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   N0.10



8.アグラへの道……オ−チャ−遺跡、インドの新幹線
 
インドの旅5日目。昨夜の早寝で睡眠十分、今朝は6時に起床。デラックスホテルで気持ちの良い朝を迎える。早朝のインドの空は今日も快晴のようだ。ホテル出発は9時とゆっくりなので、それまで時間がたっぷりある。今日の日程はアグラまでの大移動で、バスと鉄道(新幹線)を乗り継ぎ、目的地への到着は夜になる予定である。移動の途中、昼食休憩とオ−チャ−遺跡を見学する予定になっている。
 
                  (アグラの位置)


リクシャーマン
定番のインド料理のバイキング朝食を済ませると、ホテルの門外へ出てみる。すると門前にはバイクリクシャ−やオ−トリクシャ−のリクシャ−マンたちがホテルの客を待ち構えている。何処の国の風景も同じで、日本国内でもホテルの玄関前に客待ちのタクシ−の列が見られるのと同じ光景である。数人のリクシャ−マンが一斉に私を取り囲み、乗れ乗れと言ってしきりに勧誘する。そこで寺院までの料金は幾らかと尋ねると、オ−トもサイクルも同じ料金で往復100ルピ−(280円)という。時間があれば付近を一周してもよいのだが、さほどの時間もなく、また何かトラブったら一行に迷惑がかかるので、この際は見送ることにする。
 

ホテル前で客待ちするリクシャーマンとサイクルリクシャー

周辺の様子
ホテル前の周辺を見回すと、付近には建物もなく、ただ木々の生い茂るのどかな道路が1本走るのみで、車の姿も見られないのんびりム−ドの雰囲気である。ここは村の中心から少し外れているようで、野っ原の中にぽつんとホテルだけが建っている。引き止めるリクシャ−マンたちを振り切って玄関へ戻る。するとホテルの建物の横手に貸し自転車らしいものが10台ほど並んでいる。そこでフロントマンに尋ねると、やはりレンタサイクルで、レンタル料金は1日間で50ルピ−(140円)と安い。早朝や夕暮れ時など、サイクリングを楽しむのもいいかもしれない。個人旅行なら、いろいろトライできるのだが、ツア−だとそうもいかない。  


のどかなホテル前の道路

ジャンシーへ
とかくするうちに9時の出発時間となり、インドの新幹線列車が走るジャンシ−駅を目指して走り出す。目的地まで140kmの距離となっているが、この悪路だけに果たしてどれほどの時間がかかるのか思いやられる。道路は一応舗装されてはいるのだが、なにせ田舎道だけに路面は凸凹で、ガタピシと振動に揺さぶられることになる。車窓に流れる風景はのどかな農耕地帯の風景で、広大な農地が広がっており、その合間には緑の木々が茂って緑陰をつくっている。 
 

こんな静かな田園風景を眺めながら走っていると、時折小さな村落が現れたり、ちょっとした町が現れたりする。順調な走行でカジュラホから北西方向にあるジャンシ−へひた走る。
 

木々が散在する広大な農耕地


こんな車窓風景を眺めながらひた走る


何かの商店前を通過


村の民家が見える


白壁の民家



村の家並み


広大な農耕地


日本と同じ学校の校舎


賑やかな町のロータリー


砂を積んだトラックが転覆している

こうして2時間ほど走ったところでトイレ休憩となる。そこは瀟洒なドライブインの感じで、ちょっとした飲食ができるようになっている。


トイレ休憩をしたドライブイン


ドライブイン前の道路

ドライバーの話
早めに用を済ませてバスに戻ると、ドライバ−が側にぽつんと立っている。そこで話しかけてみると、少しの英語が通じる。中年のおとなしいタイプで、この仕事を始めて10年になるというヴェテランドライバ−である。彼の話によると、この地を訪れる外国人観光客で一番多いのはヨ−ロッパ人、次いでアメリカ人、三番目がスペイン人だそうで、日本人は少ないという。そのことは昨夜の民族舞踊の観客の様子からもうなづける。この国はやはり英国の植民地だったこともあり、欧米人の訪問が多いのだろう。
 

こちらが尋ねもしないのに突然、彼のほうから自分のサラリ−のことを話し始める。それによると、ドライバ−10年の経験で月給は1000ルビ−(2800円)だという。それに比べ、ガイドの仕事は1日1000ルピ−(2800円)もするのだという。そんなことを羨ましそうに話すので、あなたも頑張ってガイドの資格を取りなさいよと励ましの言葉をかける。それにしてもガイドは高給取りの職業であることは間違いなさそうだ。日本語を自由に操る我らがガイド氏は、いったいどのくらいの収入を得ているのだろう? ガイドの仕事は毎日あるというわけではないのだろうが、月に1日の仕事をこなせば、ドライバ−の月給分を稼げることになる。
 

バスの構造
小休止を終わると、バスは再び走り始める。インドのチャ−タ−バスは、どの地域に行っても同じスタイルの白色の車両で、床が高くなっている。そのため昇降口のステップが4段にもなっており、下車の時は常にドライバ−助手が昇降口に立って1人ひとりの手を取り介添えしてくれる。車内の構造で変わっているのは、運転席と客席とが間仕切りで遮断されていることだろう。小さなドアで行き来はできるようになっているが、完全に分離されているので、日本のようにドライバ−に直接話しかけることはできない。
 

われらがチャーターバス。入口昇降のステップは4段。


運転席は間仕切りで隔絶されている

州境通過に州税が・・・
しばらく走るとかなり大きい川が現れ、そこには立派な鉄橋がかかっている。橋のたもとでバスが止まるので何事だろうと思っていると、橋の通行料を支払っている。この橋は有料となっているのだ。それからさらに走ると、今度は検問らしき所でストップする。今度は何かな?と観察していると、ここでも料金を支払っている。ガイドの説明では州税を払っているのだという。インドでは、各州の州境を通過する際には、その都度州税が徴収されるのだという。意外なところに徴税制度があるものだ。
 

車窓の風景


川が見えてくる


州境の検問所

出発してからすでに3時間以上も走っているのだのが……。今度はさらに大きな川が現れる。多分、この川は下流でガンジス河と合流するヤムナ−河の支流に当たるのだろう。ガンジスの流れよりも水が澄んできれいである。この橋は無料で通過し、さらに走って行くと、複線の鉄道路線が現れる。ようやくジャンシ−の町に近づいたようだ。線路を横切って先へ進んで行く。 


大きな川が見えてくる


鉄道路線



(次ページへつづく・・・)










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