まだ明けきれない薄暗い時なのに、早くも物売りがやってくる。砂漠に住んでいる遊牧民のベルベル人の人たちだ。“砂漠のバラ”や手作りの品を持って買ってくれと迫ってくる。彼らも観光客が来るのをちゃんと知っているのだ。今朝は我々一行だけで、他に観光客の姿は見えない。商売になるのだろうか?
ベルベル人の物売りがやってきた
サンライズ
いま、ようやく東の空が曙光に輝き始め、サハラの夜明けを迎えようとしている。この感動的な風景を逃さないようにまずカメラに収める。晴れ上がった空にわずかにたなびく雲が美しいオレンジ色のグラデーションを見せている。サンライズの場所はここだよと言わんばかりに、その上に傘のように広がる雲が赤く染まり始めている。息を殺してじっと見つめる。この瞬間を見るために、はるばるとこの地までやって来たのだ。
上空の雲が赤く染まり始める
日の出の瞬間
上空の雲が一段と赤く染まったかと思うと、やがて地平線の一点が赤く破れて朝日が恥ずかしそうに顔をのぞかせる。次の瞬間、コロナのような傘を広げながら思い切ったようにぐんぐんと姿を現す。シャイな太陽なのか、コロナに包まれながら地平線を離れて昇って行く。何万年と繰り返されてきたこの日の出のドラマは、どれほど多くの人々を感動させ、崇高な気持ちにさせたことだろう。しかし、このドラマも地平線を離れると同時に終わりを告げることになる。
太陽の上にコロナみたいな傘が広がる
太陽が姿を現した瞬間
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