背景写真はハバナのアメ車(クラシックカー)





     N0.2


 

  (メキシコ編)


世界遺産・テオティワカン観光
メキシコ2日目。見上げる空は今日も快晴だ。メキシコの空の青さは奥深く、日本と違ってなんとも見事である。当地は標高が2200mと高いせいもあるのだろう。


ホテル前の風景

身支度を整えると、朝食とりに地下の食堂へ出向く。バイキング方式で各種のご馳走が並ぶ。好みの料理をピックアップしていただく。お腹を十分満たした後は部屋でゆっくりとくつろぐ。


観光はホテルロビーで8時45分のピックアップというので、8時半過ぎにロビーのソファに腰かけて待機する。南米はラテン系の大らかな気質があるので、果たして時間通りにピックアップに来るのか危ぶまれる。そんなことども考えながら待っていると、なんと5分前の40分に迎えが来た。恐れ入ってしまう。


私が最初のピックアップらしく、11人乗りのボンゴ車にはまだ誰も乗っていない。ホテルを巡りながら乗客をピックアップしていく。次に乗車したのは若いカップル。話しかけてみると、オーストラリアのパースから来たという。私にパースを知っているかと尋ねるので、昔、オーストラリア一周をした時に訪れたことがある。とてもきれいな街ですねと返答すると、喜んでいる。こうしてすぐに仲良しになる。


途中に噴水が見える


素敵な門も見える

最後のほうで乗ってきた乗客に日本人夫妻の顔が見える。驚いて尋ねてみると、現在ニューヨーク在住だという。満席の11人の乗客がそろったところで、旅行社の事務所へ立ち寄り、そこで料金40ドルを支払う。オーストラリア人カップルと、日本人カップル以外はすべてアメリカ人である。


ここで本日のガイド役(男性)が乗車してくる。これから1時間の距離の郊外にあるテオティワカンへ向かう。その前にまずは市中にある遺跡を見学する。珍しい街中にある遺跡なのだ。


遺跡の図面


遺跡の壁


発掘された人骨


(動画)上記遺跡の全体像


同 上


ここを後にすると、いよいよ郊外へ走行する。途中、小高い丘に赤一色に染まった住宅の集団や青一色に染まった住宅の集団など、珍しい光景を見ながら郊外へ向かう。


丘の上には赤屋根の住宅が・・・

やがて遠くに三角形のピラミッドの姿が見えて来る。あれが太陽のピラミッドだ。


遠くに太陽のピラミッドが見える(白っぽい部分)


太陽のピラミッド頂上には人の行列が見える


ピラミッドが立ち並ぶ古代都市テオティワカン
14世紀、この遺跡を発見したアステカの人々は、あまりのスケールにこれが人の手によるものだとは信じられず、神が集う場所=テオティワカンという名をつけた。メキシコからコスタリカにかけてのメソ・アメリカには数多くの遺跡が存在し、数百~数千ともいわれるピラミッドがある。この中で最大規模といわれる遺跡がテオティワカンだ。


まず目につくのが巨大な二つのピラミッド、太陽のピラミッドと月のピラミッドだ。太陽のピラミッドは世界3番目、高さは神殿を加えて74m、底辺は225m×222mを誇る。


遺跡群は区画整理されて整然と並び、その中心には幅40m、未発掘部分も含めて全長5kmに及ぶ「死者の道」が通っている。テオティワカンはここを中心として美しい都市国家を成立させ、最大で15~20万人が集まったとされる。最盛期は4~6世紀といわれるが、同時代に栄華を極めたローマ帝国の都ローマに劣らない規模だったという。
(動画)遺跡群

ピラミッド登攀
下車してまず向かったのは月のピラミッドである。広大な「死者の道」をてくてく歩いて行く。その途中で、一時解散となり、再集合時間は3時半とのこと。それまで自由行動となる。つまり1時半~3時半までの2時間で、その間に月と太陽の両ピラミッドを登るということだ。


位置的に月のピラミッドが近いので、まずは月のピラミッド登攀を目指す。麓に立って見上げると、斜面はそれほど急ではなく、なんとなく登りやすい感じである。麓から50段ほど登りあがると、広い台地になっている。それから上部には整った階段もなく、登れない。


月のピラミッドの遠望

台地に立つと、古代都市の全体像が俯瞰できる。前方には壮大な遺跡群が広がっており、中央を走る「死者の道」のはるか彼方には、太陽のピラミッドが遠望できる。これからそこまで移動しなければならない。


月のピラミッドの階段



(動画)月のピラミッドより眺めた遺跡群



(動画)同 上

月のピラミッドを下りると、「死者の道」をてくてく歩き始める。太陽のピラミッドまで何百メートルあるのだろう?そんなことども考えていると、急にお腹が空いてきた。小さな遺跡の日陰に腰を下ろし、昨夜調達したサンドを取り出して頬張る。ここは標高2200mの高地だが、直射日光下では汗ばむほどの気温である。


食事で小休止の後、再びてくてくと歩き始める。次第に太陽のピラミッドがクローズアップされてくる。よく見ると、アリの行列が斜面や頂上にとり付いているように見える。なんと、人の行列なのだ。これからすると、相当の人数が登っているのだろう。


麓に到達すると、驚かされたのは人の行列である。麓から斜面、頂上に至るまで人、人の行列である。後日、わかったことだが、ガイドさんの話によると、休日は遺跡の入場料が無料になり、地元の人たちがどっと押し寄せるらしい。なんと運悪く、今日は日曜日に当たっており、家族連れで賑わっている。これを知っていたら、もっと早く来たのだが・・・。


太陽のピラミッドに登る人の行列

登り口に行ってみると、係員が入場制限を行っている。前列がはけるまで後列をストップしているのだ。こんな行列では、集合時間に間に合うのか心配になってくる。ま、とにかく並んでみることにする。案外と列は進んで、登攀にかかる。やれやれと思って高い段差のある階段を急ぎ足で登り始める。


入場待ちの人の行列


太陽のピラミッドの斜面

そして中段の踊り場まで登りあがる。やれやれと思っていると、なんとここにも登攀待ちの大行列ができている。最上段への登り口は狭くなっており、一気に進めないので、その順番待ちなのだ。この大行列を目の当たりにして、頂上登攀をあきらめることにする。これでは集合時間に間に合いそうにない。悔やまれるが仕方ない。


(動画)太陽のピラミッド中段よりの眺め

そこから引き返し、広大な遺跡の中をてくてくと出口のほうに向かう。みんなと落ち合い、出発となる。話を聞くと、頂上まで登っていないのは私だけのようだ。あまりのんびりし過ぎたのがいけなかった。


帰 途 へ
遺跡を後にすると、市内へ向かう。途中、カフェに立ち寄って小休止。そして再び走行する。5時ごろ市内に入り、やれやれと思っていると、ガイド氏は何やらカソリックのイベント会場へ連れて行く。今日はその大祭らしく、大勢の信者たちが集まっている。


(動画)教会


広い場内には5つの教会や施設などが取り囲むように立ち並んでいる。その主なものを案内されたりして見物する。なかには信者たちのグループが行列する中で賛美歌を歌ったりしているが、そのハーモニーがとても素晴らしく、思わず聞き入ってしまう。


(動画)教会が立ち並ぶ広場


(動画)信者たちの合唱


(動画)同 上


早く宿に戻りたいのだが、なかなか終わりにしてくれない。1時間以上もここで過ごした後、やっとホテルへ向かう。外はすでに夜になっている。これから参加者11人のそれぞれのホテルまで送り届ける。だから時間がかかる。私は最後のほうで、ホテルに到着したのは7時前のことである。


夕食は粗食
食事に外出するのは暗くて危険。そこでこれも昨日買い置きのサンドの残りでお腹を満たす。明日になれば朝食のご馳走が食べられる。それまでの辛抱だ。


明日は待望のキューバへ移動の日である。出発便が早いので、朝7時にガイドさんが迎えにくるという。それまでに朝食を済ませないといけない。


メキシコ2日目の夜、シャワーを浴び、明日のキューバ行きを夢見ながら、静かに眠り落ちる。


(次ページは「キューバ観光」編です)
 


     






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