(ケニア編)
5.アンボセリ(ケニア)からンゴロンゴロ(タンザニア)へ・・・・ キリマン
ジャロ・マサイ村・大移動
大移動
5日目の朝を迎える。昨夜はドクタ−の深夜にわたる2度の訪問で睡眠が寸断され、睡眠不足である。それにエンジントラブルで到着が遅くなり、疲労もかなり累積していて体が重い。にもかかわらず、今日の日程もとてもじゃないハ−ドである。ここアンボセリ公園を出発して、途中マサイ村を見学、そこからケニア国境へ出て越境し、タンザニアへ入国してンゴロンゴロ自然保護区へ向かうのである。この後半だけで5時間もかかる大移動で、ハ−ドなロングドライブが待ち受けている。
今朝もキリマンジャロ見えず
睡眠不足ながら、早朝5時半に目覚ましをかけて起床。それにはわけがある。それはキリマンジャロの姿を拝むためである。山が見えるのは、早朝か夕暮れがいいと聞いているので、早起きしたわけである。眠い目を無理に開きながら、とにかく外へ出てみる。真っ先に空を仰ぐと、まだ暗い。おや? 星が見えないぞ。深夜はあんなに見事な星空だったのに! これはなんたることだ!! まさか、こんなに早く急変するとは! 失望のどん底に突き落とされる。キリマンジャロの姿が見れるのを今朝にかけていたのに……。
やがて、東の空が明るみ始める。じっと目を凝らして見ると、やはり厚い雲が空を覆っている。これでは、どうにもならない。折角の早起きも徒労に終わってしまう。落胆にひしがれながら、再びベッドに横になる。昨日のトラブルといい、今朝の曇り空といい、何もかもついていないなあ……。そんなことを思うと、目が冴えて寝入りそうにない。昨日の今日なので、今朝は出発予定を遅らせて8時半になっている。そのため、早朝サファリも省略されている。一つ歯車が狂い出すと、何もかもうまくいかないものだ。あきらめるしかしようがない。
昨夜の到着が夜だったため、宿泊したこのロッジの全貌が分からなかったが、今朝になってはじめてその全景がつかめる。やはり、幾つかの建物が分散して建っている。ロッジの周りは広いサバンナに囲まれて、すばらしい景観を呈している。このロッジの名はオルトォカイ・ロッジといい、まあまあの設備である。しかし洗面の水は、やはりここも濁っている。
ロッジのコテージ
朝食を済ませて、フロントマンに「今朝の天候はどうなんでしょうか。キリマンジャロは見えませんかね?」と質問すると、彼はにこにこしながら「心配いりません。もうしばらくしたら晴れてきますよ。」と、自信たっぷりに答える。この厚い雲が覆っているのに、本当だろうかと疑いたくなる。ま、当てにしないで聞き流しておこう。とまれ、キリマンジャロの見える位置に立って、その様子の確認だけはしておこう。
う〜ん、やはりこれではお話にならない。山の方向全体が雲に覆われていて、その全容はさっぱり分からない。でも、よく目を凝らして眺めると、キリマンジャロらしい山の裾野がぼんやりと広がっているのが見える。あれが、そうなのだろうか? 雲がなければ、ここからの山の景色はさぞかしすばらしいに違いない。でも仕方がない。この様子だけでもカメラに証拠として収めておこう。こうして撮ったのが、次の写真である。 |
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