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5.ルクソ−ル(東岸)・・・・圧巻カルナック神殿、ルクソ−ル神殿、音と
光のショ−
早くも旅行4日目となる。昨夜は早く寝たので睡眠もたっぷり取れ、6時には目が覚めて床を離れる。今日もアスワンの空は快晴である。エジプトでは雨の心配もなさそうだ。身仕度を終わり、バイキング式の朝食をすませると、空港へ向け出発である。
エジプトの砂
空港へ向かう途中、“アスワンの砂”をお土産に拾って持ち帰ることになる。ほどよい砂丘が広がる地点でバスを止め、みんな下車して砂をひとすくいずつ拾い始める。砂に足を取られながら砂丘に入り、用意していたフィルム入れのキャップに一杯すくい取る。ここの砂は見事な自然の造作物である。日本の砂と違い、色は薄い茶褐色で、そのきめはあくまで細かく、掌で包めないほどサラサラと流れ落ちる。手触りがなんとも心地よく、いつまでも砂遊びを続けていたい感触である。でも、こんなにサラサラでは、砂で形を作るのは不可能だ。ひとしきりエジプト土産の砂拾いが終わると、再びバスは空港へ向けて走り出す。
カルナック神殿へ
アスワンからルクソ−ルまでは、1時間もかからない短い空の旅である。9時半ごろにはルクソ−ル空港へ到着し、出迎えのバスで早速観光開始である。ここルクソ−ルは、かつてテ−ベと呼ばれ、中王国、新王国時代には首都として栄えたという。だからこの地には例を見ないほどの巨大建築物が往時の栄華を偲ばせるように遺跡となって残っている。そしてこの地域は、ナイル川を挟んで東岸と西岸に2分され、東岸にはカルナック神殿やルクソ−ル神殿など巨大神殿が点在し、西岸はテ−ベの人たちが墓地として利用した死者の地域で、有名なツタンカ−メンの墓など王家の谷や貴族の墓などが点在している。
バスはまずカルナック神殿へ直行する。神殿に到着すると、周辺のあちこちに配備された重装備の警備兵たちが目に付く。あのいまわしいテロ事件以来、警備体制が一段と強化されているようだ。二度と繰り返されてはならないことである。
ここカルナック神殿にはいくつかの神殿があるが、なかでもこれから見学するアモン大神殿はエジプトでも最大規模の遺跡とされる。その神殿の祭祀とされるアモン神は当時の国家最高神であり、歴代のファラオたちはアモン神信仰の地に神殿、オベリスク、神像などを寄進し、こうしてカルナックは巨大な神殿建築物となったのだ。今、その入口に立って神殿の全景を眺め回してみるが、手前にそびえる高い第1塔門の壁面にさえぎられて、その内部の全容は隠されている。
カルナック神殿入口門前
目の前にスフィンクス参道が・・・
チケットのチェックを受けて神殿入口に進んで行くと、その両側に小型のスフィンクス13頭ずつが威嚇するかのように居並んで威圧している。これがスフィンクス参道である。
スフィンクス参道
両側にスフィンクスが並んでいる
ここを通り抜けてそびえる第1塔門をくぐり抜けると、そこは広い中庭になっており、ラムセス2世などの巨像が立っている。後ろを振り向くと、その第1塔門を築いた時の盛土が当時のまま残されている。これには驚きである。写真のように壁の高さに応じて土を段々と盛り上げていき、そこを足場に石を引きずり上げながら積み上げていくのだ。最後はかなり高い盛土だったに違いないが、今ではその一部だけが写真のように残っている。石を滑らした跡と思われる溝が見える。
第1塔門の壁
石を積み上げるのに利用した盛り土が見える
この中庭から第2塔門を抜けて奥へ進むと、そこは壮観な大列柱室で、二抱えもある巨大な石柱が所狭しと林立しているのだ。なんとその数134本、高さ23mと15mの2種類の巨柱が覆いかぶさるように立ち並んでいる。圧巻とはまさにこのことであろう。しかもその石柱の一本いっぽんには、みごとなまでのレリ−フが丹念に彫り込まれている。迫り来るような巨柱の列を眺め回しながら、ただただ感動するばかりである。数千年も積み重ねられた歴史の響きが神殿いっぱいに轟きわたっているような気がする。なんとかこの迫力ある巨石列柱を写真に収めようと試みるが、距離間隔が取れなくて、なかなかうまくいかない。
大列柱室への入り口
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