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    no.17
(南アフリカ・ケニア・タンザニア・ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ)



(南アフリカ編)






17.ケ−プ半島と希望峰・・・・オットセイの島・強風の岬・ペンギンの
                   大群・美しい夜景

今日は13日目で旅行最後の滞在日。もう明日の午後は帰国の途へつくことになる。今日はまる1日をかけて、ケ−プタウンから南にのびるケ−プ半島めぐりを楽しむ予定である。ケ−プタウンまで来て、この半島を周遊しなかったとなれば旅行の魅力は半減するとまでいわれるが、それほどこの地域には見どころが多いというわけだ。今日は、その主なポイントをめぐるはずである。
 

今日も南アフリカの空は青く晴れ上がり、明るい太陽がほほえんでいる。朝8時半の出発だが、その前にホテルの様子を写真に撮っておこう。外に出てカメラを構えると、7階建てのホテルの建物が朝日を浴びたテ−ブル・マウンテンを背景に静かにたたずんでいる。そこから広がるなだらかな斜面には、しょうしゃな住宅が山裾まで迫っていて、なかなか素敵な風景を見せている。



 左側がホテル。裏手の山はテーブル・マウンテン。




8時半に出発したバスは、半島の西側を南下しながら、オットセイの棲むシ−ル・アイランド(ドイカ−島)へ向けて走り出す。その途中、ケ−プタウンの郊外にあるカンプス・ベイへ立ち寄る。ここは大西洋岸に面した白砂の美しいビ−チが広がる世界的にも有名なリゾ−ト地である。大西洋の紺碧の海が広がる海岸線には、白砂のビ−チが美しいカ−ブをつくりながら渚を生み出している。
 

そしてその背後には、テ−ブル・マウンテンとこれに続く山々がついたてのように立ちふさがっている。このおかげで、南東から吹きつける強烈な季節風がさえぎられ、比較的おだやかな湾となっているそうだ。そのためか年中リゾ−ト客も絶えず、有名リゾ−ト地とあって、その地価はケ−プ州で最も高いとされている。そしてここには、ハリウッドスタ−の別荘もあるほか、高級ホテルやレストラン、カフェが立ち並んでいる。






 カンプス・ベイの風景。バックにはテーブル・マウンテンをはじめとする岩山が、ついたてのように立ち並んでいる。




半島をめぐる観光客にとって、ここは欠かせない観光ポイントの一つになっているようだ。われわれがバスから降り立った後でも、続いて観光バスがやってくる。やはり、欧米の客ばかりだ。この景観をしっかり写真に収めてバスの人となる。
 

ここからバスはしばらく海岸線に沿ってさらに南下し、入り江のようなホウト湾の奥にある小さな漁村にたどり着く。この湾を出た沖合にオットセイとカモメの棲むドイカ−島(Seal ilandとも呼ばれる)が浮かんでおり、それを見るのがここの観光名物となっている。 


バスを降りると、岸壁からその島へ渡る小型の遊覧船に乗り移る。すでに船内は観光客でいっぱいで、空いた席を探して座り込む。われわれ以外は、みんな欧米人ばかりである。間もなく船は出航し、波をけたてて港外へ向かう。港口を出ると面舵いっぱいに切って右方向へ船首を向け、港から約10分でオットセイの群がる岩礁に到着。

 




遊覧船内部の風景










島すそに、かなり大きな岩礁が広がっており、その岩場の上に無数のオットセイが鳴き声をあげながら群がっている。その壮観な光景を乗客みんな、それぞれに船首や船尾のデッキに乗り出して観察する。いるわ、いるわ……、そのスゴイ数に、ただただ圧倒されるばかりである。いったい、どのくらいの数がいるのだろう。岩の上で日向ぼっこするものがいるかと思えば、その一方では海中に入って餌をとるものありと、それぞれがのどかで自由な時を過ごしている。さすがに糞の匂いだろうか、岩場周辺には異臭がただよっている。


 



海中でエサを捕るオットセイ













 岩礁に群がる無数のオットセイ




遊覧船は岩礁の周りを停船したり、ゆっくり移動したりしながら半周してオットセイの様子をくまなく観察させてくれる。こうして約20分、船は岩礁を離れて帰港し始める。今日は波穏やかで絶好の見物日和である。これが悪天候になれば、船が揺れる上にひどい波しぶきをかぶることになるだろう。港口にさしかかると、そびえるような絶壁の山が迫っている。今日は静かなホウト湾である。
 

ここを後にすると、バスはいよいよ今日のハイライト、希望峰へ向けて突っ走る。今度は半島を横切って東のインド洋側へ出ると、眺望のよい海岸線を南下しながら走って行く。そこには見事なインド洋の海原が視界いっぱいに広がっている。海岸線に出てしばらく走ると、ナイス・ビュ−ポイントにさしかかる。バスはいったんここでフォトストップとなる。
 

降りたって、目の前に広がるパノラマ景観に感嘆の声をあげながら、うっとりと眺め入る。果てしなく広がる青い空、そしてその色が降り注いで染まったような真っ青な海……。そしてこの青の空間に挟まれるように島々が静かに浮かんでいる。この雄大な景観に目をすえながら、右手のほうに視線を移せば、その先にはケ−プ半島の突端ケ−プ・ポイントがナイフで削ぎ落とされたような断崖をつくって突き出ている。あの有名な「希望峰」は、その裏側になって隠れている。このすばらしい情景は、いったいどんな表現をすればうまく表せるのだろうか。





 インド洋を望む大景観。右端の突端がケープ・ポイント。                                                                                                               ケープポイント↑  




バスは再び走り続けると、ようやく希望峰自然保護区のゲ−トに到着する。ここは半島の先端部7750ヘクタ−ルが保護区になっており、10月になるとその一帯にはフィンボスやプロテアの花が咲き乱れて壮観な景色が眺められるという。それにシカ、シマウマ、マング−ス、ダチョウ、ヒヒなどの動物、そして150種以上の鳥類やカキ、藻類が生息しているという。 






美しいプロテアの花
10月ごろが開花の季節
(パンフレットより転載)








バスは保護区のなだらかに開けた斜面を上りながら、行き止まりの駐車場に到着。ここから急坂の上り道が続いているが、これを上り歩いて20分のところに白い灯台が立っている。この灯台は今では使用されておらず、そこは展望台になっていて、すばらしいグランドビュ−が望める絶好のポイントとなっている。






左手が駐車場。
右手山上に見えるのが灯台。
左手斜面をケーブルカーが上る。






われわれはこの坂道を徒歩では行かず、ケ−ブルカ−に乗って行くことにする。ブル−のケ−ブルカ−2台が交互に運転されており、見晴らしのいい風景を眺めていると、あっという間に山頂駅に到着する。そのすぐ近くには、観光案内所があり、そこでこの保護区の地図や案内パンフなどが入手できる。
 





ブルーのケーブルカー
ここで上り・下りが離合する。








そこから急な石段を上って灯台に出る。少々長い階段なので息が切れる。息をはずませながらやっと灯台にたどり着くと、そこには台風のようなすさまじい強風が吹きまくり、しっかり足を踏ん張っていないと体ごと吹き飛ばされそうである。さすがは名だたる嵐の名所、こんな穏やかそうに見える日でも、すごい風がびゅうびゅうと吹きすさんでいる。ここで、海抜248mの高さである。
 








白亜の灯台
上では強風が吹きまくっている。
















(次ページへつづく)










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