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                No.7
                           (シルクロード)



6.シャフリサブス > サマルカンド・・・・ チム−ルの生まれ故郷・廃
                         虚の遺跡・草原の馬
  

六日目。今日は中央アジアの覇者チム−ルの生まれ故郷であるシャフリサブスを経由して、第二の都市サマルカンドへ移動する日である。朝六時に起きて、ゆっくりと朝のひとときを過ごす。八時の朝食はビュッフェで、ミ−トボ−ル、目玉焼き、羊ハム、ナン、ヨ−グルト、コ−ヒ−、リンゴを選んでお腹を満たす。なかなか結構な朝食である。
 

シャフリサブスへ
九時にホテル出発。二八〇kmの道程をシャフリサブスへ向かって走り出す。添乗さんの話によると、今日のコ−スは一昨日の砂漠と違って田園風景や山並みが見られるとのことである。郊外の道路脇には、雪が降ったように真っ白になっている地面があちこちに広がっている。これは土地の塩分が浮き出しているのだという。






雪が積もったように地面に吹き出た塩









こんな土地柄で耕作をするには、まず灌漑用水で土地を洗い流す必要があるという。なんという厳しい農業環境であろう。それにもめげず、この国の人たちは農業に汗を流しているのである。やがて郊外を抜け、しばらく走ると、緑の作物で覆われた田園地帯が現れる。車窓から眺める緑の風景は、やはり目と心を優しく癒してくれ、なにかホッとするものがある。その上、今日は珍しく曇りときているので、車内も随分と楽である。
 





緑の農地が広がる











シャフリサブスのホテルで昼食
出発から四時間半、ようやく遠くに雪を頂く高い山並みが見え始め、シャフリサブスへ着いたことを知らせる。当地の素朴なホテルに着いたのは、午後一時半のことである。ここでやゝ遅い昼食を取る。料理はポテトと肉、ス−プ、ナン、サラダ、ケ−キ、ライスとなかなかご馳走である。


食事を終え、ロビ−のソファで一服しながら隣の地元女性に「サラマレイコン(こんにちは)」と挨拶を交わすと、例の金歯をキラキラ輝かせてにこにこしながら、私のカメラを指差し撮影を所望する。向かいに座っている友人たちも一緒にというので、ホテルの外に連れ出し、三人の女性たちと記念のスナップを撮る。
 





ホテル前で女性たちと










地名のシャフリサブスは、ペルシャ語で「緑の町」という意味。チム−ル時代の十四、十五世紀に最盛期を迎え、かってはサマルカンドと栄華を競い合った町だが、今ではすっかり落ちぶれて廃虚となった遺跡がただひっそりとたたずむに過ぎない。
 

アク・サライ宮殿の遺跡
そんなひなびた町なので、観光ポイントもあまりなさそうだ。当地の女性ガイドに案内されて、ホテルのすぐ横に建つアク・サライ宮殿の遺跡を見物する。十四世紀末、チム−ルによって各地の職人が呼ばれ、二十五年の歳月をかけて造られた壮大な宮殿だったそうだが、現在は崩れ落ちたア−チを残すだけとなっている。
 





アク・サライ宮殿の残骸
その手前にチムールの立像が








その後は、ハズラト・イマム・モスクやチム−ルの長男と次男が眠るジャハンギ−ル廟、ブル−のド−ムを持つコク・グンバズ・モスクなどを見学する。
 





コク・グンバズ・モスク












サマルカンドへ
四時ごろに観光を終え、いよいよ最後の訪問地サマルカンドへと向かう。ここから一六〇kmの距離、右手にそびえるゼラフシャン山脈を遠くに見ながら、バスは田園地帯をひた走る。到着は遅くなりそうだ。


美しい草原
どこまでも広がる農地の中を一筋の道路が伸びる。結構、背の高い樹木も生い茂っている。バスはスピ−ドを上げながらひた走る。その途中、バスは美しい緑の草原を横切る。まるでヨ−ロッパに来たような錯覚を覚える。そこでバスストップ、しばしの休憩を楽しむ。みんな背伸びをしたり、物陰でトイレをしたりと休息に忙しい。この見事に広がる草原を深呼吸しながら見渡していると、たまたま前方に牧童の乗った馬二頭が視野に飛び込む。こののどかな光景に思わず引き込まれ、それを背景にスナップを一枚。      






ヨーロッパのムード漂う美しい草原
遠くに2頭の馬が・・・








再びバスは草原の中を走り抜け、流れる窓外の景色にぼんやりと目を見やる。間もなく目的地サマルカンドだ。田園地帯の遠く向こうに、サマルカンドの町がかすんで見える。やっとホテルにたどり着いたのは、午後六時四十分である。
 

ホテル到着
なかなかデラックスなホテルである。割り当てられた部屋はシングルベッド、部屋は広々としてゴ−ジャス。早速、シャワ−を浴びて汗を流す。一階の食堂へ行くと、そこは広々としていい雰囲気だ。テ−ブルについて夕食に入る。ブハラのホテルでお湯が断水したのだが、そのお詫びにとホテル側からもらったシャンパンで乾杯しながら食事に入る。さらにビ−ルを追加注文して喉を潤しながら、肉ボ−ル、ポテトサラダ、野菜サラダ、ケ−キ、ナンの料理を賞味する。夕食にス−プが付かないのは、ほんとに物足りないかぎりである。それにしても、ここのビ−ルは前のホテルよりもさらに五〇スムも高い。大きな都市になるほど物価も高いというわけか。とにかく、夕食に満足しながら部屋に戻り、サマルカンドに夢を結ぶ。



(次ページは「サマルカンド編」です。)








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