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    no.15
(南アフリカ・ケニア・タンザニア・ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ)



(ジンバブエ編)






15.ビクトリア・フォ−ルズの町・・・・ ワニ園・クラフトビレッジ
 
ザンビア側からの滝見物が終わると、バスはビクトリア・フォ−ルズの町へ戻り、午後1時前宿泊ロッジへいったん帰着する。ここで昼食となり、コ−ス料理でビ−フ・ステ−キをいただく。でかい大判のビ−フ肉に圧倒されながら、デザ−トはアイスクリ−ムとコ−ヒ−で締めくくる。午後は町外れにあるワニ園とクラフト・ビレッジの見学である。
 

食後の一服が終わると、まずワニ園へ向かう。気温36度という昼下がりの暑い園内で、案内係に誘導されてワニの数々を見物して回る。小さな子ワニから大型のワニまで、各種のワニがそれぞれのゲ−ジに分けられて飼育されている。見学中にタイミングよくワニの餌づけ時間に出合い、そのすさまじいワニの餌争奪戦の模様が見られる。ワニ園とはいえ、ここにはライオンやヒョウ、ダチョウ、それにヘビなども飼育されていて動物園の感じである。ワニ園だけに、見慣れないとその数の多さに圧倒されて打ちひしがれてしまいそうだ。
 





大型のワニ















いま、餌付けをしているところ。
このワニの群れ、慣れないと具合が悪くなりそう。







ワニ園の見物を終わると、次はクラフト・ビレッジへ向かう。ここは昨夜アフリカン・トラディショナル・ダンスを観賞した劇場に隣接しており、ショナ、ンデベレ、ブッシュマン、バトンカなど、19世紀のジンバブエの村の様子を再現したアフリカン・カルチャ−・ビレッジである。各部族の違いによって建物に特徴があるが、案内係の黒人女性が一つひとつ案内してくれ、内部に入ったりしながら見学して回る。
 





クラフト・ビレッジ
さまざまな家の形がある。








ここを最後にロッジへ引き上げることになる。その途中、露天に並んだみやげ物売りが集まるセンタ−でストップ。ここで最後のみやげ品買いとなる。この広場にも、かなりの人が地面に広げて木彫りの彫刻品などを売っている。観光客が相手だろうに、その人影はなく、われわれがかっこうの標的となる。バスを降りて近づくと、女性の売人が手に手に品々を持って駆け寄ってくる。そして、品物を差し出しながら、「5ドル!」とか「3ドル!」とか口々に叫びながら迫ってくる。それを断るのが大変である。これではゆっくり品選びができない。
 

突然、遠くに離れた建物の方角から、アフリカンリズムを響かせながらドラムと歌声がにぎやかに聞こえてくる。何事だろうと興味がわき、急ぎ足で見に行ってみる。と、そこはレストランで、その玄関前にアフリカ黒人の男女が並びドラムを打ち鳴らしながら歌い踊っている。周囲には見る者もいないのに、いったいどうしたことだろう。夕暮れ近くになってきたので、ディナ−への誘い込みのためのデモなのだろうか。ともかく、そのかっこいい演奏振りを写真に撮っておこう。
 





アフリカン・ダンス










再びみやげ品売り場へ戻って物色する。ここで、木彫りのお面が欲しいと思い交渉するが、なかなか値を下げようとせず、こちらの望む値段と折り合わない。そこで、目の前の建物の中に入ると、そこにも所狭しとびっしりみやげ品売りが並んでいる。ここは屋内だから露天よりも値段が高いのかもしれない。そう思いながらセ−ルスの声をかき分けて奥のほうへ進んで行くと、一人のおばさんが差し出す木彫りのお面に目が留まる。それは長さ20cm、幅6cmの男女一対のお面で、黒檀のようにつやつやと黒光りしてずっしりと重い。彫りも木質もいいし、その上、荷にならない小型であることが気に入ったのである。
 

そのおばさんが売値を2ドルというのをさえぎり、1ドルと申し出る。すると、他の売人とは違って、いともあっさり1ドルでOKという返事。ちょっと安過ぎて気の毒かなと思いながらも、1ドルを払って2枚のお面を受け取る。周りの相場と比較すれば、これはだれが見ても1ドルとは考えられない安さである。少なくとも3ドル以上はする代物だろう。
 

バスに戻って、そのお面をみんなに見せながら鑑定してもらうと、3ドル〜5ドルという値段を付ける。そこで、1ドルで買ったことを告げると、みんな驚きの表情で私の安値買いに感嘆することしきり。だが、それとは裏腹に、私の気持ちは晴れない。というのは、それほど安く売ってくれたおばさんの心意気をくんで、どうしてもっと多くの品を買わなかったのかという後悔の念にさいなまれるからである。この体験から、値切るのもいいが、それも程度もので、人間としての価値判断に基づく適正な水準で折り合うのが好ましいということを知る結果となる。値切りのうまさは、時には自己嫌悪に陥るものである。
 

なんだか後味の悪い思いを残しながら、バスは夕方5時前ロッジへ帰着する。夕食の7時半まで間があるので、その間に入浴を済ませてガ−デンで一服する。ここはいつみてもリラックスできる素敵な雰囲気が流れている。アフリカの自然に囲まれた素敵なリゾ−トである。夕食はコ−ス料理で、昼食と同じビ−フステ−キを注文し、ビ−ルで乾杯しながらアフリカの夜を楽しむ。床に就いたのは10時である。



(次ページは「ケープタウン編」です。)










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