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   no.4
(ブラジル・アルゼンチン・ペルー)



(ブラジル編)



水上レストランで昼食
ちょうど昼時となり、水上レストランで昼食が始まる。アマゾン河のほとりに広がるジャングルの側とあって、このレストランはトロピカルム−ドにあふれている。蒸し暑いながらも、日陰は涼しくて意外と過ごしやすい。熱帯の雰囲気を満喫しながら昼食に熱中する。メニュ−は、スパゲッティ、ポテト、肉、例のパラパラしたライス、サラダなどで盛りだくさん。久々のスパゲッティとあって、これとポテトをメインにして腹八分目にいただく。食べ過ぎないことが肝要なのだ。みんなの人気もスパゲッティに集まっている。
 





水上レストランの昼食











食後の一服は、隣の土産品店で時を過ごす。ここにはアマゾンの地元らしい様々な民芸品が売られている。ピラニアの剥製も売っている。ガイドさんの話によると、日が経つとボロボロになって腐れるから買わないほうがよいとのこと。完全な防腐処理が施されていないらしい。この剥製は、ブラジルの土産品店ではどこでも売っており、よい記念のみやげになるのだが残念である。ここでは、インディアンが使うような、はでな胸飾り風のネックレスを3ドルで購入する。






いろいろな民芸品が並ぶみやげ品店











ピラニア釣り

さあ、次は本日のメインであるピラニア釣りの時間である。楽しみに待っていただけに、胸がわくわくする。海釣りが趣味なので、釣りには多少の自信がある。さて、どういう結果になるのか楽しみだ。
 

船頭さんが人数分の釣り竿を用意すると、いざ出発である。ここから釣り用の小船2艚に分乗して釣り場へ向かう。船外機のエンジンを付けた小船は、ジャングルが迫る狭い水路をエンジンの音を響かせながら軽快に走って行く。



 狭い川をさかのぼる




両側のジャングルの中から、聞き慣れない珍しい鳥たちの声が賑やかに聞こえてくる。でも、エンジンの音がそれを掻き消して、よく聞き取れない。しばしの間エンジンを止めて、静かに聞かせてほしいのだが、そんな気持ちも察せられずに船はどんどん進んで行く。途中の川岸が開けたかと思うと、牛や馬、それに羊を放牧している風景に出くわす。どこからやって来るのか、よくジャングルの奥地で放牧をしているものだ。船で牛馬を運んでくるのだろうか?

 




アマゾンの水路を抜けて行く














牛・馬・羊などを放牧している。










30分ほど走って水路を抜けると、広大なアマゾン河に出る。船はその開けた川岸に船尾を着けて止まり、いよいよピラニア釣りの開始である。






これが釣り船
ともを岸に着け、こんな状態で釣る








それぞれに釣り竿をもらい、エサを付けて水中に投入する。釣り竿の長さは2mほど、細い竹の先に釣り糸と針をくくりつけただけの簡単なもので、特別の仕掛けはない。エサは鶏肉や牛肉を1cm角の小さな切り身にしたもので、これを針に付けて釣るのである。
 

ガイドさんの釣り方を見ていると、糸を垂れてから釣り竿の先を水につけ、バシャバシャバシャと水面を叩くように掻き混ぜている。これでは魚は逃げ出すのではないかと思われるのだが、アマゾンのピラニアはそこが違うのだ。逆に、獲物が来たと思って集まって来るそうだ。こちらも猿真似をしながら釣り糸を垂らし、水面を掻き混ぜて当たりを待つ。岸辺なので深さは2mぐらい。しばらくしても、何の手応えもない。そのうち、ガイドさんが早くもピラニア1匹を釣り上げる。船中に歓声がわきあがる。
 

こちらにもコツコツと当たりがある。急いで引き上げるが手応えなし。ガイドさんの話によると、最初の当たりはやり過ごして、次の当たりで引き合わせるのがコツだという。2回目にかぶり付くのだそうだ。間もなく仲間の一人が釣り上げる。その様子を見ている間に、こちらの竿にも当たりがある。すわっとばかりに、ぐっと引き上げる。今度はかかった! 引きはそんなに強くはない。ピチピチ跳ねるピラニアを針が外れないように慎重にたぐり寄せる。体長は20cm足らず、その幅は10cm足らずで、腹の部分が赤っぽいオレンジ色をしている。早速、記念写真だ! それがこの写真である。

 




これが釣り上げたピラニア










魚が縦向きに写っているので、魚形がよくわからない。形はカワハギに似た感じである。口を広げると、鋭い歯がぎっしりと並んでいる。危ないから、船頭さんに針を取ってもらうことにする。このピラニアは、それほどどう猛ではなく、食いつかないという。どう猛なピラニアは、上流の小さな支流にいるそうだ。
 

その後、当たりは時々あるが、なかなか釣れない。エサを入れると、一斉に寄ってたかって来て、入れ食い状態になるのかと想像していたのだが、意外にも当たりが少ないのだ。この種のピラニアは、あまり群れないのかもしれない。さすがは船頭さん、われわれが釣りあぐねている間に、結構な頻度で釣り上げている。船頭さんとの距離は、わずか2〜3mほどなのに、どうして彼のところばかり釣れるのだろうと、うらやましがっていると、こちらにも当たりがある。意気込んで水面上に引き上げた途端、ぽちゃりと外れて逃がしてしまう。ああ、残念!
 

こうして1時間半の釣りを楽しみ、終わりとなる。今日の釣果は2匹、途中で外れて逃したもの2匹である。意外と釣れないものだ。1匹も釣れない仲間もいる。われわれの乗船仲間では、多いほうで2匹が最高といった状況である。とにかく、ピラニアの当たりと引きの感触は、これで経験できたわけである。これで、よしとしよう。釣り上げたピラニアはホテルに持ち帰り、そこで調理して今夕の食卓に上るはずである。
 

ジャングルの中を・・・
帰路は、往路とは別のコ−スを辿り、一段と狭いジャングルの中を通り抜けながら走る。鬱蒼とした熱帯雨林のジャングルが両岸から迫ってくる。まるでジャングル探検でもしているかのような気分になる。密林には、大小様々の樹木が生い茂っており、川岸では水没している木々が多い。アマゾンの密林は、その3分の1が水につかっているそうである。

 




いかにもジャングルの中といった
雰囲気がただよう。








大きな川に出ると、向かいの川岸には緑のジャングルが低くたなびくように、果てしなくどこまでも続いている。大アマゾンの片鱗がうかがえる景観である。この地では緑の悪魔と呼ばれるほど、想像を絶するジャングルが密生しているのだ。それをじっと眺めていると、緑の魔力というものが感じられる。



 向こう岸に低く広がるジャングルの雄大な眺め




桟橋基地
しばらく走ると、船は別の桟橋基地に到着。そこは水上マ−ケットで、同じような民芸品の土産品店や飲食店が営業している。そして、人懐こいモンキ−や大きなアナコンダ、カラフルなインコなどが待ち構えている。それらはみんな、それを抱いて記念写真を撮る有料の動物たちなのである。そこには、すでに欧米人グル−プの先客が大勢が来ていて、子供たちはモンキ−と戯れている。お客の中にはアナコンダを首に巻きつけて記念写真を撮る者など、なかなか賑やかである。ここには冷やしたココナツの実も売っている。グル−プの仲間は、それを割ってもらって中のジュ−スを飲み合っている。
 





モンキーが子供にじゃれている。
















アナコンダを首に巻いて記念撮影。










ホテルへ
ここでひとときを過ごした後、船は元の桟橋基地へ向かって軽快に走っていく。そこで、朝乗ってきたチャ−タ−船に乗り移り、基地を後にする。






これが、われわれのチャーター船










かなり上流へ来ていたのだろうか、帰路はここからホテルまで40分で到着。今日のアマゾン川クル−ズもこれで終わりだ。よく晴れ渡った空の下で、アマゾンジャングルのほんの一端をかいま見ることができた。しかし、熱帯の日差しに当てられて、体も結構疲れている。早く休みたい。
 

4時過ぎ、ホテル前の桟橋に戻り、上陸する。ガイドさんが、「このネグロ川に沈む夕日は美しいですよ。今日は晴れているから、よく見えるでしょう。」と案内する。まだ日は高いので、もう少々時間があるようだ。その間に部屋に戻り、シャワ−でも浴びて一服しよう。
 

どうにか日も傾きかけて来たので、疲れた体に鞭打って河岸へ出かけてみる。ところが、晴れていたはずなのに、水平線上には厚い雲がいつの間にか現れている。これでは水平線に沈むサンセットは拝めそうにない。残念だが、この状態で一枚写真を撮っておくしかない。心残りに思いながら、部屋へ戻って休息をとる。
 





折角のサンセット風景が雲って
残念








今夕食は、ホテルでの食事である。外出しないので、ゆっくりと過ごせてありがたい。時間になったので食堂へ行ってみると、みんなそろってお待ちかねだ。ビュッフェスタイルのディナ−で、自由に好きなものを皿に取って食事する。もちろん、「セルベ−ジャ ポルファボ−ル」と告げてビ−ルを注文する。今日は、終日アマゾンの風と日差しに当たって喉はカラカラなのだ。
 

食事していると、ウェイタ−が何やらテ−ブルに運んでくる。見ると、なんと今日みんなで釣ったピラニアのご馳走なのだ。空揚げにされたピラニアが、皿の上に並んでいる。よく型がそろっている。そこで、一匹賞味してみよう。フォ−クをとって身を摘むと、ぽろっとした白身が現れる。それを口に含むと、淡泊であっさりした味が広がる。刺身では、どんな味がするのだろうか。案外、こりこりとしておいしいのかもしれない。もう一匹いただくとしよう。滅多と口にできない魚だけに、しっかりと味わっておきたいのだ。やはり淡泊な味で、身はパサついている。川魚では、こんなものなのだろう。特においしいというほどのものではないが、まずまずの味ではある。
 

満足の夕食に、お腹をさすりながら席を立つ。ピラニア釣りとそれを賞味できたことで、アマゾン旅行の素敵な思い出が得られた。今夜は、この思いを胸に抱きながら、ゆっくりと休もう。明日はサンパウロ行きだ。

(次ページはサン・パウロ編です。どうぞお楽しみを・・・。)










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