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             NO.14




バルセロナ・・・ 天才ガウディの聖家族教会

バルセロナへ 
列車は眠っている間にニ−ス>カンヌ>マルセイユ>セルブ−ルとコ−ト・ダジュ−ルの海岸沿いをひた走り、早朝六時前スペインの国境駅Port Bouに到着、ここでバルセロナ行きに乗り換えである。パスポ−トの検閲所があり、ここはフリ−パスだ。発車まで一時間少々の待ち合わせなので、待合室でパンとコ−ヒを彼にご馳走しながら一緒に早い朝食をとる。外は風が強く、曇っていて寒い朝である。ここでも列車の予約が必要とのことで、同じスペイン語で話せる彼にまかせる。予約料五〇〇ペセタ=三八〇円と安い。
 

ここからバルセロナまで、約二時間の列車の旅である。オ−プンスタイルの一等車に彼と同乗しながら、終始車内テレビを見て過ごす。時々、大笑いしながら見ている彼の横で、内容がつかめないもどかしさがつのるばかりだ。九時過ぎ、バルセロナ・フランサ駅に到着。ユ−スホステルに一泊するという彼と別れて、これからホテル探しである。Port Bouの駅では曇っていたが、ここでは晴れ上がっていてスペインの青い空がのぞいている。
 

ホテル探し
案内所で地図とホテル案内をもらい駅前に出る。バス停に若いキュ−トガ−ルがいるので、覚えたてのスペイン語を使ってみたくなり、「オイガ セニョリ−タ! ドンデ エスタ エル オテル?(あのォ、ちょっとすみません。このホテルはどこでしょうか。)」と、地図を示しながらたずねてみる。彼女は親切に応対しながら、あそこです、と指し示しながら駅前のホテルを教えてくれる。いろいろ話したいが、それ以上言葉が出て来ないので、「グラシアス セニョリ−タ(ありがとう。)」といって別れる。


駅前の便利なホテルで、シャワ−・トイレ付きで八、四〇〇ペセタ=六、四〇〇円、なかなか立派な部屋である。バルセロナは今日一日だけしか予定していないので、急がなくてはいけない。オリンピックで名を知らなかったら、恐らく立ち寄らない街であっただろう。
 

聖家族教会
早速シャワ−を浴びて夜行列車のアカを落し、洗濯をすませて外出する。まず駅へ行って明日のマドリッド行きの予約をとる。スペインの長距離列車はすべて予約が必要とのことで、前と同じ五〇〇ペセタを払って予約する。ここはひなたと日陰の温度差が著しく、日陰になると寒いので、この旅行中初めて上着を着用する。ケンタッキ−・フライドチキンを見つけたので、チキン二切れに焼き飯風のライスとミネラル水で早目の昼食をとり、唯一お目当ての聖家族教会へメトロ(地下鉄)に乗って出向く。
 






  ガウディの名作・聖家族教会




















これが完成時には170mの 高さになる。









完成は二百年後といわれている“サグラダ・ファミリア聖堂”(聖家族教会)は、一八八二年に建設が始められたアントニオ・ガウディのライフワ−クである。バルセロナの天空を刺す奇抜な尖塔が並ぶ見上げるような教会の建物は超有名である。中に入ると完成予定図が掲げられているが、それによると最終的には百七十メ−トルの高さになるらしい。建物の内側は工事現場になっており、現在でも長いクレ−ンが動いてボツボツ建設が進んでいるのには驚かされる。


高い塔のてっぺんまで上ってみたいが、あいにくエレベ−タ−が休憩時で動かず、歩いて上るには疲れているのであきらめることにする。この途方もない建物を見上げてばかりいると首が疲れる。写真を撮ろうにも高いので、なかなか全体像がカメラのアングルにおさまらない。地下礼拝堂があるらしいが、中には入れてもらえないので外からしか拝めず、どんな教会なのか見当がつかない。

市内散策
ここからメインストリ−トのランプラス通りへ出て、海岸の“平和の広場”までぶらりぶらりとウインドウショッピングを楽しみながら散策する。この広場には、コロンブスの像が立つ“コロンブスの塔”がそびえている。港には港湾施設などがあって殺風景。ここではバルセロナが生んだ十九世紀の天才建築家アントニオ・ガウディの作品である聖家族教会にふれるだけで十分である。そう思いながら地下鉄で帰途につく。


 平和の広場に建つコロンブスの像               バルセロナ市内に建つ像


ロ−マのメトロ(地下鉄)やバルセロナのそれも、腰掛けはみんなプラスチック製なのでお尻が痛い。おまけに吊革もなく、代わりに背伸びしないととどかないバ−の握り手があるだけだ。夕食は駅のカフェテリアですませ、帰りに朝食用のド−ナツ、リンゴ、オレンジ、牛乳を買い込む。思いのほか疲れたので夜の外出予定は取り止めにし、ホテルで静養する。ル−ムには強い西日が当たってとても暑く、夜になっても冷えないので裸のままで眠りにつく。


(次ページは「マドリッド編」です。)










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