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  N0.1
(&カンボジア)





息を呑む海の桂林・ハロン湾の絶景
チベット高原に源を発してアジアに恵をもたらすメコンの大河
かぎりない幸せを感じる名物料理フォーの味わい





ベトナム・カンボジア旅行日程(7日間)

日付 日数 ル − ト 泊数 タイムテ−ブル・内容
2004年
11/11(木)

成 田 → ハノイ     
 2 11:00発 → 14:40着     
12(金) ハノイ  ハロン湾観光、水上人形劇観賞
13(土) ハノイ → シェムリアップ   16:55発 → 18:55着 
午前ハノイ市内観光
14(日) シェムリアップ  アンコールワット、トム観光。
15(月) シェムリアップ → ホーチミン   18:20発 → 19:35着
午前バンテアイスレイ、トンレサップ湖観光
16(火) ホーチミン →  機内 23:55発 → 
17(水) →成 田  ー 07:00着













1.旅の準備
 
旅はその地のベストシ−ズンに行くのが鉄則。それを外すと快適な旅行ができない。そこで今回、ベトナム、カンボジアの旅を思い立った私は、この地域が乾期に入る11月を待つことにした。雨期だと、度々スコ−ルに見舞われ、時には洪水もあったりして交通にも支障を来すことになる。だから、これを避けるのが賢明だ。そんな思いからこの時期を選んだのだが、結果は正解であった。旅行期間中、一度も雨に遭わず、ほとんど晴天続きの日々であった。
 

今度の旅は添乗員なしのツア−に参加することにした。割安だし、2名より催行というのが魅力だった。ただし、現地のガイドが付いた上に、観光コ−スが設定されているので、フリ−ツア−にはならない。だが、これも正解であった。現地では交通機関が発達しておらず、現地ツア−の制度も完備されていない状況なので、個人でガイドを頼むことになれば効率的な観光ができないからである。
 

現地語は、いつものように次の用語を準備し、覚え込んで出かけた。だが、今度は2ヶ国語なので、わずかな語数でも覚えるのが大変だった。時には混同して、取り違えてしまうことになる。


        (カンボジア<クメ−ル>語)   (ベトナム語)
 おはよう   アルン スオスダイ             −
 こんにちは  スオスダイ           スィン チャオ
 さようなら  チョムリアップ リ−ア      タム ビェッツ アイン
 ありがとう  オ−クン             カァム オン
 ト イ レ   ボンコオン            ニャ− ベ−シン
 ど  こ     コンラエン ナ−        ア− ダウ
 い く ら   ポンマ−ン?          バオ ニュウ
 は  い    バ−                     −
 い い え  テ−                      −
   1     ムォイ               モット
   2      ピ−               ハ イ
   3     バ イ               バ −

カンボジア語の「こんにちは」を「チョムリアップ ス−オ」と覚えて行ったのだが、現地ガイドの話によると、この語は英語の「How are you?」に当たる語で、普通は「スオスダイ」と言うのだそうだ。それにカンボジア(クメ−ル)語は前掲表のカタカナ表音ではとても対応できず、微妙な発音とイントネ−ションがあるので、そのままではなかなか通じない。その点、ベトナム語の方はそのままで何とか通じやすい。


2.ベトナム・ハノイへ
 
こうした経過を経て、いよいよハノイへ向けて出発である。赤いアオザイ服に身を包んだ乗務員に迎えられてシ−トに座ると、機は定刻の11時よりやや遅れて離陸する。このエア−ラインの機材は小さくてやや古く、シ−トにはTVも付いていない。あっても見ることはないから私には無関係だが、これでエア−ラインの程度が知れてくる。
 

隣席の女性
隣席には若い日本人のお嬢さんが座っている。いろいろ話してみると、なんとこの旅でお世話になる現地旅行代理店に勤務していることが判明。本来の在籍はホ−チミン支店だそうだが、現在ハノイ支店に転勤して勤務中とのこと。いろいろ現地事情を尋ねてみる。一般的に諸物価は安いものの、こと不動産関係は例外のようだ。中心部で部屋を借りるとすれば、1ル−ムでおよそ4〜5万円もするという。これでは日本とあまり変わらない。
 

ハノイ到着
昼食をしたり、四方山話をしたり、出入国カ−ドを記入したり、時には眠ったりしながら過ごしているうちに、機は6時間の飛行で昼下がりの15時、ハノイ・ノイバイ空港に到着である。時差は日本より2時間遅れである。気温は30度で晴れ。こうして未知の国ベトナムに第一歩を印すことになる。手荷物だけなので、真っ先に税関を通過して玄関に出る。冷え込んだ日本から来ただけに、ム〜ッとした熱気が全身を襲う。ここは南国なのだ。
 

ハノイ・ノイバイ空港到着ロビーの風景

辺りを見回すと、出迎えの男性ガイドがプラカ−ドを持って立っている。名前を申し出てチェックを受ける。彼の日本語発音はやや舌足らずの面はあるが、なかなかのものである。これならノ−プロブレムだ。現地日本語学校で2年間学んだという。我々が2年間の学習で、これだけのベトナム語を操れるようになるのだろうか? 果たしてそれは疑問だ。みんなが揃ったところでホテルへ向けて出発である。市内まで車で約50分とやや遠い。
 

ベトナムのこと
ここでベトナムのことについて記しておこう。南支那海に面して細長くS字状に伸びるこの国はインドシナ半島の東側に位置し、その正式国名をベトナム社会主義共和国という。気候は南北に長いので位置によって多少異なるが、一般的には乾期は11月〜4月、雨期は5月〜10月で、ベストシ−ズンは乾期の11月〜4月となっている。国土面積は3317万ヘクタ−ルで日本の約88%、日本の九州を除いた面積とほぼ同じである。人口は約8千万人、首都はハノイ。人種はキン族(越人)が90%、その他約60の小数民族がいる。また言語はベトナム語で、その80%が仏教徒である。
 

歴史的には千年を超える中国支配を受けたこの国は、1883年に仏の植民地となっている。1940年には日本軍が進行し、インドシナ半島の支配が始まる。1945年の日本軍降伏により、ベトミンが一斉蜂起してハノイを占領し、ホ−チミン主席によりベトナム独立宣言がなされる。同年にフランス軍によるサイゴン占領、46年にはベトミンとフランス軍の武力衝突が起こり、本格的なベトナム戦争に突入する。54年にはジュネ−ブ協定により南北分割。その後、アメリカも介入したりして悲惨な泥沼の戦いが続いたが、75年4月北ベトナム軍のサイゴン占領により戦争は終結した。その翌年には南北統一され、世界に4ヶ国(中国、北朝鮮、キュ−バ、ベトナム)しかない社会主義国家となった。
 

主要な産業は農林水産業と鉱業で、主要貿易品目は輸出が原油、繊維、水産物、輸入が機械、繊維品、石油製品など。対日貿易も同様の内容となっている。原油は自国生産しながら、石油精製所がないためガソリンは輸入に頼らざるを得ず、1リットル=50円もするのだとガイド君はボヤイている。利潤追求を否定した社会主義的計画経済から利潤追求を肯定した市場経済への移行を図ったドイモイ政策の効果で、89年頃から経済状態は好転し、成長率は年9%台の高い成長を続けた。その後、アジア経済危機の影響で一時低下したが、今年04年度は8%台の成長率を達成できそうだとガイド君は胸を張る。
 

この国は韓国同様に徴兵制度があり、18〜27歳の間に2年間兵役に服さなければならない。このガイド君はすでに済ませたそうだ。兵力は48.4万人とされる。
 

ハノイの街
ここハノイの街はベトナムの首都であり、人口約270万人で、国家の政治・文化・科学技術の中心地となっている。国内では人口500万人のホ−チミンに次ぐ2番目の都市でもあり、国内の大学の約7割がここに集まっている。またここは2000年以上の歴史を持ち、2000カ所以上の歴史的、文化的遺跡が残っている。
 

車窓の風景
一行を乗せたバスはハノイ市内に向かって走り出す。車窓から眺める途中の風景はのどかな田園風景で、緑の稲穂がそよいでいる。この一帯は年間三毛作だそうで、米には不自由しない。


のどかな田んぼの風景が広がっている

市の郊外に近づくと、建築中の建物がよく目に付くが、みんなレンガ造りの家だそうである。この地では木造建築物はなく、すべてがレンガ造りとなっている。地震がないから心配ないという。
 

続々とレンガ造りの家が建築されている

やがて大きな川にさしかかる。これがホン川(紅河)で、これを渡ると間もなく市中心部に入る。そこにぽっかりと穴が開いたように広がる美しく、大きなホアン・キエム湖の側を通り抜けると、ホテル到着である。
 

この大きなホン川を渡ればすぐに市街地だ

ホテル到着
今宵の夕食はツア−に設定されておらず、各自負担で取ることになっている。そこでガイド君が、おいしいベトナム料理のレストランに案内すると言う。みんながそれに賛成すると、車中からケイタイで連絡し予約を入れてくれる。ところが、生憎と今日の受け入れは無理だとの返事。困ったなあと思案投げ首していると、ホテル到着間際になって今度はOKの返事がかかってくる。これで今夜の夕食は心配なし。
 

やがてホテルに到着すると、チェックインしてひとまず13階の部屋に入る。ここは三ツ星クラスで15階建ての高層ホテル。料金はシングル=5,600円、ツイン=6,800円となっており、ル−ムスペ−スも十分のホテルである。階が高いだけに、この部屋からの眺望は抜群で、中心部の市街地が一望の下に見渡せる。
 

早速、1階に下りて玄関前に出てみると、勤務帰りのバイクの列が見られる。ホテル横には小さな池があり、格好の憩いの場所を提供している。今、その向こうに夕日が沈もうとしている。ここの夕日は赤い。


ホテル横の池に夕日が映える

この地の勤務時間は早いらしく、ほとんどが7時〜8時始業だそうで、午後の3時〜4時には終業するという。学校は昼までに終わり、下校する。だから、みんな早起きだ。いま夕日が沈みかかっているが、現在のこの地の日没時間は午後5時半と日本とほぼ同様である。
 

ホテル前の夕暮れ時の風景


同 上


夕食はベトナム料理
夕方5時50分、暗くなった中を出迎えのバスに乗ってレストランへ向かう。ほどなくして到着すると、室内装飾に竹をあしらったなかなかしゃれたレストランへ案内される。席についてしばらくすると、料理が運ばれて来る。今宵の料理は10品で、料金は12米ドル。もちろん、ビ−ルを注文する(小ビン1本=2ドル)。
 

しゃれた雰囲気のレストラン

最初の料理は当地名物のフォ−である。薄味のス−プにビ−フン麺を入れ、香辛野菜を散らしただけのもの。これがなかなかの美味である。


これがベトナム名物フォー

次に出された物はバナナの花を細切りにして和えたもの。これも珍しい風味があってなかなかおいしい。その盛り付けが華やかで、赤・白・緑のコントラストがとても素敵である。


細切りしたバナナの花を和えたもの








 これがバナナの花
 中の白い花の部分を料理する














そして次は、これも名物の揚げ春巻きである。中身は分からないが、複雑な味わいでパリッとした食感は言うことなし。これを小皿に用意されたタレにひたして食べる。これも盛り付けに趣向が凝らしてあり、とてもしゃれている。当地の春巻きの皮はライスペ−パ−で、薄い透明のもの。だから、生春巻きになると中身が丸見えとなる。
 

これも名物の揚げ春巻き

次はエビとカニのフライである。これをピリ辛のタレをつけて食べるのだが、バリバリと香ばしくておいしい。


エビとカニのフライ

その次は白身の魚(多分ナマズ)で、これをビ−フンの上に乗せてある。ナマズはあっさりしておいしい魚である。


ナマズの白身がおいしい

そして今度はス−プである。大きなココナツの実をきれいにくり貫き、そのココナツミルクをベ−スにして作ったス−プである。肉ジャガの感じだが、とろ味があってなかなかおいしい。


ココナツミルクで作った肉スープ

これをご飯にかけて食すると、これがなかなかの逸品に仕上がる。当地の米は、そのままではパサついておいしくない。ところが、こうしてス−プをかけてお茶ご飯ならぬ“ス−プご飯”にすると、それがなかなかうまいのである。
 

ここで突然、室内が真っ暗になる。おやっ? 当地はたまに停電があると聞いていたが、やはりそうなのか?と困惑していると、後ろの方で「みなさん。どうぞこちらをご覧ください。」と言いながらライタ−に点火し、台の上に乗せた器に近づける。すると次の瞬間、ボッと音を立てて青白い炎が容器いっぱいに立ち上る。しばらくして炎が消えると、ライトが再び点される。なかなか乙な演出をするものだ。
 

こうして調理されたものをつぎ分けて出されたのが写真のデザ−トである。これはバナナとパインを煮たもので、甘くとろっとしたス−プの中に浮かんでいる。最後の仕上げに度数の高い酒を入れ、それに点火して先程のように燃やすのだという。バナナもこんな食べ方があるのだと感心しながら、その独特のおいしさを味わう。
 

デザート。バナナとパインを煮たもの。

これらの料理が12ドルとすればその価値十分で、ベトナム料理を存分に堪能できる。みんなお腹満腹で満足顔にひたっている。そして口々に、「ここの料理はおいしかったね。」と感想を述べ合いながら帰途につく。ここはム−ドのある素敵なレストランだが、迂闊にもその名を聞くのを忘れてしまう。
 

寂しいハノイの夜景
部屋に戻ると、窓外にはハノイの夜景が眼下に広がっている。一瞬、これはなんとも寂しい夜景だなあという思いがわいてくる。家々の明かりが少なく、暗いのである。一国の首都の夜景にしては、なんと地味で華やかさに欠けたものだろう。



なんとなく寂しい首都ハノイの夜景




街の明かりがその街の活力を表すとすれば、これは確かにバイタリティに欠けていると言えるのだろうか? しかし、あの通勤時の道路を埋め尽くすバイクの波を思い浮かべると、そんな感じもしない。なんとも意外な思いにひたりながら、ベトナム初夜の夢を結ぶ。



(次ページは「ハロン湾観光」編です。)






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