≪背景写真はウユニ塩湖のサンセット風景≫





     N0.3
(ブラジル&ボリビア)




6.レンソイス大砂丘散策
南米の旅4日目。今朝は6時起床。ホテル出発は9時というので、ゆっくりである。今日も晴天で文句なし。気温30℃超あるので、日中は少々暑そうだ。


本日の予定は午前の半日は近郊の漁村を探訪。そして午後はレンソイス大砂丘の散策である。今日は天気も良いので砂丘のラグーンで泳げるに違いない。


身支度を整えて食堂へ。皿に盛り合わせたのはサラダ、玉子、肉、パン、フルーツ。これにミルク、ジュース、コーヒーと飲み物はたっぷりといただく。これで朝食を終え、出発準備OKである。


少し庭の散歩に出てみる。庭には珍しい南国の花が咲いている。花を愛でながらぶらぶら歩いて行くと、すぐにニューブラジース川の岸辺に突き当たる。そこには朝の川の風景が広がっている。


川の朝の風景

タイプイヨ村見学
9時にホテルを出発し、川岸まで車で移動する。そこからボートに乗って川を渡り、訪問先の漁村タイプイヨ村に上陸。近隣の村と合わせ約165世帯、2000人が住んでいると言う。


このボートで対岸へ渡る


村へ上陸


(動画)ボートでタイプイヨ村に向かう


(動画)タイプイヨ村に上陸

村の青年の案内で生活の様子を見学。庭にはさまざまなヤシの木やマンゴ、バナナ、綿の木など、珍しい南国の樹木や果樹が茂っている。日陰には放し飼いの鶏がヒナを連れて憩っていたり、犬ものんびり憩ったりしてのどかな光景を見せている。


マンゴの実


ヤシの木


ヤシの木


ココナッツ


珍しい実の説明をする現地ガイド


バナナと大きな花


ヤシの木


綿の木


栗に似た実


木の下で憩う鶏のヒナと親鳥


犬さんも憩う


村の手芸品

ひとしきり園内見学を終えると、次は主食となるマンジョーカ粉(フリーニヤ)を作る作業の見学である。材料はコカイモ。そのままでは猛毒のシアン化合物を含んでいるので、洗浄〜皮むき〜電動具ですりおろし粉にする〜籠に入れて水分を絞り取る〜沈殿した澱粉を火で炒る〜タピオカのできあがり〜裏ごししてほぐす〜乾燥・加熱〜マンジョウカ粉の完成。これは長期保存ができ、スープのとろみにしたり、豆や肉にかけて食べる。


電動モーターで粉砕する


粉状になった


これを長細い籠に入れて液を絞り出す


それを裏ごしする


その粉を火にかけて炒る


マンジョウカ粉の完成

これらの見学が終わると、最後にココナツジュースのふるまいである。ココナツを丸ごと割って中のジュースを飲む。こうして飲むのは何十年ぶりだろう。その昔、タイのバンコクで飲んで以来である。懐かしいかぎりだ。


ココナッツの実


実の中のジュースを飲む。ほどよい甘さだが、分量多く1個を1人では飲めない。

ココナツジュースを最後に村の見学を終わり、再びボートで川を渡り、11時過ぎ、ホテルへ戻る。


ふと見ると川で泳いでいる


昼 食
ホテルで昼食。野菜サラダ、パシャーダ(魚と玉子、野菜の煮込みでマラニョン名物)小エビのフライ、豆の煮込み、ピラン、ご飯など。飲み物はソフトドリンク各種あり。ボリュームがあって全部は食べきれない。昼食の後は小休止してレンソイス大砂漠の散策へ出かける。


レンソイス大砂丘散策
小休止のあと午後3時前、南米の2大絶景の一つとされる真っ白な砂丘地帯レンソイス大砂漠の散策へ出かける。昨日は上空からこの白砂漠を俯瞰したが、今日は地上から砂にまみれて砂漠の中を彷徨するわけだ。


白い砂丘レンソイスのこと
レンソイスとはポルトガル語で、「シーツ」を意味する。まるでシーツのように白い砂丘が15万5千ヘクタールに渡って広がっている。砂丘の砂の成分はほぼ100%石英でできており、それが太陽光に反射して白く見えるのである。石英の無色透明なものが水晶と呼ばれる。


レンソイスの白砂。粒子はそれほど小さくないが、ガラスを砕いたような粉で
ギラギラと輝いている。


(サハラ砂漠の砂とエジプト、タクラマカン砂漠の砂との比較)
中国:タクラマカン砂漠の砂がいちばん微細で、サハラとエジプトの砂の粒子はほとんど同じである。サハラの砂がやや茶色っぽい。


チュニジア:トズール近郊のサハラ砂漠の砂


左が中国:タクラマカンの砂。右がエジプト・アスワンの砂


国立公園より100kmほど南のパラナイーバ川が上流から河口まで運ぶ土や泥には石英が含まれており、この石英は河口に達した後、数万年の年月をかけて大西洋の沿岸流により国立公園に面した海岸近くまで流される。その間に石英以外の混入物は砕け散り海水に混じるが、石英は砕かれずに残り、海岸に打ち上げられて風速90メートル以上の強風で国立公園まで吹き飛ばされ、砂丘に積もる。これが長い間繰り返され、現在の姿になったといわれる。


1〜6月の雨季には砂丘の谷間に水が溜まり、無数のラグーン(湖)が出現する。この湖のエメラルドグリーン色が白砂との素敵なコントラストを見せてくれる。湖の中には魚も表れるし、カメや蛙の生息するという。


この大砂丘の観光が始まったのは1997年ごろからだそうで、欧米の観光客を中心に年々増加しているそうだ。しかし、道路は未整備で地道のまま。そのため雨季には道路がぬかるんで4WD車でも進めないほどの状況だという。


悪 路
一行は5台の4WDに分乗し、砂漠へ向かう。まずは川岸まで移動し、小さなフェリーで対岸まで渡る。泳いでも渡れそうだが、5分かかって対岸へ。


車を載せるフェリー。乗れる台数が少ない。


対岸の上陸地点


2艘でピストン輸送


ここより上陸


上陸する車両


乗客はこの橋通路を渡って乗り降りする

そこで上陸し、砂漠へ向かう。ここからが大変な悪路で、深い車のわだちができた地道を駆け抜けて行く。駆けると言っても悪路の凸凹道なのでスピードは出ない。事前に悪路で揺れるとは聞いていたが、予想以上の揺れである。約30分の走行で砂漠の末端に到着。


(動画)白砂漠へ向かう悪路。激しいアップダウンが続く。



ここが砂漠の末端。ここまで車が入る。


向こうの砂丘で夕日観賞。赤い旗が立っている。


水 浴
砂丘のあちこちにできている水溜り(ラグーン)で泳げるというので、一行は水着を用意している。今日は晴天で気温も高く、絶好の水浴日和である。現地ガイドの案内で、まずは砂丘に第一歩を踏み入れて取り付き、奥へ進んで行く。砂上を歩くというのは意外と足が疲れるものである。と言うのは、砂面を足で蹴っても砂にめり込んで、思うように進まないのである。


一番手前にある大きなラグーンは人が多いので、少し奥のラグーンまで進み、そこで水浴となる。

(写真をクリックすると拡大します)





このラグーンで水浴を楽しむ







(動画)水浴を楽しんだラグーン

一行はホテルを出る時から水着を着衣しているので、砂場では上着を脱ぐだけでOKだ。早速、みんな喜々としてラグーンに入る。泳げるほどの深さで水泳も楽しめる。手をつけてみると、水温はぬるま湯より少し冷たい感じである。私は手足を水に浸すだけで、水浴は控える。その後の疲労を考えてのことである。ここで小1時間を過ごす。


美しい砂紋

ここで驚く光景を目にする。地元の若者たちが、なんと砂丘の急斜面を身体を回転させながら下降するのである。頂上から斜面に並行して身体を横たえ、そのままぐるぐると急速回転しながら麓まで下降する。まるで上から丸太棒を転がり落とすような感じで、圧巻の風景である。よく目が回らないものだ。こんな楽しみ方があるのだと、あっけに取られて眺め入る。


魚の泳ぐラグーン
最初のラグーンで水浴を楽しんだ後、魚が泳ぐラグーンへ移動する。ここから約30分の距離で斜面の多い砂丘をアップダウンしながら進んで行く。急斜面の上り、下りが大変で、体力を消耗する。日々のウォーキングで鍛えた我が脚力も力尽きる感じである。


魚のいるラグーンへ向かう一行

急斜面の下りでは、足が砂に深くめり込んで抜けなくなり、何度となく前へつんのめってしまう。添乗さんのアドバイスによれば、身体の重心を後方に置き、かかとから踏み入れるとよいそうだが、なかなかうまくいかない。スニーカーを履いているのがいけないのかもしれない。めり込んだ靴が抜けないのである。いっそ裸足がいいのかもしれない。


今度は急斜面の上りになると、流れ落ちる砂に足を取られて、なかなか上へ進まない。小刻みに早く足を交わさないと足を取られてしまう。砂丘の上り、下りはほんとに体力を消耗する。


斜面の上り、下りに四苦八苦しながら、やっとのことで魚のいるラグーンへ辿り着く。ここでもすでに人々が水遊びをしている。岸辺に近づいて水中をよく見ると、確かに小魚が群れて泳いでいる。このラグーンの中だけに、どこからどうして魚が湧いたのか不思議である。誰かがタオルで魚をすくって見せてくれる。長さ3cm程度のかわいい魚である。ここでは日本人ツアーグループや欧米人が水浴を楽しんでいる。魚がいるということで、やはり人気のラグーンのようだ。


(動画)魚の泳ぐラグーン。背後の斜面に注目。人が斜面を転がり下りている!


ラグーンに生息する小魚


夕日観賞
魚の泳ぐラグーンでひとしきり水浴を楽しんだ後、最初の出発点へ戻る。その道程の遠いこと。時々、急斜面を駆け上りながら進んで行く。ほんとに砂丘の歩行は疲れるものだ。途中、幾つかのラグーンを通り抜けながら進んで行く。


(動画)ラグーンの風景(1)


(動画)ラグーンの風景(2)

そして最後の長い急斜面をやっとのことで上りあがると、そこが最初の出発点の砂丘で、そこには目印用の赤い旗が立ててある。ここがいちばん高い砂丘となっている。ここで砂漠のサンセット風景を眺めようというわけだ。砂漠の観光客のすべてが、この丘に集まってくる。


これまで砂漠のサンセット風景はドバイチュニジアで体験済みである。さて、この白砂漠のサンセット風景はどうなのだろう? 砂上に腰を下ろして疲れを取りながら、入り日を待つ。


日没時間は6時。ようやく太陽が地平線上に近づいてくる。砂丘上の皆は赤く燃えながら沈む夕日に一点集中する。白い砂漠が薄いブルー色に変わってくる。まるで広がる海洋のようだ。刻々と落日の時間が迫ってくる。そして、ついに夕日は砂上の地平線に吸い込まれるように落ちていく。


子供も夕日観賞


サンセット風景


同 上


同 上

(写真をクリックすると拡大します)




夕日を観賞した砂丘






混雑する帰路
夕日が沈むと、途端に夕闇が迫ってくる。事前に知らされていたのだが、帰りのフェリーが混雑するので、サンセット観賞が終わると素早く車に戻るようにとのこと。そこでみんな一斉に車めがけて駆け出すことになる。一行は急ぎ足で自車へ戻ったものの、すでに早々と先行する車両が何台も列をつくって出発している。


こうして再び深いわだちの悪路を揺られながら川岸のフェリー乗り場へ。到着すると、すでに乗船待ちの車の列ができている。フェリーには10台ほどしか乗れないので、ピストン輸送でも時間がかかる。この様子ではたっぷり1時間はかかるようだ。腹をくくって待つしかない。


この川に橋を渡し、悪路を整備して舗装にすれば、どんなにか効率よく快適に観光できるのだろうに・・・。そう思うのは日本人の考え方。現地ではなかなかそうはいかない経済事情があるのだ。


この乗船待ちの車の行列を見逃す手はないと、これを貴重な商機ととらえて、道路沿いには地元の露天商の列ができている。店頭には裸電球をぶらさげただけの薄暗がりの中で飲食物を売っている。結構、待ち合い客が立ち寄っている。ここで我らが車のドライバーさんより、タピオカとコーヒのプレゼントを受ける。お腹も結構空いているので、思わぬプレゼントに感謝である。



列をなす露天商


小1時間待って、どうにか乗船の順番が来たようだ。人間は岸辺の脇に造られた木製通路を渡って乗船。車は岸辺の斜面を伝って直接船へ乗船。こうして対岸へ渡り、上陸するとホテルに向かって走行。ホテル到着は7時半である。


部屋に入って椅子に腰を下ろすと、どうも足が重い感じがする。ふと靴を脱いで中をのぞいて見ると、なんと靴底いっぱいに砂丘の砂が2cmほどの厚さにたまっているではないか! 道理で重いはずだ。急ぎ外に出て、庭に砂を掻き出す始末。この重い砂を入れたまま、砂丘を歩き回っていたのだ。やれやれ・・・。
 

夕食はレストランで
ホテルで半時間ほど休憩すると、再び昨夜と同じ川沿いのレストラン街へ。レストランは昨夜と違うBARLAVENTOというお店である。食堂ホールはやはり二階で、メニューはサラダ、ミニピザ、ブラジル風パエリア、エビのグリル、クリームマンゴなどと盛りだくさん。飲み物は喉が渇いたので、初めてビールを所望する(小ビン4.25レアル=200円足らず)


レストランの看板


テーブルの置物で愛のキス


エビのグリル


ビール

本日はたまたま一行のうち2人の誕生日とかで、わざわざ大きなバースデーケーキ2個が用意され、みんなで祝福し、分け合っていただく。


(動画)バースデーケーキ

階下の道路では、今夜も賑やかなバンド演奏が行われている。それに昨夜と違って大道芸人のパフォーマンスも加わって賑やかである。こうして楽しいバヘリーニャスの夜は更けて行く。


(動画)テンポのいいバンド演奏


(動画)大道芸のパフォーマンス


ホテルに戻ったのは10時半。床に就いたのは11時である。


(次ページは「サン・ルイス観光」編です)












inserted by FC2 system