N0.3
(アラブ首長国連邦)





6.ブルジュ・カリファ展望台&ドバイモール
ドバイの旅3日目。昨日は日没まで四輪駆動車で砂漠を駆け巡り、夜はバーベキューを楽しみながらベリーダンスを観賞するという、当地ならではの観光が楽しめた。


今日は今度の旅のハイライト、ブルジュ・カリファ展望台への入場である。世界一の超高層ビル、ブルジュ・カリファは高さ828mで160階建て。展望台はその124階(452m)にある。数年前までは世界一高いビルだった台湾の101ビル(508m)も現在、このブルジュ・カリファにその座を譲っている。


世界には高さを誇る多数のビルやタワーが競い合っているが、その現況は次のとおりである。(2012年3月現在)
1位・・・ブルジュ・カリファ(828m:ドバイ)
2位・・・東京スカイツリー(電波塔で634m:東京)
3位・・・メッカ ロイヤルクロック ホテル(601m:メッカ)
4位・・・広州塔(電波塔で600m:広州)
5位・・・台北101(508m:台北)


近い将来、すでに高さ1000mを超えるビルの建設も予定されているので、ブルジュ・カリファも抜かれる日は遠くなさそうだ。私がこれまでにタワーや超高層ビルに上ったのは・・・

エンパイアビル(381m:ニューヨーク)
エッフェル塔(324m:パリ)
CNタワー(553m:カナダ・トロント)
台北101(508m:台北)
森ビル(上海ヒルズ)(492m:上海)
・東京タワー(電波塔333m)

などで、もの好きとは言え、よくもまあ“バカの高上り”をしたものである。それでも飽き足らず、今度はこの地で世界一の超高層ビルに挑戦しようとしている。


今日はこのブルジュ・カリファ展望台に上ることと、それまでの待機時間をドバイモールに入り浸って過ごす予定だ。食堂へ行ってゆっくりと朝食をいただき、お腹を十分に満たす。さあ、これで出発準備OKだ。


日本人女性スタッフ
出かけるには少し時間が早過ぎるので、1階へ下りて話をしよう。このホテルには日本人女性スタッフがいるとのことなので、彼女にいろいろと話を聞いてみよう。日本人の滞在客が多いので、その対応のために専属スタッフを置いている。


1階フロント横にスタッフのデスクがあり、そこで仕事をしているそうなのだが、今朝は未だ姿が見えない。そこでフロントに尋ねると、奥で仕事をしていたようだ。顔を出してくれた彼女と、しばし面談する。まだ若い彼女は岡山・倉敷の出身とかで、縁があってこのホテルで勤務しているとのこと。居心地は良いらしく、年に一度程度帰省すると言う。ドバイの現状やメトロ(地下鉄)の様子など、小1時間ほど談話しながら時を過ごす。


メトロ(地下鉄)
9時になったので、そろそろ出かけることにする。目指すはドバイモールで、このホテルからはメトロを利用したが便利だとのこと。そこでドバイ・メトロ初乗りを体験してみよう。

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ドバイ・メトロについて
ドバイ・メトロは無人運転の鉄道で、総延長75kmに及ぶ都市交通システムである。路線はドバイ空港と海沿いの開発地域を結ぶ第1期工事分のレッドラインと、2011年9月に開通したばかりのグリーンラインからなっている。これは無人運転の鉄道システムとしては世界最長となる。ここドバイでは何でも世界一なのだ。これらの諸工事に当たっては、日本から三菱商事、三菱重工業、大林組、鹿島建設の各社が請け負っている。


列車の平均時速は43km。運行時間は06:00〜23:00、金曜日のみ14:00〜翌02:00となっている。運行間隔は10分。運賃はゾーン制を採用しており、 2.50〜6.50ディルハム(約70〜180円)。また、一日乗り放題チケットは14ディルハム。


同じゾーン内なら移動に100円もしないという、ドバイでは信じられない程の激安価格だが、この料金体系は利益を生むためのものではなく、多くの人に公共交通機関を利用してもらうためのものと発表されている。


チケットはカード方式で、これを改札口でマシーンにかざして出入りする。カードの種類はレッド、ブルー、シルバー、ゴールドの4色に色分けされ、レッドは回数券的なもの、それ以外は定期券的なものとして利用されている。短期旅行者にはレッドがお勧めである。券売機もあるが旅行者には分かりにくいので、スタッフのいるチケット売り窓口で行き先や往復かなどを告げて買うとよい。バスと共通券なので乗り継ぐ場合などに便利である。


車両は3グレード構成で、VIP車は革シートでゴージャスな内装、普通車は水と空をテーマにしたブルーとグリーンの内装、女性&子供優先車はベビーカーなどの持込用にスペースがとられている。また、全車両に予約制の車椅子利用者、高齢者、病人や妊婦用の優先席が設置されているとのこと。

メトロ路線図⇒ こちら

メトロは一般的に地下鉄を意味するのだが、ここドバイの地下駅は9駅のみで、他は陸上になっており、高架で陸上を走るので車窓風景が楽しめる。また、メトロができて市内交通が便利になったのはいいが、主要観光スポットが駅から少々離れているという難点がある。

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これまでロンドン、パリ、ローマ、スペイン、ニューヨーク、ワシントン、モスクワ、その他、世界各地の地下鉄を乗りまくってきたが、さてこの開通後間もないドバイ・メトロはどんな様子なのだろう。


リビエラホテルの玄関を出ると、すぐに細い路地を裏通りへ出る。そこを右方向へ5分ほど歩くとバニヤス・スクェアに出る。その広場の一角にメトロの入口が見える。これが「Baniyas Square」駅である。

(写真をクリックすると拡大します)
メトロ・バニヤス駅入口

同 上

入口から階段を下りてフロアに出る。この駅は地下になっている。フロアのすべてが真新しい感じで清潔感があふれている。フロアには券売機が置かれ、改札口に並んでチケット販売の窓口がある。まずは券売機を見てみようと近づいてみる。英語表示があるので読んでみても手順がよく分からない。


そこで、誰かに尋ねようと、ふと横を見ると、近くに警官の姿が目に留まる。この駅を警備しているようだ。彼に尋ねようと近づくと、なんと私の腕を掴んでそのまま連行し、目の前のドアの中に入れと言う。「私はただチケットを買おうとしていただけですよ。」と拒否する態度を示すと、問答無用の感じで部屋の中に入れと促す。


「いったいどうしたと言うのだ!」とぼやきながら室内に入ると、持ち物を見せよと言う。そこでカメラと水を入れた小型のデイバッグを見せると、中の物を調べ始める。そして、何も問題なしと判断したのか、「OK」と言って解放する。何とも不愉快な思いで、これまで世界各地をめぐって来たが、警官にこんなチェックを受けたのは初めての体験である。このトラブルでドバイの印象が一瞬にして悪化してしまう。


気分を取り直して改札口の方を見ると、なんとそこにスタッフのいるチケット売り場があるではないか! 最初からこの窓口に行けば、警官チェックを受けることはなかったのにと悔やむことしきりである。この窓口が分からず、仕方なく券売機で買うしかないと思っていたのだ。

チケット売り場

窓口に並んでチケットを買う。「ドバイ・モール駅往復をください。それにドバイ・モール駅からドバイ・モールまでのバス往復分も追加してください。」と告げる。すると下の写真のようにレッドカード(1日券)に料金をチャージしてくれる。金額は16ディルハム(320円)で、このうち2ディルハムはカード代となっている。丁寧にもレシートまでくれるのである。


それを見ると、
・有効期間・・・2011年12月22日〜2012年3月20日
・ゾーン・・・オールゾーン
・種類・・・1日券
となっている。


1日券のカード

このカードを改札マシーンにタッチして中へ入る。エスカレーターで地下に下りるとそこがホームになっている。ホームには「SECURITY」書いた腕章を付けた警備員がいる。この点が他国と違ってSECURITYが行き届いているところ。「ユニオン駅行きはどのホームですか?」と尋ねて確かめる。


ホームにはホームドアが取り付けてあり、それも天井まですべて塞がれたもので安全面では完璧だ。だから、ちょっと見た目には、あたかも列車が止まっているような錯覚を覚える。日本の場合は高さ1m程度のドアが普通なのだが・・・。

(写真をクリックすると拡大します)
バニヤス駅のホームドア

ここバニヤス駅からドバイ・モール駅へのルートは、まず次のユニオン駅で下車してレッドラインに乗り換える必要がある。そこから7つ目の駅が目指すドバイ・モール/ブルジュ・ドバイ駅である。


列車が到着して車内に乗り込むと、ピカピカの真新しい感じで気持ちが良い。この時間は乗客も少なく空いている。1駅乗って次のユニオン駅で乗り換える。ここでもドバイ・モール行きのホームを尋ねて確認し、乗車する。ここからレッドラインの路線になるわけで、主要観光スポットや人気のショッピングモールからもほど近い駅が多くあるのがこのレッドラインである。

メトロ車内の様子

やがて地上に出た列車の車窓からは、高層ビルが並ぶ市街の様子が眺められる。車内の案内放送は誰にでも聞き取れるはっきりとした男性の声で、ゆっくりと発音してくれるので分かりやすい。だからまず乗り過ごしたりする心配はない。車両の両端の上には次の駅名が電光表示されている。

車窓風景

車窓風景


「Burj Khalifa」の発音
日本語の表記では「ブルジュ・ハリファ」「ブルジュ・カリファ」などとなっているが、メトロの車内放送では「ブルジュ・カリファ」となっている。したがって、この旅行記では「ブルジュ・カリファ」の表記に統一している。


バスに乗り換え
ユニオン駅から7つ目の「Burj Khalifa/Dubai Mall」駅で下車。駅の玄関先に出ると、ちょうとドバイ・モール行きのバスが到着したところだ。駆け込んでカードをマシンにタッチして乗車。ここからビルの谷間を縫いながら10分ほどでドバイ・モールに到着。

ドバイモール駅の表示

ドバイ・モールは直線距離では「Burj Khalifa/Dubai Mall」駅から短いが、ビルが立ち並んでいるので、これを迂回しながら移動しなければならない。そうなると距離が長くなり、徒歩では優に15分超かかるようだ。迷いながら進むと30分はかかるのかもしれない。そんなわけで徒歩よりもバス利用が無難である。


ドバイ・モール
昨日訪れたばかりのドバイ・モール。今日は夕方までここにどっぷりとひたりながら1日を過ごす予定だ。このモールは2008年に開業した世界最大規模のショッピングモールで、入居店舗は実に1200店、ほかに巨大水族館やアイススケートリンクなどもある。今日は上着を忘れないようにしなくちゃ。


このモールの構造・面積は次のようになっている。
・階数・・・地下1階、地上3階建て
・建物の形はほぼ正方形で長方形ではない。
・総面積・・・約111.5万平方メートル(東京ドームの約2.4倍)

各階の主な設備は次のようになっている。
地階・・・ブルジュ・カリファ展望台入口、フードコート、スーパーマーケット
1階・・・アイスリンク、水族館、ゴールドスーク
2階・・・アイスリンク、水族館
3階・・・フードコート、アイスリンク、水族館

2階から滝のように流れる人工滝

まずは世界最大の巨大水族館へ行ってみよう。1階の中央部にデ〜ンと構える巨大水槽。これが3階まで突き抜けて設置されている。2010年2月25日、この巨大水槽が破裂し観客が一時避難するという事故が起きた。その時の動画がこれである。今日はトラブルがありませんように・・・。


水族館の巨大水槽前に行くと、ここは一般に無料開放されていて、自由に見ることができる。高さ8.3m、横幅32.88mの世界最大の巨大水槽で、そのアクリルパネルでできた水槽の厚さは750mm、重さ24万5614kg。これまで沖縄の美ら海水族館が保持していた展示パネルのギネス記録を抜いて世界一となった。


その中を3万3000匹の大小様々の魚類が泳いでいる。上層部にはマンタやサメなどの大型魚が悠然と泳ぎ、底部には小型の魚が楽しそうに泳ぎ回っている。泳ぐ様子を動画に収めたいが、ここで保存容量が満杯になり、撮影できずである。残念!

(写真をクリックすると拡大します)

巨大水槽の中を泳ぐ魚

同 上

同 上

同 上

同 上

同 上

ここから2階フロアに移動すると、この水族館の見学(有料)ができる入場口がある。この巨大水槽の中でボートに乗って水中をのぞいたり、水槽を潜る体験ダイビング、それに水槽や魚類のメンテナンスの様子を見せる見学ツアーなどがある。

水槽の上を進むボート

そこで、この見学ツアーに参加してみることにする。料金75ディルハム(約1500円)を払って入場。間隔をおいて女性のガイドがグループごとに案内する(英語案内)。ガイドの後に従って内部を見学して回る。飼育員が小型水槽で魚に餌付けをしたり、病気の魚を小型水槽で世話したりする作業現場の見学で、要するに水族館の裏方作業の様子を見て回るわけだ。

飼育作業中

この作業室には小型の水槽が置かれ、さまざな魚が飼育されている。中には珍しい魚も見られる。とは言うものの、この見学ツアー、それほど妙味のあるものではない。料金は高いがボートに乗ったがましだったかな?

小型水槽で飼育されている魚

同 上

同上。なまず?

小型水槽で飼育される魚


昼食はマーフィン
昼時となったのでランチタイムとしよう。昨日、ここに来た時に狙いを付けていたパン屋がある。そこにはテーブル&イスがセットされて食事ができるようになっている。1階フロアーへ下りて目指すパン屋を探し回る。

モール内のフロア

すぐに見つかり、席を確保すると、ウィンドーに並ぶ品を指さして所望する。狙いは大型マーフィンである。これを2個とオレンジジュースを注文する。マーフィン2個で15ディルハム(約300円)、オレンジジュース1杯18ディルハム(約360円)。


客はまばらにしかいないテーブルで、独りゆっくりと賞味する。結構な味で2個も食べるとお腹はいっぱいとなる。しばし憩っていると、午後1時が迫っている。巨大噴水が上がる時間である。席を立って外のファウンテンへ移動する。


巨大噴水
昨日はレストランの窓越しに眺めたので、今日はファウンテンの側で見てみよう。ブルジュ・カリファのビルを背景に入れならが大噴水を撮影しようと、少々離れた位置を探してみる。適当な位置を見つけてスタンバイ。5分間のショーしか見れないので見逃すと午後の6時まで見られない。


この巨大噴水は2009年より始まったもので、噴水全体の長さは275m、吹き上げる高さは最大150m(50階建てビルに相当)と、これも世界一の規模である。音と光に合わせて水が踊っているような繊細な動きを実現し、そのパターンは1000以上にもなる。これはラスベガスのべラッジオを手掛けた噴水デザイナーによるものとか。ライトも加わる夜の噴水が見応えがあるのだろう。


1時きっかりに噴水ショーが始まる。世界一のビルと世界一の巨大噴水のコラボレーションシーンは滅多と見られない貴重なシーンである。しかし、選んだ位置が悪かったのか、やや遠過ぎてよく見えない。やはり至近距離から見るのが迫力があるようだ。だが、昼間のショーより夜の電光飾に彩られた大噴水が見応えはあると思われる。

(写真をクリックすると拡大します)
噴水ショー

噴水ショー


昨日、レストランの窓越しに見た大噴水は、水面が踊るように盛り上がり、その合間に噴水が高く舞い上がる様子であったが、間近で見る大噴水ショーは見応えのある迫力満点のものであろう。呆気に取られている間に、噴水ショーはあっという間に終了する。


噴水池の周辺
ショーが終わると、噴水池の周辺を散策する。ファウンテンの反対正面には高くそびえるビルが見える。これが昨日、デザートサファリの待ち合わせ場所になっていた「アドレス・ダウンタウン・ドバイ・ホテル」である。こうしてみると、かなりののっぽビルで、その正面にはブルジュ・カリファを眺める絶好のロケーションにある。夜景のカリファビルと噴水ショーが居ながらにして見れるだけに、きっと人気のホテルなのだろう(最低料金は1泊約3万円)。

「アドレス・ダウンタウン・ドバイ・ホテル」

ファウンテンのサイドにはドバイ・モールの建物がベージュ色に輝きながら塞ぐにように広がっている。噴水ショーが終わったファウンテンは静かな水面をたたえている。このファウンテンの周りはプロムナードになっていて、ジョギングする人の姿も見られる。


左手がドバイモール


時間があるので、この機会にブルジュ・カリファの表玄関に回ってビル内に入ってみよう。ファウンテン側はビルの裏側になっているので、このプロムナードをカリファのビルに沿って表の方へ迂回しなければならない。とぼとぼと歩き始めてみるが、先の方では行き止まりみたいになって外の道路へ出られそうにない。


仕方なくあきらめて引き返し、今度はビルの裏門が見えるので、そこへ行ってみる。すると門衛がいて入門者をチェックしている。関係者以外はここから立ち入れないのだ。そうなると、表玄関へはドバイ・モールの建物を大きく迂回して回り込まないといけない。それでは距離があり過ぎるので結局、カリファのビルの玄関口から入ることを断念する。やむなくモールの屋内に戻り、玄関口にあるソファーに座り込んで休息とする。


アイスリンク&ゴールド・スーク
小休止を終えると、館内の探索を始める。まず1階のアイスリンクだ。案内図を見ながら、やっと探し当てる。そこはかなり広いリンクで、主に子供たちが滑って遊んでいる。7・8月の真夏になると気温50℃近くになるのに、このアイスリンクを維持するのは大変だろうなあ・・・と、そんなことを考えながら見物する。このリンクは2階まで通しの吹き抜けになっており、2階から見下ろすことができる。

アイスリンク

2階から見たアイスリンク

このリンクはオリンピックサイズに作られており、フィギュアスケート、アイスホッケー、アイスショーなどができるようになっている。


次はゴールド・スークへ移動する。この館内にゴールド・スークが設けられているのだ。スークは昨日見たばかりだが、ここのスークはどんなところなのだろう? 探しながら行ってみると、アラビアン風の内装で作られた円形のホールになっている。その周囲に200以上の店舗が入ることになっているが,ほんの数軒しか入っておらず、なぜかがらんとして人気もない。つまり、テナントがまだ入っていないのだろう。これではスーク(市場)の用をなしていない。期待が外れて、スークを立ち去る。

ゴールドスーク入口
ゴールドスークの内部

同 上


2階&3階
次は2階へ移動してみる。この階には世界のブランド店が集まったファッション・ストリートがあり、華やかな雰囲気が流れている。だが、人の姿は少ない。この2階からは水族館の巨大水槽が見下ろせるようになっており、上から魚類が泳ぎ回る様子を見ることができる。また、アイスリンクも上から見下ろせるようになっており、リンク全体が俯瞰できる。

1階にはクリスマスのデコレーションが・・・。


3階に上ると、広いフードコートがあり、一角には紀伊国屋が広大なブックワールドを出している。


大まかではあるが、地階〜3階まで歩きまわってみたが、切りがないので、ここらで再び休息とする。


ブルジュ・カリファ展望台
ようやく予約時間の4時が近づいてきたので地階の入場口に出かけてみる。そこの“Will call”の窓口に予約バーチャーを提示することになっている。入口に立っている係員に「4時の予約だが、もう入れますか?」と尋ねると、首を横に振って「10分前に来てください」と断られる。今の時刻はまだ3時半なのだ。


そこでチケット販売の窓口の側をうろついて時間つぶしをする。窓口には若干の購入者が並んでいるが、昨日と同様、1週間先まではすべて「SOLD OUT」の表示が出ている。それより先のチケットを買う人たちだろうか?(展望台の入場チケットについては、この旅行記の冒頭に詳述している)


やっと4時10分前となり、チケット販売窓口の左側に設けてある“Will call”のデスクにバーチャーを提示する。このバーチャーは、ネットで予約した時に表示される画面を自宅でプリントアウトし、持参したのものである。呈示すると、その書類にサインを求められ、署名する。すると、それと引き替えに入場券を渡してくれる。

展望台入場チケット

さあ、これでいよいよ展望台へ上れる! この展望台には「AT THE TOP」という名称が付いている。いよいよ世界最高の高さにある展望台へ上るわけだ。


展望台の高さでは上海の超高層ビル・「上海環球金融中心」(上海ヒルズ)が世界一高い展望台として2009年にギネスに認定されている。同ビルの高さは492mで、展望台はその100階にあり、高さは474mで世界一となっている。ただし、これはあくまでも屋内の展望台としての話である。


これに対しブルジュ・カリファの展望台は124階にあり、高さは442mで「上海国際金融中心」より低いことになる。しかし、この展望台は屋内だけではなく、屋外テラスもあるということで、屋外展望台としては世界最高となるわけだ。


また、2012年5月に開業する東京スカイツリーの第2展望台の高さは450mとなっている。ブルジュ・カリファの展望台はこれより8m低いことになるわけで、展望台の高さとしては色あせて見える。と言うことで、カリファの展望台は屋外テラスがあるという点でユニークさを誇っている。展望台の高さ自体では、依然として「上海環球金融中心」が世界最高になるというわけだ。


要するに、展望台の高さの世界ランキングを示せば・・・(2012年3月現在)
1位・・・「上海国際金融中心」(100階:492m:全長492m:上海)
2位・・・「東京スカイツリー」(450m:全長634m:東京)
3位・・・「CNタワー」(447m:全長553m:カナダ・トロント)
4位・・・「ブルジュ・カリファ」(124階:442m:全長828m:ドバイ)
<参考>
「台北101」(89階:382m:全長509m:台北)
「エッフェル塔」(276m:全長312m:パリ)
「東京タワー」(250m:全長333m:東京)
などとなる。これでみると、ブルジュ・カリファは建物では世界一の高さだが、展望台は世界4位と言うことになる。ただ、外部テラスのある展望台としては世界一の高さと言うことになる。


ブルジュ・カリファの名称
ドバイを象徴する超高層ビル、ブルジュ・カリファは、建築当初の名称は「ブルジュ・ドバイ」であった。それが完成時に正式名称が「ブルジュ・ドバイ」から、アラブ首長国連邦第2代大統領でアブダビ首長国の首長であるハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(khalifa bin Z?yid ?l Nuhayy?n)の名にちなんだ「ブルジュ・カリファ」に変更された。


その理由は、2009年11月に発生したドバイ・ショックのためで、その影響により建設資金難に陥り、その完成が危ぶまれたが、ハリーファの尽力で建設が続行され、完成にこぎ着けたことによるとされている。


展望台へ
カリファのビルとこの入口があるドバイモールは距離にして100mぐらいは離れているのだが、いったい何故このモールの地下に入場口があるのだろう?と疑問に思っていたが、これからそのナゾ解きが始まる。


カリファのビルとドバイモールの位置関係

チケットを示して入場口を入ると、その正面フロアにカリファ ビルの模型が置かれている。その隣のテーブルにはカリファ ビルの映像がガラス面にライトで反映されているのが見られる。

(写真をクリックすると拡大します)
カリファビルの模型
映像画面に浮かぶカリファビル

そこを通り過ぎて奥へ進むとトンネルのように薄暗い中を、動く歩道に乗って先へ進む。想像するに、どうもここは地下道になっているようだ。つまり地下道を通ってカリファのビルへ通じるように造られているようだ。

動く歩道で奥へ進む

フロアの壁の表示

トンネル通路を通り抜けると、次はエスカレーターで上へ上りあがる。これは多分、モールの地下レベルから地上レベルへ上っているのだろう。上部へ出ると、そこは細い廊下になっており、これをどんどん奥へ進んで行く。その先の到達点がやっと展望台へ上るエレベーター搭乗口である。

エスカレーターで上がる

長いフロアを進む

ここがエレベーター

壁の表示

展望台へのエレベーターは1基しかない。だから時間制にして入場数を制限しないと混雑して混乱することになるわけだ。このカリファのビルには合計57台のエレベーター(アメリカ、オーチス社製)があるそうだが、展望台用がわずかに1台しかないのは問題である。設計上、1台分しかできなかったのかもしれない。


このエレベーターは時速64km(秒速18m)の速度で上下する。以前は、台北101(508m)の秒速16.8mが最速であったが、今度その記録を更新したわけだ。ところが落成後5日目の2010年1月9日、124階の展望台に向かっていたエレベーターが停止。子供を含む観光客14人が、地上430m付近で約1時間エレベーター内に閉じこめられるトラブルが発生している。


さらにまた、同年2月6日夜、電源供給に関する技術的問題からエレベーターが停止。124階の展望台にいた観光客数十人が1時間以上にわたって展望台に閉じ込められるトラブルが起こっている。


こうした過去のトラブルがあるだけに、今日はノートラブルを祈りながら上ることに。搭乗口には係員がいて整理をしている。乗客は限られているので混雑することはない。しばらく待っていると下降のエレベーターが到着。


乗客が降りるのを待ってエレベーターに乗り込む。意外と狭いスペースでデパートのエレベーターとさほど変わらない。内部はピカピカ輝くパネルの壁面で覆われている。やがてスムーズに上昇し始めると、あっと言う間に124階の展望台に到着。本当に動いているの?と思われるほど、身に感じるショックや上昇感も感じられない。

(写真をクリックすると拡大します)
エレベーター内部

展望台フロアに出ると、そこは円形フロアになっており、周回しながら見物できるようになっている。フロアは絶えず清掃係が掃除をしているので、ピカピカと輝いている。

エレベーターから展望台に出たところ

展望台フロア

展望フロアの一角に外部展望テラスが設けられ、フロアから回転ドアで出入りできるようになっている。テラスに出てみると、当然のことながら天井はなく青空天井になっている。思わず“お〜っ”と声が出そうな感じである。地上442mの高さで外気が存分に吸えるわけだ。400m級の山はゴマンとあるが、高さ400級のビルの屋外で吸う空気はまた格別である。それにしても嵐などの場合はどうなるのだろう? 当地は雨も少ないようだが・・・。

展望台の外部テラス。青空天井だ!

屋内に戻ると、一周しながら眼下に広がるドバイの光景を写真に収める。眼下の風景は、砂漠の中に造られた摩天楼街といった感じで、その様子が手に取るように分かる。夕方とあって、ビルの“世界一長い影”が地上に伸びているのが見えて面白い。

展望台からの眺望
同 上

同 上

同 上

同 上

世界最長の影?
これが世界最大の噴水池
輪のように見えるのが噴水装置


回廊からの見物が終わると、後はサンセット風景と夜景を眺めるだけである。本日の日没時間は17時35分となっている。それまで、この124階:高さ442mの展望台空間で1時間以上待つことになる。

高さ442mの展望台にあるトイレ

何もすることがないので、ショップを覗いてみる。この展望台には唯一、小さなショップがあり、記念品などの土産物を売っている。荷物にならず安い物となれば、キーホルダーぐらいしかない。カリファ・ビルを形取った小さなキーホルダーがあるので、これをゲットする。後でわかったことだが、この記念品はこの展望台だけでしか売られておらず、他の場所では手に入らない。まさに、展望台登頂記念となるものである。


サンセット&夜景
展望台フロアの壁の一角に4〜5人掛けの唯一小さなベンチが設けられており、そこに辛うじて座る場所を確保する。ここで日没までねばるしかない。窓側の端に腰かけて、太陽が海の彼方に沈む様子を目で追ったり、展望台に上ってくる人たちの様子を眺めたりしながら時を過ごす。


だいぶ日も傾き、次第に日没の時間が迫ってくる。遠く彼方の水平線をオレンジ色に染めながら、ゆっくりとドバイの太陽が沈んで行く。熱した火の玉が水平線に浮かんでいるようだ。太陽が水平線に触れたかと思うと、す〜っと一気に沈み込んでしまう。サンセットはあっけないものである。

(写真をクリックすると拡大します)
ドバイのサンセット風景(展望台より)


太陽が沈むと夕闇が迫るのは早い。午後5時35分の日没だが、6時にはすっかり夜になってしまっている。ドバイのきらめく夜景は100万ドルとは言えないが、砂漠の中の不夜城としてラスベガスに似た感じである。ラスベガスのような派手な電光飾がないだけに、つましい感じではあるのだが・・・。

ドバイの夜景(展望台より)


午後6時の噴水ショーを展望台から見ようと真上の窓へ移動する。待ち構えていると6時に巨大噴水ショーが始まる。ところが442mの高さから直下に見下ろす大噴水は意外にもその噴水の感じがつかめない。噴水の高さが見られないからである。やはり地上からの噴水でないと見応えはない。

展望台より眼下の噴水ショーを眺める。
窓ガラスに袋が反射して写ってしまった。



帰路へ
1階へ下りようとエレベーター前に行くと、乗客の行列ができている。エレベーターが1台しかないので、さばけないのだ。展望台への上り客は制限されているので混雑はないのだが、展望台での滞在は自由なので、下降の客が多くなるわけた。待つこと20分、やっと順番が来て無事地上へ降り立つ。

下りのエレベーターを待つ行列

バスに乗ろうとファウンテン側に出ると、ブルジュ・カリファがライトアップされて夜空に浮かんでいる。優し過ぎる感じのライトアップで、その長身を静かにそびえ立たせている。

ライトアップされたブルジュ・カリファ


帰りのバス停は来る時と異なりモールの側ではなく、少し離れている。尋ねながら移動すると、ちょうどドバイ・モール駅行きのバスが到着。それに飛び乗ってメトロ駅へ移動する。ちょうど退社時間と重なり、バスは混雑している。


駅で降りてメトロへ乗り換えると、これまた混雑状態。もちろん空席はなく、中央部の柱につかまって到着を待つ。ユニオン駅で乗り換え、次のバニヤス駅で下車。そこから5分の宿泊ホテルに無事8時ごろ帰着。


夕食は日本食で
宿泊のリビエラホテルには日本食のレストランが入っている。そこで本夕食はここにしようと出かけてみる。1組の客があるだけで、がら〜んとしている。メニューを見ると、エビの天ぷら定食があるので、これを注文。フィリピン人スタッフに話を聞くと、日本食レストランでありながら、日本人コックは居ないと言う。


運ばれて来た料理は、エビ、野菜サラダ、味噌汁、ご飯、デザートはオレンジである。これで料金75ディルハム(約1500円)。まあまあの味で久々に日本食の味に舌鼓を打つ。ホテルのレストランだけに、料金はやや高目である。


お腹を満たしたところで部屋へ戻り、入浴を済ませて床に入る。10時就寝。



(次ページは「ビッグバスによる市内観光」編です)











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