≪背景写真はウユニ塩湖のサンセット風景≫





     N0.7
(ブラジル&ボリビア)





10.道路封鎖&予定変更でラ・パスへ
南米の旅8日目。今朝は5時起き。起床後、心なしか少し頭が重い。恐らく高山病のせいなのだろう。


本日の予定は世界遺産の街ポトシ経由で、いよいよい待望のウユニ塩湖へ移動する。私にとっては、今度の旅の最大の目的地である。期待に胸がふくらむ。今朝は7時出発とのことで、朝食は6時に済ませる。


国内出発前、外務省の危険情報を時々チェックしていたが、それによるとボリビア国内では住民の抗議デモによる道路封鎖が頻繁に行われているとのこと。そのため、できるだけ空路を利用するようにとの勧告が出されている。果たしてどうなのだろう? 


血中酸素濃度の測定
出発に際し、一行全員が集まったところで、血中酸素濃度の測定が始まる。なんと、添乗さんが濃度測定器を持参していたのだ。当地スクレは標高2750mで高山病が発症する高地である。血中酸素が不足すると、重篤な高山病になったりするので、その事前チェックをするためである。だが、これまでクスコ、チチカカ湖など3000m級の高地で高山病を発症した経験があるが、その時でさえ測定器はなかっただけに、測定器が出された時は、その準備のよさに驚く始末。


洗濯ハサミより大きい測定器だが、これを指に挟んで測定する。他のみんなは一定基準を満たして問題なしだが、私の測定になると酸素量が基準に達せず、深呼吸を数回させられ、辛うじて通過となる。高山病の自覚症状はないのだが・・・。


酸素濃度測定器


道路封鎖
測定も終わり出発準備OKとなったところで、困った情報が飛び込む。なんとポトシへの道路が住民のデモにより封鎖されたというのだ。前述のように、封鎖のことは事前に承知はしていたが、まさかそれに巻き込まれるとは、なんと不運なことよ! 


しかし間もなく、迂回路があるので、それを利用しようということになり、取りあえず出発となる。あゝ、助かった!と胸を撫で下ろし、ほっとする。約1時間ほど走った所でスクレ橋のたもとで休憩となる。前には広い川があり、それを横切るように吊り橋がかかっている。そして、岸辺には紫色の花が咲き誇るジャカランダの木が1本誇らしげに立っている。


休憩場所で止まった我らがバス


美しいジャカランダの花



(動画)スクレ橋の風景

この素敵な風景に見とれながら休憩を楽しんでいると、がっかりする知らせが飛び込んでくる。なんと、迂回路も道路封鎖されて通行できないという。なんとまあ〜・・・。残念で地団太踏みたい思いだが、これだけは泣いても騒いでも如何ともし難いこと。やむなくホテルへ舞い戻る羽目に・・・。これでポトシ観光は断念せざるを得ない。う〜ん!!


それだけで済めばいいが、問題は最大目的のウユニ塩湖の観光だ。これが飛んでしまえば、はるばるやって来た今回の旅行の意味がすべてなくなる。いったい、どうなる?


昼食&空路ラ・パスへ
一行は意気消沈してホテルへUターンする。その間に、旅行社サイドではルート変更と手配で大奔走となる。そのルートは空路でラ・パスへ飛び、そこからウユニ塩湖へ空路で移動するという行程である。ところが国内便の小型飛行機だけに、17名分の座席の確保が至難の技なのだ。旅行社の尽力の結果、なんとか座席の確保が決定。そこで空路ラ・パスへ移動となる。めでたし、めでたし・・・。


その前にまずは昼食だ。レストランへ移動して昼食。料理はサラダ、マスなど。パイチェ、エビのガーリックソース、牛肉のフィレ、豚肉のチリソースなどの中から各自の好みのものを注文できるが、私は少々肉に飽いたのでマスを選ぶ。


レストランの中庭で食事


レストランの壁にはブーゲンビリアの花が・・・


ラ・パス到着
食後はホテルへ戻り、小休止の後、空港へ移動し、16時15分発の飛行機でラ・パスへ向かう。1時間超の飛行でラ・パスのエル・アルト国際空港へ到着。さすがに空気がひやっとする。ここは4082mの高地なので、ゆっくり歩くようにとの注意が飛ぶ。


(動画)スクレ空港


(動画)冠雪したアンデスの山並み


(動画)ラ・パスの空港へ到着



大きな地図で見る
ボリビアとラパスの位置


ラ・パスのこと
ラ・パスの空港は標高4071mの位置にあり、世界一高い。また市街地は3650mの高地にある。人口90万足らずの街で、標高が高いため高山病を発症する。


正式名は「ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・パス」で、通称ラ・パスとなっている。憲法上の首都はスクレであるが、ラパスは行政・立法府のある事実上の首都である。


中心街は、すり鉢状の地形を持つ。その高さから雲の上の町と呼ばれ、すり鉢の底の部分に高所得者が、縁の部分に低所得者が住んでいる。山岳地域からの雪解け水や地下に水脈があるため、水に不自由することはないが、下水道などのインフラ整備が遅れているため衛生的とはいえない。


空気が希薄なために、吸っていないタバコの火が消える、ビールやコーラが激しく泡立つ、袋菓子、シャンプーなどが膨れあがったり破裂するなど、高地特有の様々な現象が起きる。


ホテルへ
日本語ぺらぺらの現地女性ガイドの出迎えを受け、早速、専用バスにてホテルへ移動する。どこで日本語を覚えたのか尋ねると、子供時代に日本人のコロニーがあり、そこに住んでいた時に日本語を覚えたという。日本にも多数の知人がいるそうだ。


空港より30分足らずで到着した宿泊ホテルは、ラ・パスのいわゆるすり鉢の底に当たる中心街に位置するデラックスホテルである。もちろん、インターネットブースもあり、4台のパソコンが備えてある。さすがである。


チェックインした部屋は高い階数で、そこから眺めるすり鉢の斜面に広がる市街地の様子は壮観である。珍しい地形で、これでは市街の移動には不便がありそうだが、多数の小型の乗り合いバスが縦横無尽に走っているようなので、さほどの不便はないのかもしれない。


(動画)ラ・パスのホテルの窓から市街を眺める


夕食は展望レストランで
午後7時過ぎ、ホテルの最上階にある展望レストランで夕食が始まる。そこは豪華なホールで、まるで豪華クルーザーに乗っている感じである。周囲は大きな窓になっており、斜面に広がるラ・パスの街の夜景が眺望できる。なんとも素敵な食堂である。


(動画)ホテルの展望レストラン


料理はサラダ、アスパラガスのクリームスープ、メインはマス、鶏肉、牛肉、スパゲッティから好みを選択。私はビーフを選ぶ。デザートはケーキ、フルーツポンチ。それにコーヒー、紅茶と盛りだくさんのご馳走である。ここが4000m近い高地であることを忘れさせてしまう豪華なディナーである。


超満腹のお腹をさすりながら部屋へ戻り、素敵な夜景に見とれながら床に就いたのは11時である。


(次ページは「ラ・パス観光&ウユニ塩湖」編です。)












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