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   no.12
(ブラジル・アルゼンチン・ペルー)



(ペルー編)



11.マチュピチュ・・・・ ロマンただよう空中都市・素敵な車窓風景・グ
               ッバイボ−イ

 
念願のマチュピチュ観光
今朝は早朝4時半に起床。待望のマチュピチュ観光である。高山に慣れたのか、高山病の症状もなくなり、体もすっきりと回復して文句なし。早い朝食をすませて、ホテルを6時出発。近くのサン・ペドロ駅から6時半発の観光列車に乗って出発だ。ホ−ムに入ると、鮮やかなオレンジ色の列車が待っている。これから3時間20分の列車の旅が始まる。
 





サン・ペドロ駅のホーム











列車の旅
列車は山を越えて行くのでクスコの市街がよく見える。進行方向に向かって左側座席がよく見えるのだが、指定された一行の座席は残念ながら右側となる。列車は静かに発車し、ゆるやかなスロ−プを上っていく。線路ぎわまで民家が迫るように立ち並び、住民たちが線路わきをうろうろしている。だが、斜面でスピ−ドが出せないから住民も安全である。急斜面になっている山の中腹にさしかかると、スイッチバックが始まる。バックしたり、進んだりして4回のスイッチバックを繰り返しながら高度を高めて行くと、車窓(進行方向に向かって左側の窓)からクスコの街の全景が見え始める。その見事な景観に、車内はざわめき始める。やがて列車は、山の峠を越える。
 

しばらくすると車内サ−ビスが始まり、女性の係が紙製ボックスに入ったスナックと飲物を配ってくる。お腹は空いていないので、ほとんど手を付けず残すことになる。配られた紙ボックスの蓋には、マチュピチュの写真と鉄道路線図の絵が印刷されており、しかもそれが切り取れるようになっている(サイズは21×13.5cm)。そして、蓋の裏は葉書になっていて、そのまま宛名を書き、切手を貼って出せるようになっている。だから、葉書に使うもよし、記念に持ち帰るもよしといった案配である。
 

また、車内にはテレビが設置され、ビデオによるマチュピチュやペル−の遺跡などが英語と日本語で繰り返し案内される。到着までの所要時間が3時間以上と長いので、この案内はなかなかグッドアイディアである。予備知識が得られて観光客には有益である。このようなスナックやテレビの案内サ−ビスなどは、これが観光客用の観光列車だから行われるもので、住民が乗る普通のロ−カル列車では、もちろん何もない。この観光列車の料金は約$15だが、ロ−カル列車だとその1/10の料金で安いそうだ。しかし、これらのサ−ビスがないのと、所要時間が4時間半と長くかかる上、本数も少ないようだ。
 

峠を越えるとその先はほぼ平坦な地形続きだが、この途中でも2回のスイッチバックを繰り返す地点がある。峠を越えると、行程の前半は美しくなだらかな高原や平原が続き、後半は大渓谷や東アンデス山脈の冠雪した山々の景色が展開したり、そしてまた左側には、きれいなウルバンバ川が見られるなど、なかなか変化に富んだ風景が楽しめる。






(車窓からの風景)
穏やかな田園風景が広がる。













(車窓からの風景)
田園の中に村が見える。














(車窓からの風景)
肥沃な土地が広がっている。













(車窓からの風景)
東アンデス山脈の万年雪















(車窓からの風景)
万年雪を冠雪したベロニカ山









沿線の山々は森林がほとんどない禿げ山の感じだが、雨季になれば緑の草原に覆われて美しく変身するのだろう。今日はすばらしい快晴なので、その移り行く車窓の風景をたっぷりと観賞できる。これらを総合すると、往きの車窓風景は右側が良さそうだ。だが、出発当初のスイッチバック段階では、クスコの市街風景は見られない。
 

マチュピチュの空中都市は標高2280mの高山にあるのだが、その高さは意外にもクスコより1000m以上も低いのである。だから、クスコより低地へ向かって列車は走ることになるので、クスコで高山病に苦しむ人でも、マチュピチュへ行くと症状が回復することになる。だから、元気を出してマチュピチュ観光に出かけるべきだ。
 

バスでマチュピチュへ
列車はようやく終点のアグアス・カリエンテス駅に到着。駅の門を出て線路伝いに歩き始めると、その両側には、びっしりとバラックの出店が立ち並び、さまざまな民芸品を並べて売っている。






路地の両側には粗末な露店が並ぶ。この先には、ちょっとした商店街がある。







そこを素通りしながら通り抜けると、右手へ曲がる道路にはマチュピチュ登山のバスが行列をつくって待ち並んでいる。小型バスが10台以上並んでいる行列の様子は壮観である。これで、いま到着した列車の乗客を順次マチュピチュへ運ぶのである。ここではチャ−タ−バスはないらしく、すべてがこの専用バスである。
 





乗客を待ちうけるバスの列










われわれは先頭から3番目のバスに乗車して、いざ出発である。バスはすぐに山間に入り、舗装もされていない曲がりくねった山路を上って行く。バスの車窓からは深い谷間が眺められ、その底を川が流れているのが見える。ウルバンバ川なのだ。






バスの車窓から深い谷間が見える。
谷底を流れるのはウルバンバ川。












 深い峡谷が・・・










山頂付近に近づいたかと思うと、マチュピチュ遺跡の一部がちらっと見え始める。みんなが期待する観光ポイントだけに、車内にはどよめきが起こる。こうしてジグザグを繰り返すこと13回、所要時間20分をかけて、バスは駅から標高差400mの山頂にあるマチュピチュ ホテル前の広場に到着する。
 





山上のマチュピチュ ホテル









ここで荷物預かり所に不要な衣服や荷物などを預け、身軽になって出発する。その前に、虫除けを手や顔などに塗布して虫刺されに備える。ここは標高は高いのに、長袖シャツ1枚でも汗ばむ暑さである。欧米人観光客には、Tシャツにショ−トパンツ姿の若い男女が目立つ。
 

マチュピチュ遺跡
マチュピチュ遺跡の入場ゲ−トを抜けて、細い山路を奥へと歩き進む。間もなく行く手の前方に写真で見慣れた空中都市の姿が、晴れ上がった青空の中に浮かび上がる。感動の一瞬である。そこから急斜面の階段を上りあがり、遺跡を見渡す絶景のビュ−ポイントをめざす。急階段なので高齢にはこたえるとみえ、みんな息を切らして上っている。中にはお先にどうぞと道を譲る人もいる。しかし、その距離は短いので、入門から15分ほどでビュ−ポイントに到達。 


この高台から見下ろすマチュピチュ遺跡の全景は、歴史のロマンをかき立てる強烈なインパクトとなって見る者に迫ってくる。周囲の山々の緑を背景にして、狭く尖った山頂いっぱいに展開するモザイク模様の遺跡群は、見る者をしてその足をくぎづけにせずにはおかない。山上にくっきりと浮かび上がる遺跡群を静かに眺め回していると、一瞬、インカ時代へタイムスリップしたような錯覚に陥る。遺跡のそこここに、インカの人たちが今でも動き回る姿が目に浮かぶようだ。それにしても、これだけ広範囲の遺跡を雑草ひとつ生えないように維持保存るには、かなりの手間と費用がかかるのだろう。雑草を除去するだけでも大変な作業だが、見事によく整備されたものである。

 写真でおなじみの空中都市「マチュピチュ遺跡」の全景




(次ページへつづく・・・)










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