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湖水地方の地図




10.湖水地方(Lake District)観光(2)

湖水地方2日目。今朝はゆっくりと7時起床。昨日の悪戦苦闘の疲れもどこへやら、すっかり癒やされて爽快気分である。快適なベッドルームと素敵な環境の中で熟睡できたからだろう。背伸びをしながら窓辺に立つと、ウィンダミアの静かな町並みが目に入る。今日も素晴らしい快晴のようだ。


朝 食
8時になって1階の食堂に下りて行くと、まだ誰も姿は見せていない。ここも8時からのオープンで、どこのB&Bも朝食はそんな慣行のようだ。いちばん窓際のテーブルに着くと、笑顔の主人が姿を見せ、早速奥のキッチンで朝食の用意をしてくれる。出された食事は、次の写真のとおりである。ソーセージ、ベーコン、目玉焼き、煮豆、ベイクド・トマトが大皿に載せられ、これにトーストパンとポットに入れられたコーヒーなどが出される。どこのB&Bも基本的には似た内容である。


エジンバラで出された煮豆がここでも出されるので、「これは何という豆なんですか? 多分大豆なんでしょうか?」と主人に尋ねると、キッチンから豆の入った缶詰を持ってきて見せる。正式な名前は“ホッカービーンズ”というそうで、これは温めてそのまま出せるし、調理が簡単で助かるという。いずれにしても、大豆のような感じで柔らかく、なかなかおいしいものである。 


主人の話によると、この時季がベストシーズンで、この宿でも日本人客が多く、満室状態が続くという。確かに通りの窓には「NO VACANCY」の表示板が昨日からぶら下げてある。年間のうち8ヶ月が多忙で、オフシーズンの4ヶ月がやっと一息つけるという。「いい商売ですね。」というと、「お蔭でいい商売ができていますよ。」と、にっこり笑いながら答えが返ってくる。この通りの界隈にも数軒のB&Bが並んでおり、多くの日本人客が利用しているようだ。


食事が終わると、あとは「10湖めぐり観光」に出かけるばかりである。9時45分の出発なので、その前にスーパーに出向き、昼食用のミルクパック(33ペンス=78円)とバナナ1本を購入。他はマーフィンケーキが残っているので、これを充てることにする。その後、宿に戻って出発までくつろぐ。


10湖めぐり観光
時間が来たので宿の前に出てバスのピックアップを待つ。ほぼ時間どおりにやって来た15人乗りのミニバスに乗り、10湖めぐりへ出発である。陽気な年配のドライバーが運転するバスは、15人の乗客(日本人の私以外はすべて欧米人)を載せてウィンダミア湖の北部を目指す。この北部一帯に点在する大小の湖を巡ることになるわけだ。


絵葉書の世界
ウィンダミアの町からウィンダミア湖東岸沿いにアンブルサイド
(Ambleside)の町に向かって走ると、目の覚めるような数々の草原の風景が見え始める。まるで絵葉書の世界にいるような感じで、心身の真髄まで癒やされるようだ。草原の緑と木々の緑が広がるのどかな田園風景は、すべての人間の心の故郷なのかもしれない。こんな絵葉書のようなシーンがこの湖水地方に残されていることが、とても心うれしく思われる。これもナショナルトラスト運動のお蔭なのだろう。


絵のように美しい田園風景

美しい湖水の眺め
そんな風景を見ながらしばらく走ると、美しい湖の見えるポイントでフォト・ストップ。羊がのどかに草を食むその向こうには奥行きの深い湖が静かに横たわるのが見える。これはウィンダミア湖の北端部分なのだろうか? みんな下車して、その美しいシーンを眺めたり、写真に収めたりする。



 湖水地方らしい美しい風景




そこから5分ほど走ると、今度は小さな村と湖が現れる。緑の木々に囲まれてひそやかに湖畔にたたずむ家並みの風景は、まさに秘境といった感じである。この素晴らしい自然環境の中で、村の人々はどんな暮らしを綴っているのだろう。ホームステイして一緒に暮らしてみたい気持ちにさせられる。


湖畔にひっそりと肩を寄せ合う民家

湖水のビュー・ポイント
さらに進むと、森の木立の中に教会の尖塔が青空を突き差すように現れ、それを過ぎるとやがて静かな湖畔の道路に出る。しばらく走ると、道路からそれて急坂を高台へ上って行く。少し上ったところに先ほどの湖を見下ろす絶景のビューポイントがある。そこでストップし、皆は下車してその美しい風景に息を呑む。


木立の中にそびえる教会の尖塔


静かな湖水が見えてきた


静けさがただよう湖面



丘のビューポイントから眺めた湖水




グラスミアの町
元の道路に下りて美しい草原風景を眺めながらしばらく走ると、グラスミア(Grasmere)の町に出る。ここで小休止し、しばらく自由時間となる。そこでぶらりと付近を散策していると、小さな教会に出会う。これが750年前に建てられたセント・オズウォルド教会で、ここの墓地の一角に英国を代表する詩人の1人ウィリアム・ワーズワース(1770年に湖水地方に生まれ1850年没)の墓がある。森に囲まれた静かな墓苑には幾つもの墓石が並んでいる。


のどかな放牧風景


セント・オズウォルド教会の内部


教会に隣接して設けられた閑静な墓地

通りを歩いていると、せせらぎの音が聞こえ、それに誘われように近づいてみると、清流をたたえた川が勢いよく流れている。この川の流れと緑陰の多い通りがグラスミアの町に潤いと安らぎを与えている。


グラスミアの町中を流れる清流


潤いに満ちたグラスミアの通り

ここを通り過ぎて少し先へ歩いて行くと、小学校が現れる。校庭をのぞいて見ると、子供たちが球技を楽しみながら体育の授業を受けている最中である。生徒数は少なく、のんびりした様子で、そのほほえましい風景にしばし見とれる。


グラスミアの小学校


小学校のグランド

バスの方に戻りながら通りを歩いていると、犬の本場イギリスらしく、ペットの犬を連れて散策する人が目に付く。この光景は路上はもちろん、遊覧船内など至る所で見られるもので、家族の一員としての地位を犬たちもしっかり保っているようだ。恋愛よりお金より、犬が大事?というイギリス人気質が垣間見られるようだ。


犬をお供に散策中


(次ページへつづく・・・)










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