N0.2
(アラブ首長国連邦)





5.市内観光&デザート・サファリ
ドバイの旅2日目。6時に起床。ここドバイばかりは雨の心配がないので、空模様を気にする必要がない。こんな経験は初めてのことである。このホテルのTVでは日本のNHKの海外放送版が放映されているので、日本のニュースが見れてありがたい。


今日の観光予定は、現地ツアーに参加して午前半日の市内観光(日本語による案内)と午後はハードなデザート・サファリ(英語案内のみ)の予定である。


朝 食
身支度を整えると、まずは朝食だ。7時ごろになって2階の食堂へ。ビュッフェスタイルで並ぶ料理を好きに取り分ける。このホテルの特徴はご飯とみそ汁、それにお粥が用意されていること。日本人の宿泊客が多いらしいのだ。その他の料理は肉ソーセージ類、魚料理、ポテト料理、ゆで卵など。これに各種パン、コーヒー、牛乳、ジュースなどの飲み物、オレンジ・リンゴなどのフルーツが揃っている。これに注文すれば各種の具材をトッピングしたエッグを目の前で焼いてくれる。


ご飯とみそ汁、それにソーセージと玉子、コーヒー、ミルク、最後にフルーツをいただき、お腹を十分に満たす。これで出発準備OKだ。


この食堂で働くウェイターたちはみんなインド、スリランカなどのアジア人ばかりで、ドバイに職を求めて来ているようだ。みんな英語を話すので、出身地などいろいろ尋ねてみる。彼らは年に一度程度帰省しているそうだ。肌色は違うが同じアジア人なので何となく親近感が持てる。彼らの働きぶりは、皆まじめである。


(動画)朝の風景(リビエラホテル前)


市内観光
出発はリビエラホテル朝8時。私の滞在ホテルなので出向く必要はなく好都合だ。予定通り8時に迎えに来たボンゴ車には、すでに若い女性が1人乗っている。東京から来たと言う彼女はインドへ行く途中にトランジットの待ち時間を利用しての1日観光である。


彼女と私の2人を乗せた車は、他の1人をピックアップするために別のホテルへ向かう。このホテルからは岡山から来たという日本人の熟年紳士が参加する。これで総勢3人の観光客が揃い、市内観光が始まる。


ガイドは男性でパキスタン人。上手な日本語を操るのだが、名古屋と沖縄の日本語学校で勉強したという。ドライバーはスリランカ人と国際色豊かである。


ブルジュ・アル・アラブ(Burj Al Arab / 「The Tower of Arabs」の意味)
最初に向かうのはビーチの人工島に建つドバイのシンボルとして超有名な7つ星ホテルの「ブルジュ・アル・アラブ(Burj Al Arab 」である。高層ビルの谷間から世界一の超高層ビル「ブルジュ・カリファ」を眺めながら走り抜け郊外のビーチに向かう。


(写真をクリックすると拡大します)
市内から郊外へ向かう

同 上

摩天楼街を通り抜けて行く

同 上

ビルの谷間にブルジュ・カリファが見える

ビルの上にブルジュ・カリファが伸びる

ブルジュ・カリファが見える

ブルジュ・アル・アラブホテルが見えて来た

ジュメイラホテル

やがてビーチが見えてくると、岸辺でストップ。その向こうにはユニークな形をしたブルジュ・アル・アラブホテルの優雅な姿が海浜に浮かんでいる。まるで風をはらんだ帆船が走っているようだ。

海に浮かぶように見えるブルジュ・アル・アラブホテル

それもそのはず、このホテルはアラビア船の帆の形にデザインされているのだ。(下の写真参照)


アラビア船(ダウ船)

このホテルの建設には人工島に2年、ホテルに3年の計5年の歳月を費やし、1999年にオープンした。ホテルへの入場は宿泊者以外は検問所で入場料を払う必要があるとか。ホテルの高さは321mでホテル単体の建物としては世界最高を誇り、ギネスブックにも登録されている。


ホテルの屋上には付き出すように円形テーブル状のヘリポートが設けられており、空港からの送迎ができるようになっている。また、このヘリポートはテニスコートにも転用されており、プレイを楽しむことができる。地上300mを超えるテニスコートでのプレイは、さぞかし爽快気分であろう。だが、取りこぼしたボールはそのまま海中へ落下する恐れがある。下手くそではボールが幾つあっても足りないのではと、要らぬ心配をする。


穏やかな渚にたたずんで、快晴の青空を背景に静かに浮かぶ白亜のホテルにしばし見とれる。


(動画)・・・ブルジュ・アル・アラブホテルの優雅な風景


ジュメイラモスク
ホテルを後にするとビーチ沿いの道路を東へ移動する。しばらく走ると白亜のモスクに到着する。「ドバイで最も壮大で美しいモスク」と称されるこのモスクは、1978年建立のまだ新しい感じの建物である。高い2本のミナレットがそびえ、庭園にはナツメヤシの木が生い茂っている。建物やミナレットの壁面には細やかな装飾模様が施されて優雅な姿を見せている。

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2本のミナレットがそびえるジュメイラモスク

午前の早い時間とあって、モスクの周囲には人の気配もほとんどなく、ひっそりと静まり返っている。裏手に回ると礼拝の前に信徒が身を清めるための場所が設けられている。信徒はここで礼拝の前に手や口、足などを清めるのである。この清めの行為はウドゥーと呼ばれる。その横の庭園では黄色い花が咲き誇っているのが印象的だ。

ムスリムが身を清める水場

黄色の花が美しい


モスク内部の見学は週4回催される観光客向けツアーに参加する必要がある。私の場合はイスラム世界各地で大きなモスクの内部を何度も見物しているので想像はできる。内部は偶像崇拝禁止のイスラム教だけに、祭壇や祈りの対象物は何一つなく、ただミフラーブと呼ばれる壁の枠があるのみである。メッカの方角に向いて設けられているこの壁枠に向かって祈りを捧げるわけである。


ドバイ博物館
モスクを後にすると、東へ少し移動してクリークの近くにあるドバイ博物館へ向かう。やがて高いミナレットがそびえる砦のような建物が見えてくる。これが博物館で、この建物はアルファヒーディ砦(Al Fahidi Fort)と呼ばれ、外敵から町を守る砦として1793年に建設されたもの。それ以来、宮殿、兵舎、刑務所とさまざまな役割を担って今日に至っている。

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国旗がひるがえる博物館

博物館入口

入場料金の表示

大砲と砲丸

1970年に博物館として再出発し、その後95年には美術館が増設され、実物大の模型や石油時代以前の人々の暮らしぶりを再現している。美術館にはドバイ・クリーク、伝統的なアラブ家屋、モスク、スーク、ナツメヤシ・ガーデン、砂漠、海の暮らしをモチーフにした作品が展示されている。

昔の住居の屋根裏

住居の内部

寝室

この船で真珠を採っていた

鍛冶の作業風景



荷物を運ぶロバ

水たばこを楽しむ

ラクダと御者

ナツメヤシの木


かつての真珠採りたちの水中生活の様子なども展示されており、発掘された3000年から4000年前の埋葬品や精巧な銅器、石膏、陶器などの工芸品も展示されている。

潜って真珠を採っている様子

また、13世紀ごろから現代に至るまでのドバイの発展する姿を映像化したものを見ることができる。約10分程度の上映時間で繰り返し上映されている。


ゴールドスーク&スパイススーク
博物館で30〜40分ほど見学した後、次の観光ポイントであるゴールドスークとスパイススーク見物へ向かう。スークとは市場のことで、貴金属店が一ヶ所に集まるゴールドスーク、胡椒などの香辛料を売る店が集まったスパイススークがこの地では有名である。


車で少し移動すると川のように陸地に入り込んだクリーク(入り江)の岸壁に出る。ここの桟橋から渡し船「アブラ船」に乗って対岸へ渡る。その対岸に両スークがあるわけだ。この渡し船は簡単な屋根を付けただけの簡素な船で20人ほどが乗船できる。料金は1ディルハム=約20円と安く、適当な人数が集まるとエンジンを吹かして出航となる。船側に腰掛けるだけの簡素なものだ。料金は乗船してから船頭が直に集める。

クリークの渡し船の桟橋

クリークの渡し船(アブラ船)

クリークの風景


(動画)ドバイ:クリークの風景


(動画)クリークを航行中


対岸まで約10分ほどの航行で桟橋に到着。上陸して前の道路を横切って進むとすぐにスークが目に入る。雑貨商の商店街を横目に見ながら通り過ぎると右手にスパイススークが目に入る。付近一帯には香辛料独特の匂いが漂っている。スパイスを売る店が狭い路地に軒を連ねている。その種類の豊富さには驚くばかりである。中近東のどの国のスークに行ってもスパイス売りの風景は同様だ。ここでは買う予定はないので見物だけである。


雑貨マーケット

スパイススークには各種の香辛料が・・・



(動画)スパイススーク前の風景(市役所2階より)


次はすぐ近くのゴールドスークへ移動。ストリートには貴金属店が列をなしている。ここでもウィンドーショッピングのみで素通りである。ショーウィンドーには黄金色に輝く金製品がずらりと並んで通行人を魅惑する。それはそれは圧巻そのもの。その誘惑に負けた人が財布をはたいて買うことになる。

(写真をクリックすると拡大します)
金物類のマーケット

世界最大の巨大な金の指輪

上のギネス証明書

ゴールドスークの商店街

金のネックレスが並ぶ

ずらりと並ぶ金の宝飾品

ドバイ人になった気分

さすがに貴金属店だけあって、どの店もきちんとドアが閉め切ってある。買う気もないのに、わざわざドアを開いて中に入るのは気が引ける。値段を知りたいのだが、ウィンドーに展示の製品には、どれにも値段の表示はされていない。金相場は毎日変動するので、いちいち値段表示はしないのが通例だとか。この点がちょっと不便なところだ。他店と比較するにも店内に入って尋ねる必要がある。これでは買い手も逡巡してしまう。


ドバイ・モール
スークで30〜40分ほど過ごした後、次はドバイモールへ移動する。車はクリーク沿いに南下して橋を渡り、そこから西へ移動して超高層ビル、ブルジュ・カリファを目指す。これに隣接して巨大なドバイ・モールがあるのだ。

ブルジュ・カリファが見えて来た

カリファが目前に迫る

このモールは世界最大規模のショッピングモールで2008年に開業した。入居店舗は実に1200店、ほかに巨大水族館やアイススケートリンクなどもある。現在、市郊外のドバイランドに建設中のモールが完成すれば、これが世界一のモールとなる。


昼前、車はドバイ・モールの一角に到着。目の前には超高層ビル、ブルジュ・カリファがそびえている。“そびえる”と言う言葉そのものである。何せその高さ828mのビルなのだから・・・。降り立った場所は絶好の撮影ポイントで、ビルとの間には巨大な噴水池が広がっている。カリファのビルには細い横の筋目が入っているが、これは微妙な傾斜をつけた螺旋状になったものだそうで、風を上に逃がす工夫らしい。

天空へそびえるブルジュ・カリファの雄姿。太陽が反射している。


(動画)ブルジュ・カリファ(高さ828m)。前に見えるファウンテンから巨大噴水があがる。
     太陽が反射してライトのよう見える。右手がドバイモール。



ここで市内観光は終わりとなり、午後のデザート・サファリの出発までフリータイムとなる。サファリの出発は2時半だから、それまでモールの中をさ迷いながら昼食も取らないといけない。


盲目の人が巨象に触るようなもので、モールの規模がどれほどのものか、とんと見当がつかない。とにかく中に入ってうろついてみよう。まずは昼食だ。案内図をみると、店内の一角にフードコートがあるのを発見。方向を尋ねながら巨大スペースをうろつく。するとレストランが並ぶフードコートを発見。

唯一のクリスマスデコレーション

美しい電光飾

モール内のフードコート

店舗の看板などを見ながら物色して歩く。ピザなど洋食系の店舗ばかりで、カレーライスや麺類などの看板は見当たらない。中華料理があれば言うことはないのだが、それも見当たらない。あきらめてフードコートを立ち去り、当てどもなく別のゾーンへ移動する。


すると一角にスパゲッティの表示板が目に留まる。よし、これだ! 他の人が注文するのを眺めならが品定めする。調理カウンターに掲示されている写真を見ながら決定する。トッピングにはトマトソースを選び、これにオレンジジュースを追加する。これらをまずレジで注文して支払いを済ませる。(パスタ32ディルハム=約650円、ジュース19ディルハム=約400円)。そして注文票を受け取り、これを調理カウンターに渡す。しばらく待っていると調理完成だ。


空いている席に座り、上着を脱いで横の腰掛けに置く(これが後で大騒ぎとなる)。やっと好みの食事にありついて、のんびりと食事を始める。ところが食べている最中に、突然、目の前のファウンテンで巨大噴水が窓越しにうねるように吹き上がるのが見える。音楽に合わせて有名な噴水ショーが始まったのだ。


ほほ〜、これが世界最大の巨大噴水なのか! すわっ、写真撮影だ! と色めき立つが、食事の真っ最中では身動きがとれない。ただあんぐりと口を開けて、その迫力に圧倒されながら眺めるだけである。後で分かったことだが、この大噴水ショーの時間は決まっていて、午後1時、6時、そして夜間は半時間ごとに見られるとか。噴水ショーの時間は短く、1回につき4〜5分程度である。


食事を終えると、地階にあるブルジュ・カリファの展望台入口の下見に行ってみる。明日は展望台に上る予定なのだ。意外なことに、この超高層ビルの世界一高い展望台への入口が、なんとこのドバイモールの地階にあるのだ。隣接するとは言え、ちょっと意外な感じである。100mほども離れてるカリファのビルにどうつながっているのだろう?


そんな疑問を抱きながら地階へ移動し、ようやく展望台への入口を探し当てる。入場チケット売り場には数日先の入場分まで「SOLD OUT」(売り切れ)の表示がされている。やはり相当の人気なのだ。事前予約していてよかったと胸を撫でおろす。入口が分かったところでモールの出口へもどる。

ブルジュ・カリファ展望台入口とチケット売り場

その途中、ふと上着がないことに気づく。これは大変だ・・・と、うろたえ始める。午後のデザート・サファリは夜までかかり、夜間の砂漠は冷えるに違いない。これは困ったことになったぞと、慌てふためく。これで海外で上着を忘れるのは三度目である。気温が高いからと思って脱ぎ置くと、つい置き忘れてしまう悪い癖がある。


上着を置き忘れた場所は幸い分かっている。食事の時に横の座席に置いたのを覚えているからだ。食事したレストランへ戻ろうとするが、広大なモールだけにどこだったか方向が分からない。あちこち探し回ってやっとのこで探し当てる。


店内に駆け込んでレジ係の女性に「あの椅子に上着を置き忘れたのですが、知りませんか?」と尋ねると、「あっ、これですか?」と上着を取り上げて見せる。まさしくそれは私の上着である。あった〜!「あ、それです!」と感激、感謝しながら受け取る。「どうもありがとうございます。助かりました。」と深々と礼を述べながら立ち去る。


ほっと安堵の胸を撫で下ろしながら、巨大噴水のあるファウンテン側を通り抜けて行く。その先にあるホテルがデザート・サファリの集合場所になっているので、そこを目指して移動する。


(ジページへつづく・・・)











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