突然の夕立
ここでフリータイムとなり、再度城壁内に戻って散策する。まずは待望のアイスクリームだ。現地ガイドさんが、ここのアイスクリームはおいしいんですよと紹介してくれた店があるのだ。その店は町の中ほどにある小さな広場の前にある。そこにはパラソルとテーブルが幾つも並べられてカフェテラスになっている。
早速、バニラアイスクリームを注文してイスに腰を下ろし、居合わせた仲間と談笑しながら、ゆっくりと味わい始める。評判どおり、なかなかの味で念願が叶い心満たされる。
良い気分になって談笑していると、急に暗雲垂れ込めて雲行きが怪しくなってくる。間もなく雷鳴が轟き始める。やがて大粒の雨がぽつりぽつりと降り始めたかと思うと、みるみるうちに土砂降りの大雨になってしまう。幸いパラソルの下なので雨濡れの心配はないが、雨が止むまで動きが取れない。これまで晴天だったので傘を持参する考えは毛頭なく、虚を突かれた感じで、まさに青天の霹靂である。
ままよとばかり、小雨になるのを見定めて軒伝いに急ぎ足で通り抜けて北門に出る。そこから小走りで本土への橋を駆け抜け、バスターミナルへ走り込む。すぐ近くには野菜などの生鮮食料品などのフリーマーケットが開かれていたのだが、その取材を後回しにしたのが悔やまれる。傘なしでは見物もできない。あきらめて、やって来たバスに乗り、今宵の宿泊地スプリットへ旅立つ。午後5時過ぎのことである。こうしてトロギール観光は、突然襲来した夕立のお見舞いでしめくくりとなる。
(次ページは「スプリット観光」編です) |
|