公園に入ると、森に囲まれた広大な敷地が広がり、その中では多くの人たちがグループに分かれて太極拳、社交ダンスなどと、さまざまに楽しんでいる。趣味仲間がどこからともなくこの公園に集まって、それぞれ思い思いに楽しんでいるのだ。見るところ、ダンスのグループが多いようだ。
魯迅公園の片隅でダンスに興じるグループ
こちらでは太極拳
こちらではダンスに興じる大集団
人々の様子を見ながら奥へ進んで行くと、路傍に扇子売りのおじさんが座っている。広げて見せる扇子には、達筆の小文字で漢詩をびっしりと書き込んでいる。記念の品には面白いかなと思いながらも見過ごすことにする。
扇子売りのおじさん
さらに奥へ進んで行くと、数人の老人が路面に何やら文字を書いている。なんと筆を水に濡らして路面に水書きしているのだ。なるほど、これなら路面も汚さないし、すぐに乾くので何度でも書ける。中国の人たちの知恵は素晴らしい。さすがに筆字の本場らしく、見事な達筆で書き上げる。そのお手並みには恐れ入るばかりだ。
路面に水の筆で達筆を揮う
見事な達筆の跡が路面に残る
その向こうに、今度はさらにすごい路面書家がいる。ビンに水を入れ、その口に丸くカットしたスポンジを取り付けて筆代わりにして文字を書く。それも普通に書くのではなく、逆さまに書いたり、反対文字を書いたり、果ては両手2本のビン筆で左右対称の反対文字を流れるように書いて行く。これには舌を巻くばかり。そして、われわれが日本人と分かるや、“中日人民友好萬歳”と書いてみせる。文字を書きながら国際友好を図る意図が、なんとも心温まる思いである。