだ。この分では気持ちがたるんでいる。もっと引き締めなければ〜!
 

市街散策へ
コ−ヒ−ブレイクで一息入れると早速、夜のダウンタウンに繰り出してみる。11年ぶりのコペンの街である。そこで、ダウンジャケットとマスクだけのスタイルで部屋を出る。空港の地下から列車が走っており、これを利用すれば中心街の中央駅まで短時間で行ける。まずはフロントで夜の観光ポイントを尋ねる。新年のデコレ−ションが市街で見られるのかを尋ねると、首をかしげている。そして、チボリ公園の先にある運河沿いにおしゃれな店が並び、きれいな夜景が見られると教えてくれる。
 

向かい側の空港に行こうとしていると、ロビ−の横に何やら通路が見える。表示を見ると空港への通路になっている。なるほど、わざわざ外に回らなくてもいいように、空港との間に陸橋のフロアがつながっているのだ。これだと外気の吹きさらしに当たらずに済むというわけだ。通路に入って行くと、その奥にエスカレ−タ−とエレベ−タ−があり、そのどちらかで1階上に上がる。そこから陸橋になっているフロア−を通り抜けると、その突き当たりにシ−スル−のエレベ−タ−がある。それに乗って階下へ下りると、そこが空港のコンコ−スになっている。なかなか便利なものだ。
 

案内所で列車のチケット売り場を尋ねると、同じコンコ−スの一角にあるという。窓口を見つけて中央駅まで往復キップを買う。料金は51クロ−ネ(1,020円)で、片道料金はこの半額である。往復を買っても割安にはならず、ただ二度買いの手間が省けるだけである。列車は20分間隔で走っているので、なかなか便利である。窓口で何番ホ−ムかを尋ねると、2番ホ−ムだという。
 





 これが往復券











珍しい沈黙車両
地下のホ−ムへ下りて行くと、間もなく列車が入ってくる。慌てて切符をパンチ機に差し込み、ガチャンと刻印して乗車すると、乗り心地は上々で快適。早速、通路向かいの乗客に街の様子を尋ねていると、前席に座っている年配の男性が振り向き、私に向かって指を唇に押し当てている。おしゃべりを止めよというあの“シ〜ッ”という所作である。そして、すぐ後ろのドアの方向を指さしている。振り返って見ると、なんとそこには“シ〜ッ”のマ−クが貼ってあるではないか! 
 

これには驚いて参ってしまう。この車内では沈黙を通さないといけないのだ。所変われば品変わるで、それぞれの国のマナ−やしきたりがあるものだ。これではいろいろ尋ねることもできない。後日、またこの沈黙車両に乗り合わせたので車掌に尋ねてみると、全車両が沈黙車両ではなく、一部の車両だけだという。
 

中心街にある中央駅まで空港駅から3駅(8km)で、わずか10分の所要時間である。なのに、料金は片道510円もするのだから、やはり北欧の物価は高い。ホ−ムから階段を上がって中央駅の薄暗いコンコ−スに出ると、そこは乗客などで賑わっている。


コペンハーゲン中央駅のコンコース

11年前、ベルリンからやって来てこの駅に降り立ったのだ。そして、この駅裏の方向にあるホテルに泊まった記憶がある。懐かしい思いだが、今では何一つ覚えていない。
 

大通り散策
有名なチボリ公園のある出口から出て、繁華街へ歩き出す。玄関前の通りは暗く、イルミネ−ションらしい電光飾は何も見えず、少々失望しながら歩き始める。とにかく、チボリ公園の周りを一周してみよう。公園沿いに駅前の通りから時計回りに歩いてみる。ベスタブロ通りに突き当たって右へ回り、通りに沿ってしばらく歩くとアンデルセン大通りに出る。これを横切ってそのまま真っ直ぐ進めば繁華街のストロイエ通りに出る。
 

そこは敬遠してアンデルセン大通りをチボリ公園に沿って歩いて行く。さすがにこの通りになると車も多く、ネオンサインが少し輝いたりして、どうにか夜の風景を描き出している。


アンデルセン大通りの夜景

途中にチボリ公園の正門があるので覗いてみると、ひっそりと通路の電光飾が輝いている。今はオフシ−ズンで休園なのだ。クリスマスの時期には、公園内でクリスマスマ−ケットが催されるらしいが、今はそれもなく、ひっそりとしている。
 

ひっそりとしたチボリ公園

その少し先にス−パ−マ−ケットがあるので入ってみる。何か飲物をと思い物色して回ると缶ビ−ルが目に留まる。そこでハイネッケンを1本買うことに。代金は7クロ−ネ(=140円)で、これは日本とさほど変わらない。だが、この国のコインは旅行者泣かせである。額面の数字がケシツブみたいに小さく刻印されているので、よく判別できないのである。だから思い余って、コインをがさりと掴んで取り出し、レジ係に必要な額を取ってもらう。分からない時は、この手がいちばんだ。
 

慣れない異国の夜の街は方向感覚がよくつかめず、分かりにくい。教えられた運河沿いの通りは遠そうなので今夜はよしておこう。変な所に迷い込まないうちに、そろそろ引き上げることにしよう。そこで、残りの半周を回ってチボリ公園を一周する。


ティエンテンス通りの夜景

再び駅前通りに戻って……と思って通行人に駅はこの道かと尋ねると、違う方向を指差している。もう一つ角を曲がらないといけないのだ。よく似た塔が見えるので、てっきり中央駅だとばかり思っていたのだ。やはり夜は方向がよくつかめない。
 

中央駅前の暗い通り。左側がチボリ公園、右手が駅


帰途へ
駅に戻って、時刻表を見ている青年に空港駅行きのホ−ムを尋ねると、5番ホ−ムだと教えてくれる。


中央駅地下ホーム

ホ−ムに下って再度付近の人に尋ね、ホ−ムが間違いないことを確認する。間もなくやって来た列車に乗り込んで席に座ると、チケットに刻印を押すのを忘れている。慌てて乗客の一人にパンチ機の在処を尋ねると、ホ−ムにしかないという。やれやれ、困ったことになったぞ〜。車掌に発見されると、これは罰金ものだ。ビクビクしながら到着までの10分間を過ごしやる。運良く、車掌は検札に回って来ない。往路は回って来たのに、これはラッキ−なことだ。
 

空港駅地下ホーム

コンコ−スに出ると、今度は勝手知ったホテルへの連絡橋を渡って部屋へ戻る。早速、お湯を沸かしてコ−ヒ−を入れる。夕食の準備である。このホテルでは、お茶の準備がなかなか多彩で、コ−ヒ−と紅茶以外に各種フル−ツ(オレンジ、マンゴ、アップル、パインなど)の粉末まで用意されている。だから、選り取り見取りにお好みのまま選べるというわけだ。
 

夕食は残りのサンドイッチ
機内食に出た肉パンと機内のおやつにもらったサンドイッチを取り出して夕食とする。これにビ−ルとコ−ヒ−を添えれば結構な夕食となる。腰なしの総ガラス張りの窓から空港の美しい夜景を眺めながら、ゆっくりと夕食を取る。


空港ビルの夜景(ホテルの部屋から)。ピンボケになった。

一息つくと、バスタブにお湯を張り、長々と横たわりながらゆったりと入浴する。こうして旅の疲れを取った後は、広々としたベッドに潜り込み、11年ぶりのコペンの夜に夢を結ぶ。



(次ページは「グリーンランド・オーロラ観察初日」編です。)











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