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            NO.17




10.ロンドン... 足の痙攣、あわてふためいたミュ−ジカル・ショウ
 
ロンドンへ空路移動
五時半起床。九時十五分発のイベリア航空ロンドン行きに搭乗する。乗客は少なく機内は空いており、三人席に一人で座る。機内食が出て二度目の朝食となる。海を渡りながら、新しく完成したばかりのユ−ロトンネルを通ってみたいなあと思うが時間がない。老スチュワードが私に日本語で話すので聞いてみると、大学で少し勉強したのだという。私一人のために、最後の案内アナウンスを日本語でサービスしてくれる。五十七歳という彼に感謝しながら、これからも元気に仕事を続けてください、といって握手しながら別れる。
 

約二時間でロンドン・ヒ−スロ−空港に到着。マドリッドは晴だったのに、やはりここはどんよりと雲が垂れ込んで時折小雨が降っている。まずワゴン車を見つけてバッグを載せなくては、広い空港内を移動するだけで疲れ果ててしまう。長い距離を押してやっと入国審査に行くと、ここはなかなかうるさい。「何日滞在するのか。」「どこから来たのか。」「次はどこへ行くのか。」「目的は何か。」と聞かれたあげく、「帰りの航空券を見せよ。」というので差し出すと、そこでやっと放免される。アテネ、ローマの空港ではフリーパス同然で一言も話すことはなかったのに、ここはなんとうるさいことよ。
 

早速、空港内でマネーチェンジをすませ、次のアムステルダム行きの航空券手配に走る。広いのであちこちたずね回りながら、やっとト−マスクック社を見つけ購入する。片道七九ポンド=一二、四〇〇円である。オランダへの足を確保したところで、今度はホテルの手配である。マドリッドではホテル探しに振り回されて疲れ果てたので、ここでは空港の案内所で予約することにする。やっとたずね当て「地下鉄ピカデリー線沿線で、ダウンタウンに近く、駅から数分以内の二つ星または三つ星クラスのホテル。料金は一泊五〇ポンド=七、八〇〇円以下でお願いします。」と女性の係員に申し出ると、OKと簡単に引き受けてパソコンと相談、すぐにラッセル・スクェア駅近くのホテルを紹介してくれる。朝食付きで一泊四七ポンド=七、四〇〇円である。

空港出発に便利なようにピカデリ−沿線に宿をとったのだが、これは正解で、ホテルも地下鉄駅のすぐ近くにあって便利である。ホテルはデラックスで、壁に設置されたズボンプレッサーや紅茶も沸かして飲めるように備えてある。部屋に着くなり、立て続けに二杯もティーをいただく。一服して、明日の一日市内観光、次の日のミュージカルショウ「ミス・サイゴン」、その翌日のオックスフォ−ド・ストラットフォード一日観光、の予約を入れる。夕食は近くのレストランで、ミートボ−ルの入ったイタリアンマカロニとビールで満腹。帰りに露店でバナナ三本とオレンジ二個を、食品店で牛乳一パックを仕入れる。洗濯をすませ、明日に備えて早目に就寝。
 

第二日目。曇り空ながら部分的に青空がのぞいている。ロンドンでは、これだと上天気なのだろう。朝食は豪華版で、イングリッシュとコンティネンタルの二つのパートに分かれたバイキング方式である。私はコンティネンタルスタイルのほうを選んで、ここぞとばかりたっぷりと食事する。隣席の婦人はニュ−ジ−ランドから来ていて、次の日曜日に帰国するそうだ。
 

ロンドン市内観光
八時十五分、予約した市内一日観光(昼食付き)に出発。(費用四九・五〇ポンド=七、八〇〇円) 各代国王がここで載冠し、その王座が据えてあるウェストミンスター寺院、赤と黒のカラフルな服装に身を固めた衛兵の交替式があるバッキンガム宮殿、スリーコースのランチを楽しみなら優美なビッグ・ベンやタワーブリッジが眺められる素敵なテムズ河クルーズ、チャールズ皇太子とダイアナ妃のロイヤル・ウェディングが行われたセント・ポール大聖堂、セェイクスピアの悲劇にもよく出る血なまぐさい歴史を秘めたロンドン塔など、盛り沢山のコースを巡る。





バッキンガム宮殿の衛兵交 替がここから出発。宮殿から かなり離れている。














宮殿に向けて行進が始ま る。















この長い道程を行進する。















 宮殿前の行進















バッキンガム宮殿に入るとこ ろ。
建物はバッキンガム宮殿。














バッキンガム宮殿・カラフル な服装の衛兵の交替式














テムズ川からビッグベンを望 む。
 














テームズ河クルーズ船上よ りロンドン塔を望む。










観光で困ることが一つある。それは人垣ができたら後から何も見えないことだ。背の高い外国人が人垣をつくると、身長百六十センチの私には高い壁ができたみたいで、爪先だってもなかなか見えないのである。だから、うまく真ん前に出るしかない。衛兵交替式などは早目に行く必要がある。   


「グル−プの中に日本の方はいませんか?」と若い女性が日本語で声をかけるので名乗り出ると、彼女は観光会社の職員だという。彼女はニュージ−ランド人で、二年間日本の茨木で英会話学校の教師をしていたそうだ。最近結婚し、夫と一緒にロンドンへ来て働いているという。この観光会社の受付の仕事に昨日就職したばかりで、今日は実習のため観光バスに乗ったのだという。このグループに日本人が一人乗っていることを知っていたので、声をかけてみたという。英語と日本語の両刀で話しながら一緒にランチを食べたり、いろいろ語り合ったりと楽しい一日を過ごす。また、日本は大好きだ、多くの日本企業がわが国にも来ている、というイラン人夫妻とも知り合いになる。 


ロンドンはよく清掃されていてゴミもなく、クリーンで美しい町だ。そして、ビルも石造り、レンガ造りが多く、整然と並んで伝統と品格を保つ落ち着いた雰囲気のある町である。また、いたるところに大小さまざまの美しい公園があって、それらが町に潤いを与えている。道行く人たちもどこか上品で、うさんくさい輩も見当たらず、なんとなく安心して歩ける町といった感じである。その上、どこに行っても英語が通じるという安心感があって、なんだか母国に帰ったような気持ちになる。夕食はホテル近くにサラダ、パスタ、ピザ食べ放題のビュッフェを見つけ、ビールを付けて三・二五ポンド=五一〇円で満腹となる。






ロンドン市内には多くの公園 があり、そのどれもが美し い。












(次ページは「大英博物館・ミュージカル観賞編」です。)











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