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旅のコース





12.世界遺産・スース旧市街観光

チュニジア5日目。6時に起きて窓外を眺めると、なんとそこには夜明けの素晴らしいシーンが広がっている。暗闇の中にオレンジ色のグラデーションが水平線の彼方を染め始めている。この部屋はオーシアン・ビューだったのだ! ツアーの旅でこんな待遇を受けるとは意外である。デラックスな部屋に海まで望める部屋とあっては、その幸運に感謝するしかない。



 ホテルの窓から見た夜明けのシーン。オレンジ色のグラデーションがなんとも素敵。




気をよくして備え付けのホテル案内を見ると、かなり広い敷地を持つこのホテルはビーチのすぐ側に位置していることが判明。よし、朝食の後に散策してみよう。そう心に決めると食堂に出向き、そそくさとバイキング料理で朝食を終える。


素敵なビーチ
その後、すぐに玄関へ出て海岸の方向を目指して敷地内を歩いて行く。ところが、どの道をたどればいいのか分からず、門衛に尋ねて方向を定める。だが倉庫みたいな建物の横に出てしまい、果たして正しい道なのか不安になりながら、とにかく進んで行くと、行く手にビーチハウスらしき建物が目に留まる。この方向で間違いなかったのだ。


ずんずん進んで行くと、しゃれたプールが見えてくる。プールでも泳げるようになっているのだ。感心しながらハウスの前に来ると、その横手からビーチに抜けられるようになっている。そこを通り抜けると、目の前にぱっと素敵なビーチが開けてくる。早朝だけに誰一人として人影は見えない。ただヤシの葉っぱで作られた趣のある日よけパラソルが並んで、ビーチの雰囲気を醸し出している。ここはホテルのプライベートビーチなのだ。


しゃれたプールがひっそりと・・・


素敵なホテルのプライベートビーチ

めり込む砂を踏み分けながら渚に近づくと、朝ぼらけの静かな海の風景が広がっている。何という素晴らしいシーンだろう。この地中海の美しい夜明けの景色を独り占めしていいのだろうか? とてももったない気持ちがしてならない。だが、誰もいないとなればこの大自然の素敵な贈り物を分かち合うことはできない。遠慮なしに、ここは独占しよう。


しばらくたたずんでいると、水平線の一角から朝日が昇り始める。初めて見る地中海のサンライズなのだ。波静かな海面と空を赤く染めながら陽は静かに昇り始める。なんと美しいシーンだ。2日前にはトズールでサハラ砂漠のサンライズを見たばかりだが、今朝は水平線から昇る朝日を見ている。どちらのサンライズも素敵だが、海面が赤く映える水平線上のサンライズはまた一段と美しいものである。独り感動しながら、昇り行く朝日にじっと見入る。



 夜明けのビーチ。朝日がまさに顔を出そうとしている。右端には釣り人の姿が・・・。








 地中海の静かなサンライズ


















 太陽が昇るにつれ、辺りが明るくなる。


















 太陽は昇り、海面に光の線を走らせる。




渚の遠くに目をやると、釣り人の姿が目に留まる。おや、と思いながら釣り人目指して歩いて行く。私も昔は釣りを楽しんだだけに、いったいどんな魚が釣れるのか興味津々である。朝まずめ(日の出前後の時間のことで、魚がいちばん釣れる。)の時間帯を狙っての魚釣りである。挨拶を交わしてバケツをのぞくと、まだ1匹の釣果もない。エサは虫餌でいずこも同じである。しばらく付き合っていたが、釣竿の当たりもなさそうなので、きびすを返してホテルへ戻る。


瀟洒なスースのホテル(宿泊ホテル)

スース旧市街(メディナ)観光
8時過ぎにホテルを出発し、中心部の港近くに7世紀に造られた「旧市街(メディナ)」(世界遺産登録)へ向かう。ここは南北700m、東西500mほどの範囲にあり、周囲は高さ8mの城壁で囲まれている。その北寄りの位置に9世紀に建造された「グラン・モスク」があり、その近くに旧市街最古の8世紀末に建造された要塞「リバト」がある。


城壁で囲まれた旧市街に入ると、庶民の胃袋である市場を見学。そこには新鮮な大型の魚や小魚が並び、豊富な果物・野菜なども並んでお客を待っている。また、名前は分からないが食用の小鳥が籠に入れて売ってある。しかし今日は、たまたま日曜なので客足の出は悪く、活況とはいえない状況である。都市部の住民は勤め人が多く、1週間分を買いだめして行くそうだ。


大型魚の荷卸し中


珍しい野菜


野菜や果物が並ぶ


大小の魚が並ぶ


小鳥も売られている

市場を通り過ぎて行くと、通りの辻に肉屋があり、その店の軒には切り落とされた牛の生首がドカ〜ンとぶら下がっていて、その迫力に圧倒されてしまう。看板としてはなんとも目立つやり方ではあるが、見慣れぬ者にとってはあまりにも生々しい光景である。所変われば品変わるである。


牛の生首はいりませんか?

城壁沿いに奥の方へ進んで行くと前方に要塞リバトの塔(高さ38m)がそびえるのが見える。このすぐ近くにアグラブ朝時代の9世紀に建造されたグラン・モスクがある。門をくぐって内部へ入ると、規模は小さいがアーチの回廊に囲まれた端正な正方形の中庭が青空の下に広がっている。チュニジアに来て以来、目に入るシーンのことごとくは、このような真っ青な青空が背景になっている。実にラッキーな旅である。


右側はメディナの城壁


要塞リバトの塔(高さ38m)


グラン・モスクの中庭


向こうに見えるのはメディナの城壁

ハーバーへ
メディナを歩き出ると、通りの様相は一変して近代的な建物が建ち並んでいる。そこを通り抜けてバスへ戻ると、次のポイント、ハーバーへ向かう。海岸近くで下車し、リゾートらしいしゃれた建物が並ぶ通りを海へ向かうとヨット・ハーバーに出る。そこの船だまりには多くの豪華ヨットが静かに休んでおり、いかにも有名リゾート地だという雰囲気を醸し出している。


ハーバーへの案内板


静かにヨットが眠る

横手から海浜に出ると、眼前には見事なビーチが広がっている。早朝にホテル前から眺めたビーチによく似ているのだが、ここはそこから少々離れた場所なのだ。ということは、このスース沿岸部には、こんな素敵なビーチが随所に広がっているということで、国内第一の高級リゾート地の条件を備えていると言えるのだろう。



ここにも素敵なビーチが・・・



(次ページへつづく・・・)










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