≪背景写真はウユニ塩湖のサンセット風景≫





     N0.2
(ブラジル&ボリビア)



5.レンソイス大砂丘遊覧飛行
南米の旅3日目。今朝は5時起床。昨夜は十分な睡眠が取れて身体も軽快。窓外を眺めると、まだ真っ暗。そんな暗闇の空に美しい満月がぽっかりと浮かんでいる。これがサンルイスのお月さまなのだ。そう思うと感動もひとしおである。


暗闇の空には満月が浮かぶ

今日の予定は待望のレンソイス大砂漠を上空から俯瞰する遊覧飛行なのだ。いったいどんな光景が見られるのだろう。心がはずむ。遊覧飛行後は今夜の宿泊地バヘリーニャスへ移動する。かなりの距離があるようだ。


身支度を整えて朝食へ。ビュッフェスタイルでパン、ミルク、ハム、サラダ、フルーツ、コーヒーなどでお腹を満たす。部屋に戻り、カメラ、水などをデイバッグに詰めると出発準備OKだ。


遊覧飛行
9時前、ホテルを出発し、郊外の空港へ向かう。小型飛行機専用の空港で、30分で到着。


サンルイスの新市街(空港へ移動する途中の車窓より)


サンルイスの旧市街(空港へ移動する途中の車窓より)

ここで4機のセスナに分乗し、いざ出発。私の搭乗機には私を含め4人と、これにパイロットを加えた5人が搭乗。機は滑走を始めると軽々と離陸。機体は時折揺れながらも、ほぼ安定した飛行を続ける。だが、なかなか白い砂漠らしい風景が見えて来ない。サンルイスの町から260kmほど離れている位置にあるのだが・・・。


このセスナ機に搭乗


離陸して間もなく川が見えてきた


サンルイスの市街が見えてきた


(動画)空港から離陸中。眼下にサンルイス市街が見える。

30分ほど飛行して、やっと前方に砂漠らしい光景が見え始める。やがて砂漠上空にさしかかると、眼下には白い砂漠の中で巨大な怪獣が荒らし回り、あちらこちらとひっかいて黒い爪跡を残したかのような光景が広がっている。あゝ、これがレンソイスの白砂漠なのだ!


(動画)白砂漠上空を遊覧飛行中


(動画)白砂漠上空を遊覧飛行中

それにしても、これほど水溜りの池が多いとは意外な感じである。私の想像では、白い砂漠の中にぽつん、ぽつんと池があるくらいだろうと思っていたのだ。それにもっと白い砂漠かと思っていたのだが、それほど純白に輝く砂漠ではない。


その上、時期的にやや遅く、池の水が干上がって黒っぽい底がむき出しになっているのだ。それが少々艶消しとなっている。タイミングが良ければエメラルドグリーンの水溜り池が見られ、それが真っ白な砂漠との素敵なコントラストを醸し出すのだが・・・。生憎と今年は雨量が少なく、池の水も早く干上がってしまったらしい。6月時点は素敵な光景が見られたそうだが、9月では少々遅すぎて時期を失したようだ。そんな感想を持ちながら、時折、揺れる機内から大砂漠を俯瞰する。


条件が良ければこんな砂漠の景観が見られるのだが・・・

ひとめぐりすると、機はサンルイスの空港を目指してUターンする。こうして約1時間の遊覧飛行は終わりを告げる。砂の白さが予想より足りなかったこと、それに池の水が干上がってエメラルドグリーンの溜池が見られなかったことに、ちょっぴり失望感を抱きながらの遊覧飛行となる。このレンソイスの白い大砂丘はベネズエラのエンジェルフォールと並んで南米の2大絶景とされているのだが・・・。


バヘリーニャスへ
ホテルに戻って荷物をまとめると、サンルイスから260km離れたレンソイス・マラニャンセス国立公園の拠点バヘリーニャスへ移動する。車で約5時間の行程である。12時前、バスでホテルを出発。


我らがバス

広い大地のブラジルのこと、道路もカーブは少なく、一直線に長く続く。そこでスピードが出せないように各所に道路減速帯が設けてあり、高速で走れない。バスは低い灌木地帯が広がる中を快適に走行する。


昼 食
しばらく走行した所でレストランに立ち寄る。規模の小さなレストランで地元の人たちで賑わっている。そんな手ぜまなレストランに一行は割り込んで昼食となる。バイキングスタイルで、各自好みの物を申し出て皿に盛ってもらう。それをレジに持参して代金を支払う仕組み。料金は重さではかる量り売りである。


サラダ、スパゲッティ、シュラスコ料理の肉を一切れ、これにファンタジュースを選んで清算へ。食べ応えのある昼食でお腹を満たす。


再び走行
小一時間の昼食休憩をとった後、再びバスはバヘリーニャスへ向けて走行する。なかなかのバス長旅である。遊覧飛行でも片道30分はかかったので、地上の車移動だと、長時間かかるはずである。途中、トイレ休憩をかねてカフェに立ち寄る。ここでアイスキャンデーを買って一息入れる。外気は暑く、30℃を超えているようだ。


途中で立ち寄ったカフェ


ホテル到着
カフェから1時間超走行して夕方5時、やっと今宵のホテルに到着。門前には赤いブーゲンビリアの花が咲き誇って一行を出迎えてくれる。ニューブラジース川のほとりに建つこのホテルは、ロッジ風の建物で素敵な雰囲気をただよわせている。


咲き誇るブーゲンビリア(ホテル前)


同 上


大きなヤシの木も見える

庭を通り抜けて行くと、川のほとりに行きつく。かなり大きな川で満々と水をたたえた流れは、どちらが川上で、どちらが川下なのか分らない。川のほとりのロッジだけに、今夜は蚊が要注意である。


ホテルの庭。右側の建物が宿泊施設


庭には可憐な花が・・・


南国の珍しい花


夕暮れ時のニューブラジース川


夕食は川沿いのレストランで
ホテルで2時間ほど休息した後、車で5、6分の距離にあるレストランへ出向く。その車が面白い。なんとトラックの荷台に設けられた椅子に腰かけて乗るわけである。こうしてワイルド気分を味わいながら、レストランへ移動する。


到着したレストランは川沿いに並ぶレストラン街の一軒で、階段を上って二階のフロアーへ入る。南国風のなかなか素敵なつくりである。そこにセットされたテーブルに座り、夕食が始まる。シーフード料理で、エビ、イカ、小魚、白身魚などの盛り合わせ。これにシーフードのパイ&サラダなど。飲み物はソフトドリンク、デザートはアイスクリーム。


レストラン入口


2階の食堂フロア


ネコちゃんがお出迎え


バンド演奏
シーフード料理を楽しんでいると、階下からリズミカルなバンドの演奏音が聞こえてくる。その音に誘われ、食事がひとしきり済んだところで階下へ下りてみる。すると道路脇で4人のメンバーがアコーディオンなどの楽器で演奏している。


(動画)路上のバンド演奏


(動画)路上のバンド演奏

この楽しそうな音楽に誘われて、他の同行メンバーも見物に下りてくる。その中の数人は調子のよいテンポのリズムに乗って踊り出す始末。こうしてニューブラジース川の川辺のストリートには賑やかな夜のひと時が流れて行く。これだから旅は楽しく、素敵な思い出を残してくれるのだ。


後でガイド氏に聞いた話だが、この楽団演奏はレストラン街全体が共同して企画し、費用も負担して演奏を提供しているそうだ。


ホテルへ
1時間半のディナータイムを楽しんだ後、再びトラックに乗って9時前、ホテルへ戻る。このホテルはシャワーだけだが、それも残念ながらお湯は出ず、水のみである。仕方なく身体を拭くだけにとどめる。


さて、ここで持参の蚊取り線香を焚いたものか否か思案する。室内を見回したところでは、どうも蚊の気配はない。これなら蚊取りは不要のようだ。そう決めると、顔と手首から先だけに虫よけを塗り、布団をかぶって寝ることにする。就寝は10時前である。

(翌朝聞いたところによると、階下の部屋では蚊が飛んでいたそうで、それに壁には蛙がはりついていたそうだ。私の部屋は2階だったので、蚊などの心配はなかった。)


(次ページは「レンソイス大砂丘散策」編です。)












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