再びアンコール・ワット
バスは再び郊外のアンコ−ル・ワットに向けて走り出す。遺跡近くに来ると、また入場パスのチェックを受ける。ここを通り抜けてワットの前の広場に到着。そこに降り立つと、早朝には薄暗くてよく見えなかった寺院の風景が、今は午後の強烈な陽光を浴びながら眼前に鮮やかな姿を惜しみなく披露している。やはり早朝の逆光とは違って、順光で見る光景はなんとも鮮明だ。目の前の幅200mの環濠にはひたひたと水がみなぎり、昼下がりの酷暑の中で参詣者に涼感と潤いを与えている。
その左手には塔門へ続く西参道(表参道)が堤防のように塞ぎ立っており、その先には塔門の翼廊が左右に長く伸びて通せん坊をしている。その右側翼廊越しの遠くにアンコ−ル・ワット本殿の尖塔がのぞいている。この参道入口からそこまで540mもの距離である。それだけでも、この寺院の見学がいかに大変かが分かるというもの。それも暑さの中とあってはなおさらのことである。
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