(ペルー編)
13.チチカカ湖・・・・浮き島・島の小学校・トトラの葦船
13日目。今朝は6時に起床。一夜の睡眠で、高山病の症状もすっかり取れて気分爽快。だが今日の日程は忙しく、午前中はチチカカ湖に浮かぶウロス島の観光、それが終わるといよいよ帰国の途につくことになる。今度の旅は15日間という半月にも及ぶ日程だが、往復の移動に3日間も取られるので正味の観光日数は12日間しかない。これでも、あっという間に過ぎ去ってしまう感じである。
窓から朝明けの湖上を眺めると、早くも小船が漁に出始めている。みんな船外機付きのようだ。こちらも早めの朝食を済ませると、いよいよ湖上の遊覧である。見上げる空には、今日も素敵な青空が広がっている。好天続きが、何よりありがたい。8時半、ホテル下の岸辺からチャ−タ−されたボ−トに乗って出航する。船には体格のいいインディオのおじさんがただ一人乗っていて、操船から接岸まで、すべてを自分で切り回している。ボ−トは快音を響かせながら沖に向かって走り出す。
湖面のあちこちでは、早朝から小船で漁をしている風景が眺められる。
漁の風景
この湖では、マスをはじめ多種類の小魚が獲れるらしい。こののどかな風景に旅で疲れた心をいやしながら、さざなみひとつ立たない静かな湖面を進んで行く。40分ほど走ると、浮き島が見えてくる。ここがウロス島で、大小の島々が40ほど点在しているという。
こんな小さな浮島にも人が住んでいる。
これらは普通の島ではなく、この湖に群生するトトラと呼ばれるアシの茎を積み重ねて造った特殊なもので、それが水面に浮上する「浮き島」なのである。このトトラを3mほど積み上げると島の完成である。底が腐れてくれば、また新しいトトラを上に積み重ねればOKなのだ。こんなに簡単な土地?づくりはないだろう。われわれは、そのいちばん大きな島に接岸して上陸する。
浮き島に飛び降りた瞬間、ふわっとした柔らかい感触が足下から伝わってくる。地面の固い感触とは大違いで、クッションがきいてなかなか気持ちいい。島の中央部に歩んで行くと、ところどころに水がにじんで落とし穴みたいに穴が開いて崩れかかっている場所がある。そこに足を取られないように注意しながら、ぶかぶかした足の感触を楽しみつつ歩き進む。ここにはもちろんインディオの人たちが住んでいるのだが、彼らは住居の家から唯一の交通手段である船にいたるまでトトラで作ってしまうのだ。その出来栄えは見事なもので、船にいたっては大人が10人ぐらい乗っても平気なほど丈夫に作られている。
上陸した島はこの浮き島群の本島らしく、かなり広い面積をもっており、家も何軒も建っている。その中にひときわ目立つトタン板製の大型建物がある。これがここ浮き島群の中で唯一の小学校なのだが、ここにまで学校があるとは想像だにできない。
小学校の屋舎
左の小屋はトイレ
だが、もっと驚くものがる。設備はとてもちゃちなものだが、なんと公衆電話があり、郵便局まで開設してあるのだ。これで通信の用が足せるのだから、機能的には大型施設となんら変わるところはない。炊事などは、家の外で素焼きのかまどと鍋を使って調理している。
このボックスが公衆電話
赤いボックスが郵便ポスト
素焼きのかまど
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