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    no.16
(南アフリカ・ケニア・タンザニア・ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ)



(南アフリカ編)






16.ケ−プタウンへ・・・・夕日に映えるケ−プタウン

第12日目。今朝もアフリカの空は快晴で青く、そして深く澄んでいる。今日は旅行最終目的地のアフリカ南端の町ケ−プタウンへ移動する日である。朝6時に起床して朝食を済ませると、出発まで一服である。相変わらず、サバンナモンキ−がガ−デンをうろついている。夜間になれば、このガ−デンにはいろんな夜行性の動物が出没するらしい。そのことを早く聞いてれば、深夜に観察してみたのだが……。
 

今朝も出発前に仲良しになった青年のいる売店に切手を求めに行くと、まだ入手していないという。なかなかのんびりしたものである。これでは、空港で求めるしか手はない。ロビ−に集まると、今日の昼食用にとランチボックスが配られる。ところが、昼食は機内食が出ることになっているので、これではダブって食べ切れそうにない。そこで、売店の青年にランチをプレゼントすることにする。彼は受け取りながら、喜んで礼を述べる。
 

バスは10時にホテルを出発し、20分でビクトリア・フォ−ルズ空港へ到着。早速、空港の売店を探し、そこで切手を求める。ポストはどこかと尋ねると、玄関を出た外の端にあるという。外に出て探すが、それらしきものは見当たらない。そこで、近くにいた空港の係員に尋ねると、遠くの塀のほうを指さして、あの赤いボックスがポストだと教えてくれる。見ると、それはそれはちっぽけなボックスで、家庭用の郵便受サイズのものが塀にぶら下がっている。投函はしたものの、その頼りなさに、ほんとにこれで大丈夫なのかと心配になってくる。(後日、その葉書は半月以上かかって無事到着した。やはりアフリカは遠い。)
 

11時45分発の飛行機に搭乗し、約1時間半で南アフリカのヨハネスブルグ空港に到着。そこで1時間半の乗り継ぎ待ちの後、午後3時発の飛行機で最終目的地のケ−プタウンへ向かう。ヨハネスから2時間の飛行で夕方5時、夕日に映えるケ−プタウンに到着。早速、出迎えのバスに乗ってホテルへ向かう。この地の案内は現地人で日本語のうまい若い男性ガイドである。
 

この町ケ−プタウンはヨハネスブルグに次ぐ人口300万人の大都市で、共和国議会が開かれる立法府の首都である。1652年にオランダ東インド会社の補給基地を建設したのがこの町の始まりで、当然、オランダ人がこの地の最初の上陸者となったわけである。その後、イギリス人が進出し、現在ではイギリスの町という印象が強くなっている。この町の人種別構成比率でいちばん多いのは、白人と黒人の混血であるカラ−ドと呼ばれる人種で、これに次いで高いのは白人である。ヨ−ロッパ人の移住が、この地から始まったことによるものである。
 

町中を走るバスの車窓から眺める風景は、きれいに晴れ渡った空の下に広がる夕映えの町並みで、建ち並ぶ近代的な高層ビルが美しいシルエットを見せている。そして大西洋岸に開けたウォ−タ−フロントには船影も見えて、ここがアフリカ最南端の町であることを感じさせる。やがて左手に、この町のシンボルともいえるテ−ブル・マウンテン(その名のとおり、頂上が平らな岩山で標高1067m)が見えてくる。そこから、大西洋が遠くに見渡せる小高い丘に上ると、今夜の宿、ホリデイ・イン・ガ−デンコ−ト・イ−スタ−ン・ブル−バ−ド(1泊344ランド〈約6200円・部屋代のみ〉)という長い名称のホテルに到着する。
 

見晴らしが良さそうなので、期待しながらキ−をもらって2階の部屋にたどり着くと、残念にも植え込みの樹木が邪魔して窓外の景色が皆目見れないのである。この眼前に広がる素敵な光景が見える部屋は、5階から上の部屋にかぎられるているのだ。その点で、料金が高いのかもしれない。
 

夕食まで時間があるので、このケ−プタウンの夕景色を写真に収めようと外に出てみる。玄関のホテルマンに、「この近くで、街の風景が見渡せるナイス・ビュ−・ポイントを教えてください。」と尋ねると、「ホテル前の駐車場が一番でしょう。」と教えてくれる。なるほど、そこは高台の端になっていて、広大な景色が見渡せるポイントである。このホテルは、ケ−プタウンの中心部からすこし南にはずれたテ−ブル・マウンテンの麓に位置している。この街は北をテ−ブル湾に接して、南をテ−ブル・マウンテン、東をデビルス・ピ−ク、西をライオンズ・ヘッドといった山々に囲まれた狭い地域に展開している。
 

駐車場に立つと、眼下に町並みが開け、その遠くに広がるテ−ブル湾が大西洋の潮をたたえながら夕日に映えている。そして左手には、ライオンズ・ヘッドの山が夕日を浴びながら、なめらかな曲線美を描いて横たわっている。いま、すばらしい夕映えの風景が目の前に広がっている。しかし、かなり強い風が吹き流れている。そもそも、この強風はケ−プタウンの特徴で、これでも今は穏やかな時期だという。有名な希望峰の岬が「嵐の岬」と呼ばれることからも分かるように、アフリカ南端の地域は年間を通して強風が吹きまくる土地柄なのだ。このパノラマ景観を6枚の連続写真に収めて部屋に引き上げる。



 夕日に映えるケープタウンの街並み。




一服すると、7時半からバイキングの夕食が始まる。これまでの開放的でゆとり感のあるジンバブエのリゾ−トロッジの食堂からすれば、ここのダイニングル−ムはやや手狭で窮屈な感じである。コ−ヒ−、紅茶などもセルフサ−ビスで飲むことになっている。デザ−トには好物のアイスクリ−ムもない。そこで特別に注文して取り寄せる。バニラアイスクリ−ムが3個盛りなった皿で、10ランド(約180円)と安い。満腹したところで部屋に戻り、床に就いたのは10時である。


(次ページは「ケープ半島と希望峰編」です。)










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