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    no.
(南アフリカ・ケニア・タンザニア・ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ)



(ケニア編)






4.ナイバシャ湖からナイロビ〜アンボセリへ・・・・ ライオン・縞馬・カ
  バ・シュラスコ料理

 
4日目の朝、天候は曇りである。今朝は7時出発ということで、起床も早い。早朝5時半には起きて洗面を済ませると、6時半から朝食が始まり、その後出発である。サファリは早朝か夕暮れが原則である。日中の暑い時間帯は、動物たちはほとんど木陰などで休んで出て来ないからである。
 

今日の日程もかなりハ−ドである。まず、ナクル湖公園でサファリをしながらナイバシャ湖へ移動し、そこでボ−ト・サファリ。その後、再び昨日の道を戻ってナイロビヘ。そこでちょっと市内観光。昼食後、今日の宿泊地アンボセリ国立公園へと移動する。
 





この2台のサファリ・カーに分乗。
サファリする時は屋根を開ける。









サファリのこと
ここで、サファリについて少し説明を加えておこう。「サファリ」とは、もともとスワヒリ語で旅という意味を持つ。日帰りの小旅行でも、1〜2ヶ月の大遠征でもサファリであり、ライフルを持ち野獣を求めて駆けめぐるのもみなサファリという。ところが近年、一般に使われているサファリという言葉の響きは冒険とか探求とかいった意味になってきて、本来の旅ということから少し外れ、野生動物観察旅行を指すようになった。さらに狩猟が全面禁止になってからは、フォト・サファリとして野生動物を見たり写真を撮ったりする意味に変わってきている。つまり、動物ウオッチングの代名詞となっているわけだ。
 

早朝サファリ
ロッジを出発した2台のサファリ・カ−は、早朝のナクル湖国立公園内を走り抜けて行く。さすがに早朝とあって、さまざまな動物が餌を求めて活発に動き始めている。まず、バッファロ−の群れに遭遇。これはアフリカ水牛で草食動物。その仲間では最も気が荒く、時にはサファリ・カ−をひっくり返すこともあるという。頭の角は太く、外側に長く伸びて反り返っており、一見、女性のなで付けた髪型にも似ている。スペインの闘牛見物の経験から察すると、どれも重さ500kg級はある大牛である。
 





バッファローの群れ
反り返った勇ましい角










今度はクロサイだ。これでも体重は1t以上あるのだろう。2本の角を持ち、下の角は大きく前に突き出し、上の角は小さい。テリトリ−は広く、疎林帯や草原に棲んで群れはつくらないという。遠くの草原にも数頭のクロサイがうろついている。






クロサイ
独りで寂しくないのかい?








おっと、今度はヒヒさんの群れだ。イヌのように鼻を突き出し、尾をル−プ状にして歩く。
 






ヒ ヒの群れ
「ちょいと、あんた!」

左端のヒヒの尻尾はループ状になっている。







これらの動物たちに出会いながら走り進むと、広大な草原に出る。大地溝帯に広がる草原の一つなのだろう。右手には細い線を引いたように湖面が照り映えている。遠くのあちこちには、何かの動物たちがうごめく姿が豆粒のように散見される。この美しいシ−ンに引き込まれて、思わずカメラを取り出して写真に収める。



 美しい草原のパノラマ景観。遠くには動物たちの姿が散見される。




くるまは、さらに進んで行く。おっ、今度はインパラだ。普通は群れているのに、単独行動とは珍しい。このカッコイイ角をご覧あれ。竪琴のように流麗な角で、その見事な曲線がなんともいえず美しい。シカによく似ているがウシ科で、この角を持つのはオスだけ。後ろから見ると尾の黒い筋を中心に両側の尻に黒筋があり、ちょうど川の字のように見える。
 





インパラ
美しい角に注目。
「あたし、カッコイイでしょ」







今度はペリカンの群れ。純白の羽に包まれた様子はいかにも清楚な感じで、その大きな黄色の嘴とのコントラストが美しい。意外と体形は小型なのだが、いったん舞い上がると、前出の写真のように見事な編隊飛行を見せてくれる。
 





ペリカンの群れ
「あたしたち、編隊飛行が得意なの」








次はトムソンガゼル。グラントガゼルよりやや小さく、目の下に黒縞、横腹に黒い横帯がある。オスは30cm、メスは十数cmの角を持っている。この脚力がすばらしく、見事なジャンプで飛び跳ねる姿が美しい。以後、この群れには頻繁に出会うことになる。
 





グランドガゼル
「あたしのジャンプ、スゴイんだから」









湖の側にシマウマ(ゼブラ)の群れが遠望される。遠いので、あの鮮やかな美しい縞模様ははっきりと判別できない。湖の水際にピンク色の帯が見えるが、もちろんこれはフラミンゴの大群である。
 





シマウマ(ゼブラ)の群れ
「遠くでゴメンね」










待望のライオンと遭遇
しばらく走ったところで、王者ライオンがついに登場! 5頭のライオンの群れである。みんな総立ちとなり、興奮の眼差しで身を乗り出しながら食い入るように見つめている。くるまから5mほどの至近距離から見る野性のライオンは、迫力十分である。






ライオンの至近距離に迫る。









すでに、十分お腹を満たしているのか、彼らは悠然と草むらの上に寝そべりながら憩っている。昼間はよく寝そべっていることが多いらしい。ライオンはこのように群れを構成し、若いメスが共同で子供の保育をするという。たてがみのあるオスのライオンはいないようだ。なかには、お腹を上に向けて寝っ転がりながら遊んでいるのもいる。子供なのだろうか。その傍をホロホロ鳥が取り囲むように遊んでいる。野性の厳しい弱肉強食の世界に、一瞬のぞかせたのどかな風景である。
 





悠然と横たわるライオンの雄姿
「うしろ向いてるけど、耳でちゃんと聞いてるんだよ。」











のどかに憩う5頭のライオンの群れ
「お腹も満腹だし、のんびりしようか・・・。」












ああ、気持ちいい・・・。
お腹の日干しだ〜。
ホロホロ鳥くん、元気かい?









ライオンの生態
NHKテレビの取材放送で見たライオンの生態によれば、成長した雄ライオンはグル−プから追い出され、独り放浪することになるそうだ。雄はハンティングが不得手だそうで、もっぱらエサを獲るのは雌ライオンの役目だそうである。雄ライオンは、そのおすそ分けをもらって食べるらしい。だから、群れから離れた雄ライオンは、たちまちエサに困り、自らハンティングしないかぎり、飢え死にすることになる。こうして雄ライオンは草原をさまよいながら、出会った別の群れの雄ライオンに闘いをいどみ、うまく行けば雄を追い出してその群れに入り込むのである。それができなければ、孤独の厳しい放浪が待っているだけである。あの勇ましいたてがみをなびかせる雄ライオンでありながら、その裏には悲しい宿命を負っているのである。それにしても、雄はハンティングが苦手だとは意外な感じである。
 


(次ページへつづく・・・)










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